【ユーチューバーの世界に起きた革命②】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

ここ数年間のユーチューバーの撮影機材は、スマホ派と一眼カメラ派の2大派閥になっていました。

ところがある日、黒船が襲来してきたのです。
それが、「DJI」という中国のドローンメーカーです。

ドローンは、今最も注目を浴びている新しい産業の1つです。

ドローンは小さなボディーで飛行機のように自由に空を飛び回ることで、これまで不可能だったことを可能にしています。

日本ではドローン規制法が厳しいため、僕たちが日常生活の中でドローンを見かける機会は少ないですが、海外では色んなジャンルでドローンが使われています。

・警察や軍が監視や偵察のために使う。

・アマゾンがドローンを配送に使っている地域もある。(特に山や川が多い農村地帯では、トラック輸送より速くて低コスト)

・農薬の散布に使う。人間がやるより、安全で効率が良い。

・災害救助に使う。人間がアクセスしづらい場所の被害状況チェックや、救援物資の輸送に使う。

といった感じで、ドローンが活用されているそうです。

これだけ使い道があるということは、それだけ「たくさん売れる」ということでもあります。

たくさん売れれば、資金が集まり、集まった資金でまた新しく開発する・・・というサイクルが進んでいるので、ドローン産業は急成長しているのです。

その中でも、世界をリードしているメーカーが、DJIなのです。

ドローンのカメラ技術を一般向けに応用

ドローンの機能の中でも一番大事なのが、カメラ機能です。

ドローンに付いているカメラが人間の目の替わりになって、飛び回りながら情報収集します。

ドローンに求められるカメラ技術は、

①暗い場所でも、鮮明に画像を映せる(暗所性能)

②ドローンがゆらゆら動いても、カメラの画像は安定している(ブレ補正技術)

③小型軽量である

という部分です。

これらを一般向けに応用した「オズモポケット3」というカメラを、DJIは市場に出したのです。

上記の①②③は、一般人が旅行の思い出をビデオに残そうと思った時にも、役立ちます。

①夕暮れの空や、夜景、薄暗い部屋の中で撮影しても、美しくて鮮明なビデオが撮れる。

②手に持って歩きながら撮影しても、画面ブレしない滑らかなビデオが撮れる。

③バッグやポケットの中に入れても、ジャマにならないサイズと重さ。

この3拍子揃った機能に加えて、

④音声をクリアに録音するマイク技術

も搭載して、発売されたのです。

これにはユーチューバーはみんな度肝を抜かれて、この新商品に飛びつきました。

小さな「めんどくさい」を省いたシステム

それまでは、画質にこだわって一眼カメラで撮影していたユーチューバー達も、オズモポケット3を買ってからは、そればかり使うようになりました。

しかもスゴいのは、「一過性のブームでは終わらなかったこと」です。

新しいモノ好きなガジェット系ユーチューバーたちは、新商品が出たらどんどん買っていきます。

そして、以前買ったものは使わなくなっていくのです。

でもオズモポケット3は、発売されてから1年以上経った今でも、「最も使用頻度が高いカメラ」としてユーチューバー達が使い続けています。

その理由は、「小さなめんどくさい」をすべて打ち消す機能が、オズモポケット3に入っている、ということです。

たとえば、それまでのガジェット系ユーチューバー達は、

ブレのないスムーズな映像を作るために、スマホや一眼カメラを「ジンバル」に乗せて使う人が多くいました。

ジンバルは、手ぶれを物理的に抑える機械で、見た目はかなりいかつくなります。

例:

↓↓↓

 

しかも、カメラを乗せた後には、微妙なバランス調整をする必要があって、手慣れた人でも調整作業に5分ぐらいはかかるのが普通です。

僕も使ったことがありますが、メチャめんどくさいです。

音質にこだわる人は、無線マイクをつなぐ手間をガマン

また、自分の話し声をクリアに録音したい人は、一眼カメラに無線マイクをつないで使っていました。(僕もビデオカメラに無線マイクをつないで使っています)

無線マイクは、2つのパーツから成り立っています。

1つ目は、送信機。これは、マイクが拾った音を無線で飛ばすパーツです。

2つ目は、受信機。これは、送信機から飛んできた音声データを、リアルタイムでカメラに入力するパーツです。

撮影する時には、受信機のコードを、カメラのマイク端子に差してつなぎ、送信機のマイクを自分の胸元に付けます。

コードがちゃんとカメラに差し込まれていないと、接触不良で音が割れたり、全然音が入らなかったりするので、毎回事前にテスト撮影をして音確認をする必要がありました。

この作業は、毎回やると本当に面倒です。

これらの作業を、新しいオズモポケット3は、すべて不要にしてくれたのです。

ジンバルは内蔵型なので、何もセッティングする必要がありません。

また、専用の無線マイクも用意されていて、送信機のマイクの電源をONにするだけで、一瞬でカメラとつながります。

本体の中に受信機が内蔵されているので、コードでつなぐ必要がないのです。

コードがないということは、接触不良なども起こりません。

これは、おそらく実際に使ったことがない人にしか分からない開放感です。

一度この開放感を味わったら、もう元に戻れなくなります。

どうせ同じことをするなら、手間が少ない方、作業がラクな方を選びたくなるのが、人間のサガだからです。

 

・・・つづく

 

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