from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
大人が英会話で使える英単語力を身に付けるためには、次の3つのコツがあるとお伝えしました。
①記憶のストック量の多さを利用して、「人生経験&今持っている知識」にからめて英単語を覚える。
②1日の中のすきま時間に、英語学習を組み込む。
③飽きずに反復練習を続ける仕組みを整える
この3つが成功すれば、確実に英単語を増やせます。
今回は、この3つのコツを使った英単語の増やし方を解説します。
①「人生経験&今持っている知識」にからめて英単語を覚える
これは、大人にしかできない英単語学習法です。
子供の頃よりも大人になった今の方が、日本語のボキャブラリーも増えています。
日本語のボキャブラリーや人生経験を活かして英単語を増やす方法は、2つあります。
1.語源学習法
2.文脈学習法
です。
語源学習法は、英単語のスペルを分解して、パーツごとに覚える方法です。
たとえば、
promote = 昇進させる
という英単語があります。
これを分解すると、
pro = 前へ
mote = 動かす(move)
という語源に分かれます。
会社が従業員の今のポジションを前へ動かす=昇進
となるわけです。
さらに、promoteは人を動かす側(会社側)の視点の言葉なので、自分が従業員で「昇進した」と言いたい場合は、受け身になって、be promoted もしくは get promoted と言います。
昇進という英単語は、大人にとっては身近なものです。
・自分が昇進した経験
・自分が上司として、部下を昇進させた経験
・自分の同僚が昇進するのを見て、うらやましく感じた経験
・自分が昇進したけど、給料は同じで責任と残業だけが増えた経験
などなど、人によって色々な体験があると思います。
その体験が promote という英単語と結びついて、記憶のフックに絡まりやすくなるのです。
学生の頃には「昇進」をリアルな体験として自分の身体に刻み込むことはできません。(バイトをモーレツにガンバっている学生は、バイト長に昇進する経験ができるかしれませんが)
カタカナ語の知識も役立つ
語源学習法は、日本語のカタカナ語の知識と絡めて役立ちます。
たとえば、マネジメント=management (管理・経営)という英単語には、「man」 という言葉が頭に付いています。
man = 手
です。
management という言葉は、馬に乗るときに手で手綱(たづな)を上手に扱いながら、馬の動きをコントロールするところから来ています。
日本語でも、「あの会社は、まだ会長が経営の手綱を握っている」とか言いますよね。
英語も実は同じ発想です。
man =手
と分かると、
マニュアル=manual(手引き書)
マニキュア= manicure (爪の手入れ)
マンネリ = mannerism (手法が型にハマって新鮮味がない状態)
というように、芋づる式に英単語が覚えられます。
これを読んで、「あっ!なるほど!!」と思えるのは、大人だからです。
大人になってから、会社で「マネジメント」というカタカナ語を何度も聞いたり、「マニュアル」を読み込んだり、「マニキュア」を塗ったり、職場に「マンネリ」を感じて転職したり・・・
といった人生経験があるからこそ、英単語とカタカナ語を絡めて覚えられるのです。
僕は以前、大手英会話スクールで講師をしていた頃に、この語源学習法を高校生と社会人の両方に試したことがあります。
その結果、社会人の生徒さんの方が反応が良い印象でした。
もちろん、個人差はあるとは思います。
でも、やはり語源学習法と人生経験はけっこう関係があるのでは?と感じました。
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次回の記事では、文脈学習法を詳しく解説します。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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