from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※国際結婚をしている Mrs. Eats さんのYouTube動画を見た感想のシェアの続きです。
「日本には、英語の先生以外の職業の選択肢があまりない」
というのは、僕もネイティブ友達や同僚との会話の中で何度も聞いたことがあります。
特にアメリカやイギリスなどの英語圏の先進国から来た人たちは、日本人と同じかそれ以上の給料と生活水準を求めるので、東南アジアなどの物価が安い国から来た人たちに比べると、仕事が見つかりにくい傾向にあるようです。
これは、Mr.イーツさん自信も感じたことでした。
加えてイーツさんを悩ませたのは、日本の結婚文化だそうです。
日本では結婚した後に女性が出産すると仕事を辞めるパターンが多く、奥さんが育児に専念している期間は旦那さんが経済的に家計を支える図式が一般的です。
最近は共働きが一般的になってきたと言われていますが、出産後の女性は職場で以前ほどの戦力として見なされず、雰囲気的にも働きづらく、給料も下がりやすい傾向にあるという点で、文化的な違いがあります。
そのため、結婚後は「男性が一家の大黒柱になる」という図式は、今でも変わらない状態です。
(ちなみに、僕が最近読んだ本によると、男性が大黒柱になる制度=家父長制は、明治時代に当時の西洋を見習って日本に取り入れられました。それ以前の江戸時代の日本では、女性の方が経済力も社会的な地位も強かったそうです。その後、西洋ではジェンダー平等の流れで家父長制が崩れました。でも、日本にはまだ強く残っていて、法律や会社のルールの中に組み込まれています。)
この文化の違いも、イーツさんが結婚に感じる精神的プレッシャーを高めていきました。
イーツさんは奥さん(当時は彼女)との将来を考えれば考えるほど、日本の経済や労働文化の閉塞感にさいなまれていきました。
日本人と同じ悩みを経験する
当時のイーツさんが感じていた悩みは、日本人の独身男性が感じていることとまったく同じです。
僕はこれまで何十冊もの婚活本を読み、自分自身も婚活の現場に身を投じてきました。
その結果、多くの日本人独身男性が結婚に恐怖を感じていることを、身にしみて感じました。
婚活している男性でさえも、いざ付き合って結婚!となった時には恐怖を感じるのが普通です。
・今の彼女と結婚したら、自分が経済的に家計を支えなければならない。
・今の自分の収入では、結婚して妻と子供を養うには足りない。
・でも、日本には収入を上げる手段がほとんどない。
・しかも、1度経験した仕事以外の新しい職種にチャレンジしづらい(経験がないと応募すらできない)
・しかも、今の仕事も通勤時間が長すぎてツラいから、いつまで続けられるか分からない。
・やはり自分には結婚は向いていないのか?
という感覚です。
この閉塞感は、イーツさんだけではなく、「日本で生まれ育った今の独身男性たち」が感じているのと同じ悩みでもあります。
僕も自分が婚活の現場に長くいることで肌で感じたことは、今の日本では女性が結婚相手の男性に求める期待(主に経済的な部分)と、その期待に応えられる男性の数に、大きなミスマッチが生まれていることです。
婚活女性の9割が相手の男性に求めている「年収の希望額」を満たせる男性は、実はトップ3%しかいない、という統計も出ています。
つまり、婚活女性はトップ3%の高年収男性を狙って熾烈な戦いを繰り広げ、残り97%の独身男性は、「自分には結婚はムリかも・・・」と感じているのです。
イーツさんも、まさにこれと同じ感覚を日本で味わったことになります。
カルチャーショックの正体
日本の中にどっぷり浸かったからこそ感じる、「日本人男性と同じ悩み」を、イーツさんは経験したのです。
さらに、母国との文化の違いがあるがゆえに、その閉塞感はより大きなものに感じられたのでしょう。
憧れの国に移住すると、その国の人たちが抱えている悩みや不満も、一緒に経験することになるのです。
その時に、母国の文化という「比べる対象」がある分、精神的ダメージが大きくなる。それが、カルチャーショックの正体だと思います。
これは日本だけではなく、逆パターンで他の国に住んだ場合でも同じでしょう。
・他国で強盗に遭った時に、日本がいかに安全な国だったか気付いて、帰りたくなる。
・本物の日本食の味が忘れられず、日本に帰りたくなる。
・アメリカでせっかくゲットした仕事を3ヶ月で突然クビになり、日本の雇用制度の方が安心して暮らせると気付く。
などなど、人によって違うとは思いますが、カルチャーショックはどの国でもあるはずです。
そして、イーツさんは日本にとどまり、奥さんへの愛を貫く決意をします。
その辺りから、次のステージに移っていきます。
・・・つづく。
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