from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」というタイトルの本のレビューの続きです。
前回の記事では、英語の雑談では「自己開示」が大事だということをお伝えしました。
これは、英会話レッスンを受ける時にも有効な手段です。
僕はオンライン英会話のレッスンで、初対面の先生相手には必ず自分の家族の話や、過去の失敗談などをシェアします。
すると、向こうも自分の離婚歴の話や、今の彼氏&彼女の話などをしてくれて、わずか25分でもかなり濃い情報交換ができます。
そして、一気に仲良くなれるのです。
「自己開示」は、西洋の人たちと雑談する時には必須と言えるでしょう。
空気を読む VS 言葉で伝え合う
次にこの本に書いてあった、文化の違いが一番色濃く出ているなと僕が感じたポイントは、
・日本語は空気を読む
・英語は言葉で伝え合う
という部分です。
これは、日本人である僕らには、しっくり来る部分だと思います。
日本文化では、相手の言葉のウラ側にある気持ちを察して、そこに即した行動を求められます。
相手の言葉を、額面通りに受け止めてはならないのです。
相手が笑顔を作りながら、好意的な言葉を発していたとしても、そのウラにあるネガティブな心境を見抜いて、相手に謝ったり、今後迷惑がかからないように行動したりといった、「言外のメッセージを読み解くスキル」が要求されます。
それができないと、「空気が読めないやつ」と批判されてしまうのが、日本文化なのです。
相手の顔の表情や声のトーンなどを総合的に観察しながら「空気を読むこと」を最重要課題にすると、言葉自体の持つ意味は薄れていきます。
だから、日本の雑談では「天気の話」のような、無難な話題を切り出しても、そこから得られる情報が多いのだと思われます。
話している内容以上に、相手の空気を察して読み取ることが大事だからです。
一方で、英語の雑談では、「文化のカベを超えること」が前提になっています。
文化が違う者同士でコミュニケーションを取る場合、空気を読むことはほぼ不可能です。
「ちゃんと言わなきゃ分からない」
が前提の文化の中では、必然的に言葉の持つ意味が大きくなっていきます。
そのため、英語の雑談は「言葉で伝え合う」ことが前提になっているのです。
僕たち日本人にとって、意識してすべてを言葉にして伝えていかないと、英語の雑談で相手と心を通わせることはできません。
心理的な距離重視 VS 情報や意見交換重視
もう1つ、この本を読んで「なるほど!」と僕が思ったのは、
・日本語の雑談の目的は、心理的な距離を縮めること
・英語の雑談の目的は、情報や意見交換
という部分です。
日本語の雑談では、相手と心理的な距離を縮めることが一番大事になる、というのはよく分かります。
だからこそ、話題は何でも良いし、自分の意見などを言う必要もないのです。
また、この本の中で著者のピョートルさんが理解できないこととして挙げている「日本人男性は仕事上の付き合いの人と、下ネタトークを交わす」という部分も、心理的な距離と関わってきます。
下ネタは使いようによっては、心理的な距離を一気に縮める爆発力を持っています。
もちろん、使いどころや使う相手を間違えると、逆効果になる確率が高いです。
でも、うまくハマッた時の心理効果は絶大でしょう。
僕がジーンズショップの店長をしていた頃も、店長のほとんどが男性ばかりだったので、月イチの会議で集まると、昼休みや行き帰りの相乗り車内で下ネタトークで盛り上がっていました。
下ネタトークをしている時の話の内容や行動は、小学生男子とまったく変わりません。
何とも子どもっぽい、くだらないトークだとは思います。
でも確かに、くだらないことで盛り上がる店長仲間とは、学生時代からの友人のような親近感を感じました。
それが、日本では「相手と仲良くなって仕事を円滑に進める効果」が一定量あるのかもしれません。
そういう文化もあって、日本では「キャバクラ接待が経費に計上できる」という法律が存在していると思われます。(たびたび問題として取りあげられてはいますが)
ただ、西洋出身のピョートルさんからすると、これはまったく理解できないようです。
英語の雑談は「情報&意見の交換」を重視しているので、下ネタトークは何の意味も持ちません。
相手に何を伝えようとしているのか分からないからです。
そして西洋の人は、「自分の意見や、自分が持っている情報を相手に伝えること」を重視しています。
僕が受けているオンライン英会話の講師の方々の生徒からのレビューを見ていても、
「自分の意見ばかり話している」
といったコメントで低評価が付いてることがあります。
これはまさに、「文化の違いが引き起こすスレ違い」だと、僕は分析しています。
相手の先生は、一生懸命雑談しているけれども、相手の日本人生徒には、
「自分語りばかりしている、空気が読めないやつ」
とか、
「生徒が英語を話す時間を十分に与えない。先生として失格!」
と映ってしまうのでしょう。
もちろん、それは日本文化の中では正しいのかも知れません。
でも、せっかく英語を学んでいるのであれば、英語圏の文化も一緒に学んだ方が、自分の視野が広がって良いような気がします。
・・・つづく。
今回紹介した「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」の本はこちらの画像をクリック↓↓↓
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From 師範代Shinya(新村真也)
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