【今僕が英語を話している時の脳の感覚④脳内のモード3種類目】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※僕が英語を話している時の「脳内モード」を分析して解説している記事の続きです。

前回の記事では、文法をほとんど意識せずに話せる「フレーズ丸ごとモード」を解説しました。

何度も同じフレーズを音読したり、英会話の中で使い続けたりするうちに、その英語フレーズの回路が脳内で自動化していきます。

そして気づいたら、文法をまったく意識せずにフレーズ全体が丸ごと口から飛び出すようになっています。

そして、その次に待っているのが、3種類目のモードです。

3種類目のモードは、「フレーズ応用モード」です。

フレーズ応用モード

フレーズ応用モードは、先ほどの「フレーズ丸ごとモード」に、少し文法を意識する要素を足したものになります。

基本の型は完全に頭の中に入っていて、文法を意識せずに口から出て来るのですが、必要に応じて部分的に入れ替えます。

それに合わせて、文法を少し意識する必要が出てくるのです。

たとえば、前回の記事でご紹介した、

What’s it about?
(それは何についてですか?)

という例文。

これは完全に、僕の脳内で回路が自動化しているので、そのまま丸ごと使うことが多いです。

たいていのケースでは、 it が何を指すかは文脈から明らかです。

でも、たまにちゃんと言わないとダメなことがあります。

What’s the movie about?
(その映画のストーリーはどんな内容?)

What are your YouTube videos about?
(あなたのYouTube動画はどんな内容?)

みたいに、部分的に英単語を入れ替えて使う必要があるのです。

そうなると、多少は文法を意識する必要が出てきます。

言い回しにもよりますが、正しい英文に変換するためには、10%~30%ぐらいは文法を意識する必要があります。

とはいえ、「高速瞬間英作文モード」に比べると、脳の負担はずっと少なくなります。

これが、「フレーズ応用モード」を使っている時の僕の感覚です。

何となく伝わりましたでしょうか?

3種類のモードの比率は変わる

以上、これまで「3つのモード」について解説してきました。

①高速瞬間英作文モード

②フレーズ丸ごとモード

③フレーズ応用モード

この3つが混在しながら、英会話が進んでいきます。

1回の英会話の中でこの3種類のモードの比率はどのぐらいか?というと、その都度変わります。

・誰と話すか?

・何を話すか?

・その日の体調

などによって、コロコロ変わるのです。

たとえば僕の場合は、オンライン英会話レッスンを受けるとき、「初対面の先生」を相手にする時には、

①高速瞬間英作文モード = 20%

②フレーズ丸ごとモード = 50%

③フレーズ応用モード = 30%

ぐらいになります。

なぜなら、これまで自己紹介は数え切れないほど繰り返しているので、自己紹介する時には、ほぼ②のフレーズ丸ごとモードが発動しているからです。

僕の言った内容について、先生がコメントしてきたり、追加の質問をしてきた時には、①や③のモードが発動します。

よくある質問であれば、③のフレーズ応用モード。今まで一度も聞かれたことがない質問であれば、③のフレーズ応用モードです。

また、相手の先生の自己紹介を聞く場合でも、それに対して僕がコメントしたり質問する時のフレーズは自動化しています。

だから自分が質問する時のモードは、

②フレーズ丸ごとモード

です。場合によっては③のフレーズ応用モードになることもありますが、脳の負担は軽めです。

そうなると、脳の疲れが抑えられるので、たまに必要になる①の高速瞬間英作文モードの正確さとスピードが格段に上がります。

何度も話している先生との会話の比率

それでは、これまで何度も話しているレギュラーの先生との25分間の会話の最中のモード比率はと言うと、

①高速瞬間英作文モード = 90%

②フレーズ丸ごとモード = 5%

③フレーズ応用モード = 5%

になります。

もちろん、トピックによっても比率は変動しますが、僕にとって脳の負担が大きいのは、レギュラーの先生との英会話です。

仲が良くなり、話す頻度が増えると、お互いに出身地や趣味、家族構成、個人的な好みなどの基本の情報は、すでに知っている状態になります。

そこで何を話題にするかと言えば、「ここ最近あった出来事」です。

・先週末何をしたか?

・今朝あった出来事

・レッスン直前までしていたこと

など、ライブ性の高い情報を交換することになります。

すると、当然ゼロから英文を組み立てる必要が出てくるので、①の高速瞬間英作文モードの使用率が大きくなるのです。

レギュラーの先生は気心が知れているので、あまり緊張することはないし、文法ミスがっても強引に会話を進めます。

逆に、どこまでの文法ミスがあったら通じなくなるのか?その最低基準が見えるのが勉強になります。

僕が英語を話している時の脳内の様子

以上、僕が英語を話している時の脳内の様子を、できるだけ詳しく言語化してみました。

日本語のように、文法をまったく考えずに英語がカンペキに話せるようになる日は、おそらく来ないことは想像できます。

ただ、自動化しているフレーズが増えていき、「②丸ごとフレーズモード」が使える頻度が上がるにつれて、どんどんラクになっていくのでは?という希望があります。

また一方で、「①高速瞬間英作文モード」を使って、初めて言う内容を長文でカンペキな文法で言えた時には、何とも言えない快感を味わうことができます。

たとえ母国語と同じ感覚でなくても、いや母国語と同じ感覚ではないからこそ、この「うまく言えた!」という快感を得られると思うのです。

今後も、自分の英会話の3種類のモード比率を意識しながら英会話を続けていこうと思います。

そしてまた、何か新しい発見があったら、シェアしますね。

(完)

 

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