from 師範代Shinya
※僕が高校時代に所属していた剣道部で経験した「叱る依存システム」の体験談の続きです。
前回までの記事で、僕が過去に体験した「ものすごく厳しく叱る文化」の中で感じたことをシェアしました。
僕がこれまで経験した習い事の中では、高校時代の部活でやっていた剣道が、一番「身になっているのかどうか分からない」ジャンルでした。
この頃からうっすら感じていた、
「人は厳しくされないと上達できないって本当なの?」
「人は苦しまないと学べないって本当なの?」
という疑問に対する答えが、僕が最近読んだ本「叱る依存が止まらない」に、ハッキリと書いてありました。
脳科学的&心理学的に分析した結果、「叱ることには学びを促進する効果はなく、むしろ阻害する。」ことが証明されたのです。
そしてもう1つ、大事なことを知りました。
それは、「自分で自分を叱ることも、同じように脳の学び機能を阻害する」ということです。
僕はこれが、英語学習にも大きな影響を与えると思います。
防衛モードが続くと、無力になる
人に叱られるのもそうですが、自分で自分を叱ることも、脳の「防衛モード」を発動させます。
英語学習をしていると、つい自分で自分を責める声が脳内に聞こえがちです。
「昨日覚えた英単語を、今日はほとんど忘れてるじゃん。何やってんだよ!!」
「せっかく前回のTOEICで目標点数を超えたのに、今回の受験でまた大幅に落ちたじゃないか!こんなんじゃダメだぞ!」
そんな声が脳内に響き渡ってくるのです。
こういう声が聞こえている時には、あなたの脳内で防衛モードが発動します。
防衛モードは、人間の原始的な本能を活性化させます。
「苦痛や危険からの回避」が、防衛モードの役割です。
命を守るための大切な機能でもあります。
でも、現代の僕たちの日常生活で「命の危険を感じるような状況」は、ほとんどありません。
英単語を覚えられなかったからといって、今すぐ仕事をクビになるなんてこともないでしょう。
でも、僕たちの本能はそんな客観的な判断はできません。
自分で自分を叱り続けると、常に脳内で防衛モードが発動し続けることになります。
防衛モードが発動中は、将来の長期的なプランを考えられなくなります。
そして、徐々に無気力になっていき、学ぶ意欲が減退していくわけです。
人間にとっての学びというのは、「将来へ向けての投資」です。
英語を今日勉強して、今すぐに話せるようにならなくても、積み重ねた先に、望む英語力を手に入れる未来が待っていると思えるから、ガンバれるわけです。
でも、防衛モード発動中は、脳が未来まで考えることができなくなります。
さらに長期化すると、「自分の未来は暗いような錯覚さえも起こす」ようになるのです。
怖いですね!
叱られなくても人は学び続ける
「そうは言っても、甘やかされたら、人間は成長しなくなるのでは?」
「叱られないで育った子どもは、逆境に弱くなるのでは?」
という反論が聞こえてきそうですよね。
でも実は、脳科学的にはこの考え方は間違っているそうです。
叱られると発動する「防衛モード」の反対の役割を果たすのが、「冒険モード」です。(この本の中での呼び名です)
人は、誰からも強制されず、自分の意思で学びをしている時には、脳内で「冒険モード」が発動します。
冒険モードの役割は、自分がこれまでやったことのない領域に踏み込んで、自分の新しい可能性を試そうとするモードです。
人間には、本来「より良い未来を味わいたい」という本能が備わっているそうなのです。
自分が好きでやっていることに関しては、うまくできない部分を自分で考えながら改善して、未知の領域に自分か踏み込んでいきます。
この冒険は、「安心を感じている時」でないとできないそうです。
叱られることは、まさに「安全を脅かされている状態」です。
これでは、脳内の冒険モードは抑えられてしまい、学びは促進されません。
僕はこのメカニズムを本で読んだ時に、「なるほど!」と叫んでしまいました。
確かに、自分の娘(3才)が一人遊びしている姿を観察していると、娘は何度も何度も同じことを繰り返しています。
ブロックを積み上げて、途中で崩れても気にせず、またゼロから夢中で組み立てているのです。
やるごとに上達しているのが分かります。
でも、僕が「お片付けしなさい!」と叱ると、何もしなくなります。
無気力状態になり、ごろんと寝転がって、動かなくなるのです。
でも、自分の意思で片付けている時には、スゴいスピードで動きます。
これは、まさに人間の本能なのでしょう。
そしてもう1つ、この本を読んでいて、脳が冒険モードになっている時に、英語の上達に有利になるメカニズムを知りました。
・・・つづく。
今回紹介した「叱る依存が止まらない」はこちら↓↓
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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