【TOEIC900点持っていても、英語が話せない人がいる理由⑦】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

TOEIC900点以上持ってることは、確実に英語の土台の力があることの証明だと、前回までの記事でお伝えしました。

ただ、「英語を話す」となると、とたんに詰まってしまう人もいることも事実です。

その理由として、TOEICテスト(リスニング&リーディング)で測れるのが、ごく一部のスキルの値だからです。

英語を話す時の流れは、

①相手の英語を聞き取って理解する

②聞き取った内容を元に、自分が言いたい内容が頭に浮かぶ(自分の言いたい内容は日本語で浮かぶのが普通)

③言いたい内容を、英語化する(ボキャ&文法)

④英語化した文章を、実際に口を動かしながら発音する。

⑤相手に自分の発音が通じれば、反応があって①~④が繰り返される。

というステップを踏みます。

この5ステップのうち、TOEICテスト(リスニング&リーディングテスト)で測れるのは、①と③の部分だけです。

正確に言うと、③の部分も内容を英語化する力を直接測るわけではありません。

あくまで、文法とボキャの「知識があるかどうかだけ」を見ます。

でも、実際に自分で英語を話す時には、ゼロから英文を自作しなければなりません。

自作英文の精度とスピードを上げるためには、ある程度の訓練が必要になります。

ここを解消するのが、有名な「瞬間英作文トレーニング」です。

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そして実は、英語と関係ない②のステップでつっかえるパターンも多いのです。

日本人はそもそも、意見を言うこと自体に慣れていない

僕たちに日本人は、小さい頃から「自分の言いたいことを言わない方が得する」という文化で生まれ育っています。

ことわざにも、「口は災いの元」という言い回しがあるぐらいです。

一方で西洋では、聖書に「Ask, and you shall receive.(求めよ、さらば与えられん)」という一節があるように、「言わないと、助けも機会も得られない」という考え方が根底にあります。

そのため、西洋では小さい頃から学校の授業でディスカッションやディベートなど、「自分の意見を人前で言う訓練」があるそうです。

一方で日本の学校では、先生の授業を一方的に聞いて、ノートを取るのがメインです。

また、発表するにしても、「先生が用意した正解を知っているかどうか?」だけを問うパターンが主流です。

先生:「はい、この問題を解けますか?」

生徒:「はい!ここには○○が入ります。」

先生:「正解です!次!」

みたいな流れです。

絶対的な正解があって、その知識を問われたら答える、というのが日本式の発表です。(もちろん例外パターンもありますが、あくまで全体の傾向として)

そのため、僕たちは「人前で自分の意見を言う」という作業に慣れていません。

たまに自分の意見を言おうものなら、徹底的に叩かれることもあります。

「それってあなたの感想ですよね?」が流行った理由

数年前からネット上ですごく流行った言葉があります。

「それってあなたの感想ですよね?」という表現です。

これは、今最もネット上で影響力のある、ひろゆき氏のセリフをみんなが使い出したことで、日本中に広まりました。

特に若い人達の間で使われるようになったことが、日本の学校教育と密接にリンクしているのではと思われます。

ひろゆき氏が番組内で誰かとディベートをしている最中に、

「それってあなたの感想ですよね?」

と言うことで、相手を黙らせる、という流れです。

それ以降、YouTubeのコメント欄などで誰かが自分の意見を書くと、「それってあなたの感想ですよね。」というコメントが付く現象が起こるようになりました。

それに対して「僕の感想ですが、書いちゃダメなんですか?」と返信すると、「あなたの感想なんて、誰も聞いてない」と返ってくるのが定例パターンです。

実は、もともとこのセリフを言ったひろゆき氏は、「意見と事実をごっちゃにせずに、切り分けて話しましょう。」という意味合いだったそうです。

それに、そんなにこのセリフを多用していないそうです。

でも、ネット上でこのフレーズだけ切り取られて、注目されて、一人歩きしてしまったそうです。

その理由は、元々あった日本文化の価値観に、ひろゆき氏の言葉がビシッとハマったからだと思います。

ひろゆき氏が新しい価値観を作り出したのではなく、みんなの中にある価値観を言語化した、と言った方が良いでしょう。

ネイティブの反応

「それって、あなたの感想ですよね。」

というのを、ニュアンスまで含めて英語にすると、

It’s just your opinion, right?

(それは、ただのあなたの意見ですよね?)

です。

ここには、「あなた個人の意見には価値がないし、誰も求めていない」という含みがあります。

でも、僕が試しに英語でこのセリフを言ってどう感じるか聞くと、ネイティブの人達からは、

「え?個人の意見以上に価値のある情報なんてあるの?相手の意見を聞いたり、自分の意見を伝えたいから、人は話し合うんでしょ?

事実なんて、Googleで調べればすぐ出てくるじゃん。

大事なのは、今お互いが何を考えているかでしょ?そのために、人は言葉を交わすんだよ。」

という反応が返ってきます。

西洋の人達は、「自分の意見を言うことが、コミュニケーションの目的で、それこそが人生を切り開くカギになる」と考えているのです。

これだけ、「言葉の持つ意味や役割」が、日本と西洋で違うのです。

日本:口を慎めば、身を守れる

英語:口を開かないと、チャンスを失う

これは西洋と日本のどっちが良い悪いの問題ではなく、ただ「言葉の持つ意味が正反対」ということです。

西洋の言語である英語を「流ちょうに話せるようになりたい」と思ったら、日本文化をいったん横に置いておく必要があります。

そして、「僕たちは自分の意見を言い慣れていないだけだ」と認識して、自分の英語力と意見発信力を、別物として切り分けて考える必要があると思います。(これも僕個人の意見です)

 

・・・つづく

 

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