【国境を越えるスキル】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
英語は、「国境を越えて人と繋がるためのスキル」というイメージがありますよね?
 
 
たしかに、その通りだと思います。世界共通語である英語を身につければ、話せる人が日本の1億3,000万人から、一気に世界の17億人(英語を話すと言われている人口)に広がります。
 
 
そのインパクトは計り知れません。
 
 
一方で、英語でなくても「共通語」があれば、母国語が違う人同士で意思疎通ができることになります。
 
 
僕は先日、そんなシーンを目撃しました。
 
 
 

日本語スピーチフェスティバル

僕は毎年、「日本語スピーチフェスティバル」というイベントに参加しています。
 
 
このイベントは僕の地元、静岡県の沼津市付近に住む
在日外国人の方々によるスピーチ大会です。
 
 
日本語スクールに通って日本語を学んでいる人たちなので、レベルの差こそあれ、基本的にみんな日本語で意思疎通ができます。
 
 
自分でスピーチのテーマを決めて、原稿を書いて、発表するのです。
 
 
僕ら日本人が英語でスピーチするのと同じ感覚ですね。
 
 

国境を越える第2のスキル

僕は去年から東京に引っ越しましたが、今年も地元に帰ってこのイベントに参加しました。
 
 
僕がマジックショーをここで毎年やらせていただくのは、英語以外にもうひとつ、世界共通で通用する第2のスキルを使ってみんなとつながるためです。
 
 
そのスキルとは、「マジック」です。
 
 
マジックは、理屈抜きで「不思議さ」が伝わる芸能です。多少言葉が通じなくても、見ているだけでも何が起きているのかが分かります。
 
 
まさに国境を越えて人と繋がることができるスキルだと思います。
 
 
さらに、小さな子供から大人まで理解できるという点では、「世代差」も超えて一緒に楽しめる空間を作り出すことができます。
 
 
 
 

マジックを演じる時の言葉

僕がこの日本語スピーチフェスティバルでマジックショーをやらせていただくようになったのは、もう10年くらい前からです。
 
 
最初の頃は、僕はマジックショーをやるときには英語を使っていました。
 
 
でも、途中から日本語に切り替えました。なぜなら、せっかく日本語を学んでいる人たちが集まっているんだから、日本語で話した方が喜ばれると思ったからです。
 
 
実際に試してみたら、その通りでした。
 
 
漢字などの言葉をテーマにしたマジックをした時には、特に大きなリアクションが返ってきました。
 
 
 

世界の人たちがひとつに!

イベント参加者は、毎回バラエティーに富んでいます。
 
アメリカやカナダなどの英語圏に加えて、アジアや南米、中東の国々の出身者も多くいます。
 
 
このイベントに参加してマジックショーをすると、いつも僕は「世界がひとつになる」ような感覚に包まれます。
 
僕の立つステージからは、みんなの顔がよく見えます。
 
髪の色も目の色も、顔立ちも何もかもが違うバラエティー豊かな人たちが、ひとつのマジックショーを見て同じタイミングで同じように驚くのを見ると、不思議な一体感を感じるのです。
 
 
 

交流会

ちなみに、このイベントの目玉のひとつに、交流会があります。スピーチが終わった後には、みんなでそれぞれの出身国の自慢の料理を持ち寄って皆で食べるのです。
 
 
中には、レストランなどでは出されない、地元人しか知らないような家庭料理もあり、とても貴重な味を楽しむことができます。
 
 
その交流会では、みんなで雑談が繰り広げられます。
 
 
僕は、交流会でもテーブルを回って目の前で見せるクロースアップマジックショーをやるのですが、その前に料理を味わいながら、みんなの会話に耳を傾けるのが好きです。
 
 
英語圏の人同士は英語でしゃべっているのですが、中には南米とアジアなど、英語があまり堪能ではない人たち同士が交流するシーンを目撃します。
 
 
今回も、おそらく南米系の人とアジア系の人と欧米系の人同士がしゃべっているのを聞きました。
 
 
彼らの共通言語は、英語ではありません。日頃から習っている日本語です。
 
 
「アナタは、どのくらいマエから日本語を勉強してイマスか?」
 
 
「ワタシは、1年マエから勉強しています。アナタはどうですか?」
 
 
といった感じで、片言ながらもしっかり日本語でコミュニケーションを取っているのを聞くと、「共通言語を持つことのスゴさ」を改めて実感しました。
 
 
 

めっちゃ丁寧

もうひとつ気づいたことは、彼らが話す日本語は、めっちゃ丁寧だということです。
 
 
彼らが学んでいるのは、「場所を選ばずどこでも通用する日本語」なので、丁寧なのです。
 
 
そして、丁寧な言葉遣いは、やっぱり気持ちが良いものです。
 
 
僕の座っているイスの後ろを通るときにも、しっかりした発音で大きな声で、
 
 
「失礼します!」
 
 
と言われると、思わず好感を持ってしまいます。
 
 
もしこれが、ちょっとこなれた言い方で「すんませーん!」みたいに言われたら、きっと違った印象を受けるはずです。
 
 
こういう経験をすると、自分の英語を振り返る良い機会になります。
 
 
「やっぱり、きっちりした丁寧な言い方を使いこなせるようになるのが先決だな!」
 
 
と改めて思いました。僕がスラング(俗語)の勉強を始めるのは、もう少し先になりそうです。
 
 
毎年2月下旬に開催しているこのイベント。参加費無料なので、もしあなたが静岡県内かその近くにお住まいでしたら、見に来てみるのも良いかも知れません。
 
新しい発見&英語学習へのモチベーションアップに役立つかもしれません。
 
 
次回やるときは、またこのブログで事前告知するようにしますね。
 
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