【僕が最近読んで衝撃を受けた本:叱る依存が止まらない①】

from 師範代Shinya

僕の生徒さんのFacebookグループ「本気の英語学習者の会」では、メンバーの方々が自主的にオンラインイベントを開催してくれています。

みんなでZoom上に集まって勉強する「オンライン自習会」や、同じテキストを使っている人達が集まって勉強するなどのイベントを開催して、盛り上がっています。

そんな中、メンバーの中の1人の方が、「みんなで英会話イベント」を立ち上げました。

その回の英会話のトピックは、「昭和と令和の時代の違いを英語で話す」というものでした。

その中で、今話題になっているドラマ「不適切にもほどがある」を紹介していました。

ストーリーをざっくり解説すると、昭和の時代(1986年)を生きていた中学校の教師(男性)の主人公がタイムスリップして、令和の現代(2024年)にやってきます。

昭和の価値観のままで行動したり発言する主人公は、現代では不適切すぎて、周囲の批判を食らいまくる、という内容です。

現代の日本での生活の中でカルチャーショックを受けながら、時代に合わせて変化した文化の違いを学んでいく主人公の姿が、面白いです。

全体的にコメディータッチで描かれていて、ミュージカルの要素もあり、エンタメ性が高いので、気楽に見れます。

それでいながら、ホロッと涙が出そうになる感動シーンもあったりして、僕は個人的にすごく気に入りました。

昭和と令和を行ったり来たりする時の映像の違いも、面白いです。

・人々のファッションや髪型

・言葉づかい

・若者の会話に出てくる有名人の名前

・お店で流れる音楽

・学校や職場の雰囲気

・固定電話とスマホ

・公共の場での喫煙

など、時代の違いが細かい部分まで再現された映像を見るだけでも、楽しめます。

僕の世代は過渡期

僕は1977年生まれで、ちょうど日本の文化が大きく変化する前後を経験しました。

就職氷河期と呼ばれる1993年~2004年ごろに高校や大学を卒業した世代とバッチリ重なります。

僕は高校3年の時に「1社目の就職面接に落ちる」ことを経験しました。

今では考えられませんが、当時はそれが珍しいことだったのです。

担任の先生が、

「就職試験に落ちるやつなんていない。そんなやつは今まで見たことがない。」

と何度も言っていたので、気楽に構えていたら、落ちました。

その年に1社目の面接で落ちたのは、僕だけではありませんでした。

僕の後に続いて、クラスメイトが何人も落ちていったのです。

いつも自信満々だった担任の先生も「こんなことは前代未聞だ!」と驚いて、うろたえていました。

その後は、

・就活

・リストラ

・パワハラ

・セクハラ

・週休2日制

など、それまでなかった新しい用語や制度が、次々と誕生していきました。

おそらく僕の世代は、ちょうど異なる時代の価値観を両方体験したことになります。

学生時代には昭和の教育を受けて、社会に出てからは平成の変化の中で、戸惑うことがよくありました。

昭和の価値観とノリで僕らの指導する現場の上司と、新しい価値観に合わせて指示を出してくる会社の本部の人達と、言うことがまったくかみ合わないことが多かったのです。

どちらの指示に従うのがいいのか?

分からず混乱したことが何度もありました。

バリバリ昭和の価値観の上司と、ゆとり世代の価値観の部下の間にはさまれて、とても苦労した経験があります。

その時の葛藤を思い出しながら、僕は今回のドラマ「不適切にもほどがある」を見ていました。

「叱る」に対する意識の違い

中でも僕が見て印象に残ったのが、「叱ること」に対する意識の違いです。

昭和の時代には、先生が生徒を叱ることが日常的でした。

その叱り方も体罰を伴っていて、ドラマの中でも、中学の野球部顧問の主人公がバットで部員の生徒たちのお尻を叩く「ケツバット」をするシーンが出てきます。

体罰以外にも、先生が乱暴な言葉で生徒を怒鳴りつけるシーンが登場します。

僕の体験を振り返っても、小学校~高校の頃には、まだ学校でも体罰が当たり前のようにありました。

高校時代は剣道部だったので、「ケツバット」ではなく「ケツ竹刀」や「太もも竹刀」などを受けました。

涙が出るほど、めちゃくちゃ痛かったです。

職場でも、今振り返るとパワハラだったじゃん!と思えることは日常的にありました。

僕が18才で就職した鉄工場では、親方が僕を叱る時に頭を手で叩かれたり、腹にヒザ蹴りされたことも何度かあります。

一方で、現代の大企業の職場では、体罰が厳禁なのはもちろん、怒鳴りつけたりすることもパワハラ認定されるので、管理職の人達はみんな慎重になっています。

ドラマの中で感じた「モヤッとした違和感」

ドラマの中でも、令和の上司が部下を叱れない状況に思い悩むシーンが登場しました。

そして、「叱ってもらえない部下の女性」が、「本当は、私は叱って欲しいの!親にも叱られたことがないから、本気で叱られてみたい!」というメッセージをミュージカル調の歌詞で訴えているシーンがありました。

ここではおそらく、「昭和の価値観も、悪いことばかりじゃないんだよ」的なメッセージだったのではと予想しています。

それを見たとき、僕は自分の「叱られ体験」から、モヤッとしたものを感じました。

「叱られることは、本当に良いことなのか?本当に成長につながるのか?」

と。もちろん、このドラマはエンタメなので、心理学的な正しさや、教育的な要素を求めることには、意味が無いでしょう。

でも、僕がドラマから感じたその違和感を、見事に言語化している本に、最近出会えたのです!

それが、「叱る依存が止まらない」という本です。

これは、僕が「板ばさみ世代」として常に感じてきた「叱る&叱られることに対する違和感」をとてもクリアにする知識を与えてくれました。

子どものしつけ、夫婦ゲンカ、仕事上の人間関係など、僕たちは大人になっても常に「叱る&叱られる」の関係を経験し続けています。

この本に書いてある知識は、自分が叱る側になった時にも、叱られる側になった時にも、必要なものです。

そしてさらに、英語学習者としても知っておく価値があると思います。

この本に書いてある知識を知らなければ、せっかく英語を身につけて世界中の人達とコミュニケーションを取れる力を手に入れても、広い視野を手に入れることができないのではないか?異文化を理解する妨げになるのでは?とさえ思うからです。

次回の記事で、この本からの学びを詳しく解説します。

 

・・・つづく

 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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