【上に行くほど、伸びしろが減っていくジレンマ②】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

「上に行くほど、伸びしろが減っていく」ということを、僕は電器屋さんのカメラ売り場で体験しました。

自分が持っているカメラを持っていって、売り場にあるフルサイズセンサーを積んでいる最新のカメラを、撮り比べてみたのです。

僕がふだん撮影するのは、自分の子どもです。

そのため、2才の娘をベビーカーに乗せて、同じアングルから同じように撮り比べてみました。

ところが、正直言って、そこまで大きな差は感じられなかったのです。

よく言われている背景ボケの量も、劇的に変わるか?と言われれば、そうでもない気がします。

もちろん、組み合わせるレンズによってボケの量は変わるので、ボケやすいレンズが付いている展示品を選んで比べてみたりしました。

でも、確かに細かく見れば違うのですが、「一目瞭然」というわけでもありません。

自分の手持ちカメラと撮った写真と、売り場のフルサイズカメラで撮った写真を並べて見比べても、スマホ画面サイズではどっちがどっちか見分けがつかないレベルでした。

長年カメラを趣味にしている目が肥えた人なら分かると思いますが、そうでなければ、分からない気がします。

少なくとも、僕には分かりませんでした。

もちろん、暗い場所などに持っていけば、映りの違いが分かるでしょう。

でも僕の用途では、わざわざ暗い場所を選んで子どもを撮影する機会は、ほとんどありません。(暗くなる時間帯は、子どもは寝ています)

わずかな違いに3倍の価格

フルサイズカメラは、僕が持っている一回り小さいカメラ(APSーC)の3倍以上の価格です。

本体も高いですが、特にレンズが高いのです。

特に、背景をボカしたり、暗いところでも明るく撮れるレンズを選ぶと、値段が高く、サイズが大きく、重量が重くなります。

「高い・デカい・重い」この3つを乗り越えて、わずかな違いを手に入れる価値を感じられるか?そこにフルサイズカメラに手を出すかどうかのボーダーラインがある気がします。
ガジェット好きな人なら、このラインを超えるでしょう。

僕はガジェット好きなので、いつか超える気がします。

ただ、今すぐという感じではありません。

上に行くほど、伸びしろが減っていく

僕が初めて今のカメラ(APSーCサイズ)を使った時には、出てくる写真の画質に感動しました。

「確かに、スマホとは違う映りだ!」と驚いたのです。

背景もトロ~っとボケるし、肌の色もキレイに透き通った感じになるし、やっぱり一眼カメラは違うなぁ!と思いました。

でも、数年間使っている内に、「もっと上がある」ということを知りました。

それがフルサイズのカメラだったのです。

でも、フルサイズと今の手持ちカメラの違いは、初めて一眼カメラを手にした時ほどのインパクトはありませんでした。

「わずかな違いを作り出すために、大きな投資をしなければならない」というのは、英語学習と似ています。

英語学習も、最初の頃は割と伸びを感じやすく、やればやるほど報われる感じがする時期があります。

(詳しくは、「英語学習の8つのステージ」という動画セミナーにまとめていますので、興味があったらぜひご覧ください)

ところが、ある一定ラインまで伸びてくると、次は停滞期がやってきます。

「中上級者のカベ」と呼ばれているものです。

スポーツの世界では、「スランプ」と呼ばれたりもします。

スランプは、技能がかなりのレベルに達したことの証しでもあるのですが、そこから伸ばしていくのには、すごい忍耐力が必要です。

そして、この伸び幅は上に行けばいくほど、どんどん小さくなっていきます。

僕の体験談

たとえば僕は今年、2年間かけて音読してきたネイティブ向けの洋書を丸一冊仕上げました。男女のパートナーシップの心理学に関する本です。
恋人同士や夫婦がいつか必ず直面する危機を乗り越えて、別れを回避する方法を研究した内容が詰まっています。

この本を音読で仕上げたおかげで、恋愛や結婚生活に関する深いトークがネイティブ相手にできるようになりました。

でも、ここまでにかかった期間は2年間です。

2年かけて、たった1つのトピックを深く話せるようになったのです。

けっこうな労力だと思いませんか?

もし僕が、別のジャンルを英語で詳しく話せるようになりたい!と思ったら、また2年ぐらいかけて専門書を音読する必要があるでしょう。

僕が初心者の頃に音読と瞬間英作文トレーニングに出会って、やり始めてから2年間での伸びは、もっとずっと大きく感じました。

TOEIC換算で言うと、300点レベルから730点レベルまで上がりました。

それにより、あらゆるジャンルでの話せる幅が、一気に広がった感覚があったのです。

そこから英検にも興味が出てきて、英検2級→準1級→1級の順番で取りました。

1級の勉強をしている時には、「こんなの使う機会が一生のうちにあるのか?」と思うようなマニアックな英単語を覚えました。

カメラの世界で言えば、「そんな暗い場所で撮影することなんてあるの?」というような暗所でも明るく撮れる性能の、フルサイズカメラを持ち歩くようなものです。

その後は、さらに伸びのスピードがゆっくりになりました。

1トピックを今よりもっと深く話せるようになるまでにかかる期間が、半年から1年、1年半と伸びていき、今では2年かかるようになりました。

もちろん、どのジャンルで話すかによって習得にかかる期間変わりますが、今は本当に伸びのペースが遅いと実感しています。

僕は、TOEIC730点を取った時点でも周りの日本人の英語初心者の方々から「スゴい!ペラペラですね!」と言ってもらえました。

おそらく、「今の僕がネイティブと話せる内容」と、「当時の僕がネイティブ相手に話していた内容」の差は、初心者には見分けがつかないでしょう。

それこそ、英検1級に近い実力を持つ人しか、その差は見分けられないと思います。

カメラを長年触り続けてきた人にしか、フルサイズカメラの良さを実感できないのと同じです。

でも、そのわずかな差を埋めるために日々精進するのが、英検1級を取った後に進む道です。

そのモチベーションを続けるためには、やはり「自分が英語で話せるようになったらワクワクするなぁ!」と今思うトピックの素材を選んで音読することです。

英検1級を取った後にはもう、学習者用のテキストを使う必要はありません。

英検やTOEICなどに興味がないのであれば、最初から興味のあるトピックを選んで、そこばかり深めるのもアリだと思います。

モチベーションを保つコツは、自分がワクワクするトピックを選ぶことです。

僕は、カメラを触っているとワクワクするので、いつかフルサイズカメラを買ってブログで報告する日が来るかもしれません。

(完)

 

p.s.今回のブログは息抜き記事ですが、あなたに英語のお悩みがある場合はこちらの動画セミナー一覧が役に立つかもしれません。

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