(←前回のつづき)
英会話スクールの体験レッスンを受けにきた僕は、小さな部屋に通されました。そこに、背の高い外国人男性の先生が入ってきました。
南国の海のようなキレイな青い色の目。
もじゃもじゃのヒゲ。
静岡の田舎育ちで、海外旅行も一度も経験していなかった僕は、日本人とは違う、その「見た目」だけで圧倒されて、一気に緊張してきました・・・
おそらく、日本人が外国人に話しかけられて緊張する大きな原因の1つは、単に「外国人を見慣れていないから」、というのもあるのではないでしょうか。人は、普段から見慣れないものを目の前にすると、緊張するようにできているのだと思います。
映画の中で外国人を見るのと、実際に自分の目の前に座って見つめられるのとでは、大違いです!男同士なんで、別に「青い目に見つめられてうっとり・・・」なんて感情はありません。
日本人の黒い目しか見慣れてない僕には、彼の瞳が肉食動物の目のように見えました。
もちろん、彼の表情は笑顔でした。
でも、僕は勝手に雰囲気に圧倒されていました。
初めての外国人との英会話
狭い部屋に2人きり。
相手の言っていることがわからなくても、逃げ場はありません!やるしかありません!覚悟を決めた瞬間、彼が勢いよくあいさつしてきました。
彼:「Hi, Nice to meet you! I’m Brad!」
(おー!メッチャ発音いいなぁ!ネイティブだから、当たり前か!しかも、声デカ!)
僕:「は、は~い!ないすとぅ~み~ちゅ~!」
緊張のあまり、声と手が震えているのが自分でもわかります。背中に汗がどっと出てくるのを感じます・・・
日本人と違って、ものすごくハッキリとデカい声で話しかけてきます。さっきの青い目に加えて、彼の声のデカさにも、ビビっている自分がいます。
(このマンツーマン会話を切り抜けられるのか?俺??)
そんな不安がこみ上げてきました・・・
その後、趣味やら仕事やらを聞かれて、話したんだと思います。
「思います」と書いたのは、あまりにテンパってて、ぶっちゃけ、何を話したかまったく覚えていないからです。
彼と会話していた時間は、たしか10分~15分くらい。話の内容は覚えていませんが、とにかく、冬なのに汗だくになっていたのだけは覚えています。
相手はプロの英会話講師なので、きっと僕のレベルに合わせて、理解できる範囲を探りながらしゃべってくれてたんだと思います。
自分が話した内容は覚えていませんが、
「言いたいことの10分の1も言えないもどかしさ」を感じたのは覚えています。
「この人とペラペラとしゃべれるようになったら、気持ちいいだろうなぁ・・・」
という感覚はありました。
これが、僕の初めてのマンツーマン英会話体験です。正直、ボロボロでした・・・
・・・つづく。
カッコ悪い自分
「カッコ悪い自分を見たくない」
「できない自分がイヤだ」
そんな理由で、英会話を始めることをためらう人は多いようです。
僕は、「英語をやるぞ!」来ると決めた3ヶ月ほど前ら、NHKの本を買ってTVを見ながら練習していました。いざスクールに入った時にテンパらないように、それなりに準備していたつもりでした。
しかし、家でひとりで練習するのと、実際に目の前に外国人の先生がいる状態で話すのとは、大違いです!家ではできたことが、人前だと、とたんにできなくなります・・・
このわずかな体験レッスンの時間で、そのことを痛感しました。
英会話を始めたばかりの人のほとんどが、「思ったよりしゃべれない」という感覚に陥ります。そして、「自分には実力がない」と悲しくなって、英語をやめてしまう人もいます。
特に英会話は、相手がいるので、「デキない自分」を人前でさらすことは避けられません。僕も、最初の頃はレッスンのたびに冷や汗びっしょりで、つっかえまくりでした。
英会話は、最初のうちは、
「カッコ悪い自分を見るのが恥ずかしい!」
という気持ちとの戦いです。
大人になってから、ここまで「できない自分」を見る機会は、そう多くないでしょう。
特に、もしあなたが会社でそれなりのポジションにいたり、部下から「デキる先輩」と思われている存在なら・・・「カッコ悪い自分」を見るのは精神的にかなりキツいかもしれません。
でも・・・
それに耐えられない!
プライドが許さない!
という心理状態では、正直、英会話の習得は難しいでしょう。
「カッコ悪いこと」を積み重ねた先に、「カッコいい自分」が待っている。
あなたも、今の仕事を始めたばかりの頃は、「カッコ悪い自分」、「デキない自分」がイヤになった時期を経験しているはずです。
それを乗り越えて、今のあなたがあるのです。
僕はこれまでに、500人以上の英語学習者と接してくる中で、英語学習が成功する人たちに共通するマインド=心の持ち方のひとつを発見しました。
それは・・・
「できない自分、カッコ悪い自分を楽しむ」
という姿勢です。
思い通りにならないことがあっても、一歩引いて自分を客観的に見ながら、その状況を「笑える人」は、英語力が伸びるのも早いです。
そういう人は、ミスを恐れません。
恥をかくことを恐れません。
ミスを恐れない人は、自分が英語を話す時間が自然と長くなります。結果、上達します。
恥をかくことを恐れない人は、どんどん行動して、経験を積んでいくことができます。結果、上達します。
反対に、いつも「ミスしないように!」と考えていると、英語はしゃべれなくなります。
「恥をかきたくない!」と思いが強すぎると、外国人を目の前にしたとき、話すのが怖くなります。
あなたは次の2つのうち、どちらを選びますか?
・今「カッコ悪い思い」をたくさんして、未来に「カッコいい自分」に出会う。
・今、「恥をかくリスク」を避けて、未来も「今と変わらない自分」でいる。
どちらを選ぶかは、あなた次第です。
If you want the rainbow, you have to put up with the rain.
訳:「虹を見たいのなら、雨をがまんしなければならない。」
(イギリスのことわざ)
From Shinya
(英語の達人養成ジム 師範代)
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