
from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
僕の動画セミナーの中で、ご好評をいただいているパートである、「イメージ英文法」の解説コーナー。
イメージ英文法は、学校の授業のように文法ルールを暗記するスタイルではなく、「ネイティブの感覚」で英文法を使いこなすための手段です。
1つ例をあげると、日本人が使いこなせない文法の代表格に、「現在完了」があります。
従来の勉強法では、現在完了のルールとして、
「現在完了には、経験、完了、継続の3用法がある。文脈によって、どの用法かを判断する。また、過去の一時点を表す副詞(yesterday, 3 years ago など)とは一緒に使えない」
といった解説がされます。
でも、この用法を覚えただけで、実際に現在完了を会話の中で使えるようになるのは、正直ムズカしいです。
日本語だと、現在完了も過去形も同じ意味になるからです。
① I lost my phone.
(スマホをなくしました。:過去形)
② I have lost my phone.
(スマホをなくしました。:現在完了)
訳が同じになる以上、使いどころが分からないのです。
さらに、文脈で用法を判断すると言われても、英会話の早い流れの中では判断する時間すらありません。
それでいながら、ネイティブは現在完了を会話の中でバンバン使ってきます。
だから僕たちは、混乱してしまうのです。
ネイティブの視点
ネイティブの視点で見ると、現在完了は経験、継続、完了などを意識しながら使い分けているわけではありません。
現在完了を理解するためには、まず「have」を知る必要があります。
have = 持っている
ではなく、
have = 自分の生活の中に、今ある(いる)
という風に覚えます。
① I have a car. = 私の生活の中に、今、車がある
② I have a son. = 私の生活の中に、今、息子が一人いる
③ I have a meeting in the afternoon. = 私の生活の中に、今、午後の会議がある
という感じです。
まったく同じイメージで、
④ I have lost my phone. = 私の生活の中に、今、スマホがない状態がある
という感覚で話すのが、現在完了なのです。
「lost my phone という状態を、今、私は have していますよ。だから、今スマホはないんです。」
と言っていると分かれば、現在完了を経験、完了、継続などの用法に分けて考える必要はなくなります。むしろ、この3つが混ざっているのが現在完了なのです。
実はめちゃくちゃシンプル
I have lost my phone. = 私の生活の中に、今、スマホがない状態がある
というのは、スマホをなくした「経験」があるとも言えるし、スマホが無い状態が「継続」しているとも言えるし、スマホをなくしたという行為がすでに「完了」しているとも言えます。
この3つを分けることに、意味はありません。
ただネイティブはシンプルに、
「私の生活の中に、今、スマホがないんだよ!」
と言っているだけです。
それを聞いたら、「あら!今もないのか!それは大変だね!」と受け取れば良いのです。
実際に、僕も自分が英会話をする時には、この感覚だけで現在完了を使っています。
リスニングもスピーキングも、このイメージだけでいけます。
僕の個人体験で言うと、現在完了の使いどころが分かるようになってから、日本に住むネイティブたちから「シンヤは自然な英語を話すね」と言われる確率が上がりました。
やはり、日本人の英語に慣れているネイティブからすると、「日本人は現在完了をあり使ってこない」というイメージがあるようです。
それは、ルールで覚えようとするのが大きな理由だと思います。
分けると複雑になる
僕たち日本人は、学校の授業で「一般動詞の have」と、「現在完了の have」を分けて考えるように教わるので、なおさら混乱してしまいます。
英会話の速い流れの中でリスニング中に文法を考えている時間はありません。
「ぬぬっ!この人は今、have を入れて話してきたな!
これは一般動詞の have か?
いや!have の後に名詞ではなく、動詞の過去分詞を入れてきた。
つまり、これは現在完了だろう。
現在完了には、3つの用法があったな。経験、完了、継続だったはず。
文脈から判断せねば!あれ?今この人、そもそも何て言ってたっけ?
あっ!すでに話し終わって私の返答を待っている!しまった!have に引きずられて、その後の話がまったく聞こえなかった!」
なんてことになります。(まさに、やり直し英語を学び始めたばかりの頃の僕です)
でもイメージ英文法なら、こんな複雑な思考回路にはなりません。
その結果、ネイティブの早いペースのしゃべりの中で出てくる現在完了にも、即座に反応し、自分でも即座に使えるようになるのです。
「こんなざっくりした覚え方では、資格試験の英語には対応できないのでは?」
と思われるかもしれません。
もちろん、学校のテストのように「現在完了の方法を日本語で解説せよ」みたいな問題を解く時には、苦戦するかもしれません。
でも、英検やTOEICのような、英語の運用能力を測る試験では、まったく問題ないどころか、むしろプラスに働きます。
時間との勝負を求められる資格試験では、イメージ英文法は助けになるのです。
僕自身も、イメージ英文法でTOEIC900点、英検1級まで取れました。
その後、英語講師として受験生を教えるために、改めて文法用語や用法のルールなどを学びました。
でも英語を教える仕事をしていなければ、文法用語を覚える必要はありません。
イメージ英文法を全てまとめた動画セミナー
このイメージ英文法を、それぞれの項目別にまとめた「イメージ英文法完全マスターコース」を作るのが、僕の中でずっとやってみたかったプロジェクトでした。
そしてついに、今年それをリリースできる準備が整ったのです。
その準備を一気に加速させてくれたのが、ある「動画配信システム」との出会いでした。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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