from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
前回の記事では、大人の強みを活かした3つの英単語勉強法のうちの1つ、語源学習法について解説しました。
大人は、これまでの記憶のストック量の多さを利用して、「人生経験&今持っている知識」にからめて英単語を覚えることができます。
その点で、語源学習法は大人にこそ有効です。
今回は、もう1つの学習法「文脈学習法」についてお伝えします。
文脈の中で英単語を覚える
大人の英語学習の場合、「見て意味が分かる英単語を増やす」だけでは、足りません。
その英単語を聞いた瞬間に、パッと意味が思い浮かぶようにする必要があります。
また、自分が英会話の中で使う時にも、瞬間的に意味を思い出して、正しい発音で言わなければなりません。
そのためには、「英単語の意味を頭の中で理解した」だけでは足りません。
会話の中で使えるスキルにまで高める必要があります。
そのためには、「反復練習」が必要になります。
語源を知った後は、何度も反復練習を繰り返して、知識をスキルに変えるステップが、「声出しトレーニング」です。
声出しトレーニングをしないで、自分が1~3度見た英単語を英会話で使えることを期待するのは、現実的ではありません。
それはスポーツに例えると、「素人が一流選手のプレイを見た瞬間、たちどころに自分もホームランを打てるようになる」ことを期待するようなものです。
初めて覚える英単語は、何度も声に出して繰り返すことで、使えるスキルになります。
知識をスキルに変えるときには、2つの方法があります。
①「英単語→日本語訳」と単体ごとに機械的に声に出して覚える方法
②実際の文章の中でどう使われているか?まで含めて、文章を丸ごと声に出して覚える方法
どちらの方が大人の用途に有効だと思いますか?
そうです。②の方ですね。
①はテスト問題を解くのには有効です。
でも、会話の中での英単語の使い方が分からないと、いざと言うときにパッと出てきません。
文脈の中で覚えるメリット
次の4つの英単語と日本語訳を、声に出してみてください。
↓↓↓
① troublesome = 面倒な(形容詞)
② feed = エサをやる(動詞)
③ take care = 面倒を見る(熟語)
④ restrict = 制限する(動詞)
品詞も意味も、それぞれがバラバラな英単語です。
覚えるためには、機械的な丸暗記に頼るしかありません。
では次に、次の英文と日本語訳を声に出して読み上げてください。
↓↓↓
※夫婦の会話:ペットを飼いたいと言い出した奥さんに対して、旦那さんが反論しているシーン
Pets are too troublesome.
You have to feed and take care of them.
And they restrict your freedom.※速読速聴英単語Daily1500のU6より引用
(訳:ペットはあまりに面倒だよ。エサをあげたり、世話をしたりしなきゃいけないんだぞ。それに、ペットは飼い主の自由を制限するだろ。)
いかがでしょうか?
例文を読み上げると、とたんに英単語が生き生きしてくるのを感じませんか?
言葉は、自分の気持ちや考えを伝えるためにあります。
最初の機械的な覚え方では、言葉のウラにある気持ちや考えは伝わってきません。
自分が会話の中で使うシーンもイメージしづらいです。
でも、こうやって文脈の中で読み上げると、とたんに話し手の気持ちが英単語に乗ってきます。
さらに、文章の中での使い方も分かるようになります。
日本語訳で覚える限界
たとえば、「troublesome = 面倒な」という英単語。
これは使いどころが多そうです。
でも、日本語で「面倒だな~」という時には、主語が変わることがあります。
A:「それをすること」は面倒だな~
B:「私は」それが面倒に感じるな~
どちらも取れますよね?
でも、英語だとAしか取れません。もし、
I am troublesome.
と言った場合、「私は面倒なやつです(面倒ごとを引き起こす元凶です)」と聞こえてしまいます。
これが、日本語訳だけで覚える限界です。
でも文脈の中で英単語を覚えれば、そんな間違いは起こりません。
先ほどの例文では、
Pets are too troublesome.
とありました。
ペットが主語になっています。
「ペットが面倒を引き起こす」というニュアンスまで含めて、丸ごと覚えられます。
前置詞も覚えられる
さらに、「take care = 世話をする」という言葉も文脈の中では、
You have to feed and take care of them.
というように、後ろの前置詞 of まで含めて覚えられます。
この前置詞がなかなかやっかいな存在なので、丸ごと覚えられるのは大きなメリットです。
機械的な覚え方でも、「take care of = 世話をする」というように、ofまで含めて暗記することもできるでしょう。
でも、それではいざ会話!となった時に、使い方を間違ってしまうかもしれません。
自分のペットの世話をする = My pet take care of.
みたいに変な言い方になる可能性があります。
文脈で英単語を覚えれば、こんな間違いは起こさなくなります。
これが、文脈で覚える大きなメリットです。
さらに、大人にとって文脈で覚えるメリットはもっとあります。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
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