From 師範代Shinya(新村真也)
(最近行ってきたカリブ海クールズ10日間の旅での体験談のシェアの続きです。)
(→前回のつづき)
メキシコでクルーズ船を途中下船するプランになっていた僕らは、サービスカウンターで手続きをしに行きました。
でも、トータル3回行った中で、毎回言われる内容が違うことに戸惑っていました。
明日の朝が下船日という状況になって、直前でいきなり
「メキシコへの入国審査書類をすべて記入してください。」
と言われたのです!
その前日には別のスタッフから「白紙で提出していいよ。」と言われていたのに!
しかも、その入国審査書類はすべてスペイン語でした。英語の表記は一切ありません。
僕は、スペイン語はまったく読めません。それに、昨日のスタッフに言われたことと違うことにも腹が立ってきました。
自己主張
このまま引き下がるわけにはいかない!!
日本人が海外でナメられやすいと言われるのは、こういう時にしっかり自己主張しないからだ!
そう思った僕は、自分が今まで言われたことや、今の状況を伝えながら、強めの口調で苦情を言ってみました。
上司登場
でも、相手のスタッフは若い女性で、今回初めて経験する下船手続き業務に緊張しているらしく、バックルームとカウンターを行ったり来たりしながらバタバタしていて、あまり僕の言い分を聞いてもらえません・・・
20分くらいカウンターでもめた後、やっと後ろから上司の人が出てきました。
いかにも怖くて厳しそうな表情をした、ヒゲを生やしたインド系の男性です。
さっきからバックルームに行くたびにカウンターのスタッフが恐れているように見えた理由が分かりました。
上司の男性は、僕が下船するのに必要な作業を手短に説明してきました。
結局、分かったことは、
「メキシコへの入国審査の紙は全部もらさず記入しないとダメ」
ということでした。
交渉
「いや、でも、僕はスペイン語が分からないんですよ!書いてある文字が全く読めないんで、何とかしてください!」
と僕は強めの口調で言ってみました。
すると、上司の人が言いました。
「分かりました。ご安心ください。私たちがお手伝いします。」
すると、その上司の男性とカウンターの女性スタッフが2人がかりで僕と妻の入国審査書類を猛スピードで記入し始めました。
2人は、僕と妻のパスポートを見ながら、必要な情報を書いていきました。
パスポートを見ただけでは分からない部分は、口で質問してきました。
僕が質問に答えて、2人がそれを記入していく・・・という作業がしばらく続きました。
僕は内心、思いました。
(こういうのって、代筆でOKなのか?本人が記入しなきゃダメじゃんじゃないの?)
でもまあ、この厳しそうな上司の人がやってるんだから、間違いないだろうな、と思い、僕は余計なことは言わずにただ2人の作業を見守りました。
作業完了!
最後は、自筆のサインをする部分があったのですが、そこも2人が記入していました。
僕はさすがに心配になって、
「そこは自筆サインでなくていいんですか?」
と聞きました。
するとその上司のインド人男性が、
「大丈夫!そんなことまで相手には分からないから。これはあくまで、形式的なもので、ちゃんと記入されてさえいれば、問題ないです。
私は今まで何度も下船手続きをしているので、問題ありません。」
と言ってきました。
そして、僕と妻の必要書類はあっという間にできあがりました。
その書類を持って、明日の朝7時にメインダイニングルームに行くように言われました。
もし、英語ができなかったら・・・
僕はこの一連の作業を終えた後、思いました。
もし、自分が英語ができなかったら・・・どうなっていたんだろう?
どうやってこの局面を乗り越えただろうか?
下船手続きがこんなに面倒だとは思わなかった!
この状況は、ジャスチャーだけで何とかなるようには思えない。
あの2人の協力を引き出せたのも、自分の状況をしっかり伝えて自己主張をしたからで、もし意思疎通ができなければ、カウンターで書類を突き返されていたかも知れない・・・
いや、それ以前に、自分が今ピンチであることすら気づけなかったかも知れない。
このツアーにはきっと、英語がまったくできない日本人観光客が参加することもあるだろうし・・・
そしたら、絶対大変な思いをするに違いない!
まあ、最悪明日の朝になって書類が記入されてないとしても、最終的にはジェスチャーとかで乗り切って何とかなるのかも知れないけど・・・それでもかなりの時間のロスになるんじゃないのかな?
英語がまったくできない状態で海外旅行に行くのは、かなり不便だろうな。
そう思いながら、僕はその夜、眠りにつきました。
・・・つづく。
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