【僕が最近読んで衝撃を受けた本:叱る依存が止まらない⑨】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

 

※僕が高校時代に所属していた剣道部で経験した「叱る依存システム」の体験談の続きです。

1年生の僕とA君が、こっそり試合会場を抜け出してゲームセンターに遊びに行ったことが2年生と3年生の先輩たちにバレたのに、結局「おとがめ無し」で終わりました。

僕らは後日、先輩達による「ヤキ入れ」の体罰を恐れて、ビクビクしていました。

これまでの経験上、ちょっとしたミスをやらかしただけでも、厳しく叱られて、時には竹刀で足を叩かれたりしていたからです。

こんなに「厳しく叱る文化」で成り立っている剣道部の中で起こした、今回の僕とA君の不祥事を、先輩たちやOB、顧問の先生が何事もなかったように無視するわけがありません。

でも、それから1週間たっても、1ヶ月たっても、誰にも何も言われませんでした。

まるで、本当に何もなかったかのように、いつも通りの日々が続いたのです。

それどころか、僕たちは2年生の先輩から「今後、この話題を出さないように」と釘を刺されました。

その後、A君と僕はある結論に達しました。

OBや顧問の先生は、今回のことを知らないのではないか、と。

つまり、僕らが起こした「ゲーセン事件」は、3年生が知った時点で「上には報告しない」ことになったんだと思います。

なぜなら、今の3年生が1年生の頃には、OBのT先輩が3年生として君臨していました。

そして、当時の1年生はT先輩を含む3年生から、かなりキツい叱られ方をしていたようです。

当然、体罰もあったでしょう。

そんなT先輩が恐れる唯一の人物は、顧問の先生です。

先生も、僕とA君の代では稽古中に怒るところをまったく見せませんでしたが、昔は鬼のように怖かったと聞いたことがあります。

T先生が1年生の頃には、もしかして先生からかなり厳しく叱られていたのかもしれません。

そんな強烈なタテ社会の中で、今回僕とA君が起こしたゲーセン事件は、「前代未聞の不祥事」だったわけです。

1年生の不祥事は、2年生の指導責任として、3年生に叱られます。

2年生の指導責任は、3年生の監督責任として、OBの先輩にに叱られます。

3年生の監督責任は、OBの管理責任として、顧問の先生に叱られる。(ここは見たことがないので憶測ですが、少なくとも先生から、「おまえがついていながら、どうしてこうなった?」的なことは言われるような気がします)

おそらく、3年生の先輩たちにとっても、この件をOBのT先輩に報告するのは恐怖だったはずです。

だから今回は、「3年生のところまで情報が止められたのでは?」と僕とA君は推測しました。

OBのT先輩も、顧問の先生も、このことを知らないとしか思えません。

知っていたら、さすがに一言ぐらいは何か言ってくるはずです。

「反省してるのか?二度とやるなよ!」

ぐらいのことは言いそうな性格というか、文化だったからです。

3年生が僕らにヤキ入れできなかった理由

今回のゲーセン事件を当日に隠蔽したことで、その後は2年生も3年生も、僕らにヤキ入れをできなくなったんだと思います。

もし、僕らに部室でヤキ入れをしたら、僕らの顔が赤く腫れたり、鼻血が出たり、涙目になったりするでしょう。

そんな僕らをOBの先輩や顧問の先生が見たら、

「ん?おまえら何で泣いてるんだ?何かやらかしたのか?おい3年、こいつら何した?報告しろ!」

となる確率が高いです。

そうなってからゲーセン事件を報告すれば、当然3年生たちもただでは済まないでしょう。

「なんで当日報告しなかったんだ!」

と叱られることは間違いありません。

3年生にとって、僕らにヤキを入れることは、自爆行為です。

だから何事もなかったかのように、もみ消されたんだと思います。

今思い返すと、2年生と3年生の脳は、「防衛モード」に入っていたんだと思います。

防衛モードの時の最優先事項は、「自己保身」です。

防衛モード中の脳内では、「組織や社会のルール&秩序」などは、二の次になるのです。

僕とA君にとっては、一命を取り留めたので、ありがたかったのですが。

企業の隠蔽の原因

よくニュースなどで、企業の隠蔽が明るみに出て、謝罪会見などが開かれることがあります。

それを見るたびに、僕は剣道部時代の「ゲーセン事件」を思い出します。

きっと、この職場の人達も、「叱る依存」の文化の中で生きていたんだろうな、と。

ユルい雰囲気でいつも社員がダラけている職場だからこうなったのではなく、むしろ逆なのでは?と。

ピリピリしたムードで、厳しく管理されている職場こそ、こういう事件が起こりやすいのではと思います。

「叱られるぐらいなら、データを改ざんした方が良い」というマインドになってしまうのです。

叱る環境では、力を発揮できない

お互いが叱り、叱られる環境では、人間の脳は本来の力を発揮できなくなります。

叱られている人の脳は、「防衛モード」に入っているので、どんなに頭の良い人でも、どんなに性格が優しい人でも、一時的に「自己保身」が最優先されます。

防衛モード中の脳では、

「データの改ざんをしたら、会社の信用が失われる。」

「製品を使った人が、危険な目にあうかもしれない。」

というところまで、考えが及ばないんだと思います。

部下を叱り続けることで、データ改ざんをさせる状況を生んでしまった上司自身も、さらにその上司から日常的に叱られているのでしょう。

「叱られ続けた結果、不祥事を起こした当事者たち」を、さらに社長が厳しく叱りつけたり、世間の人たちがネット上で叱る言葉を浴びせても、おそらく効果はゼロです。

「叱ることをやめない限り、人間の脳は正常に働かない」のですから。

そしてこのことは、僕ら英語学習者にも当てはまると思うのです。

 

・・・つづく

 

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