from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
最近、念願の海外生活を実現するために、マレーシアでの仕事をゲットしたIKさんのインタビューの分析の続きです。
前回の記事では、IKさんが英語学習を優先するために仕事をフルタイムからパートタイムに切り替えた決断の話をお伝えしました。
もちろん、すべての人に推奨する方法ではありませんが、IKさんの目的を達成する手段として合っていました。
「勉強やスキル習得の時間を優先するために、仕事を変える」
という発想は、なかなか日本文化にはないので、抵抗を感じることが多いです。
でも、アメリカやイギリスなど西洋文化では、今の自分の優先事項やライフスタイルに合わせて、仕事の方を柔軟に変えていく人が多いです。
その点では、IKさんは西洋的なアプローチを取りました。
そして、DUO3.0の英単語帳をガッツリ仕上げつつ、音読やTOEICの問題集なども続けます。
それから次の大きなステップとして、フィリピンのセブ島に3ヶ月間留学をします。
セブ島のスクールでは、TOEICの点数アップコースを受けて、800点突破を目指しました。
ところが、TOEICの点数アップを目標に通ったスクールで、IKさんはなぜか「スピーチ大会」に出たり、友達をたくさん作って台湾に人脈を広げたりと、人間関係を強化するようなスキルを磨きます。
これは、IKさんがウェルスダイナミクス(性格診断テスト)で、人間関係寄りの「スター」であることが影響していると思われます。
TOEICの点数アップは「ミスを減らして得点を増やす」という戦略が必要になるので、IKさんの性格タイプとは真逆の要素が必要になるのです。
でもIKさんは、「自分には合わない」などと落ち込むことはなく、むしろ積極的に先生と話したり、他の生徒たちと交流していきました。
そして、TOEICとは別のところで英語のプレゼンスキルや、年代や文化の違う人たちとの関係を築くスキルを磨いたのです。
TOEICの結果
本来なら現地でTOEICの受験をして、結果に応じてもう少し滞在期間を伸ばすかどうかを判断する予定でした。
でも、コロナの影響で現地でのTOEIC受験が難しい状況になり、帰国後に日本でTOEICを受けました。
その結果、点数は自己ベストが出たものの、800点どころか700点にもあと一歩及ばず・・・というスコアでした。
実は、こういうことはよくあります。
・スコアアップに向けてモーレツに勉強した直後に受けたTOEICが、思ったより点数が低い。
・あきらめて手放した時に、適当な気分で受けたTOEICが、急に点数が上がって自分でもビックリする。
という現象が起こるのです。
僕自身も同じ経験をしたことがあります。
そして、僕が以前、大手英会話スクールのTOEIC戦略コースで教えていた英語学習者の方々も、同じ経験をする人が多くいました。
なぜか分かりませんが、気楽に受けた時ほど点数が高く出ることが多いのです。
おそらく人間は本来、心がリラックスしている時に最大の集中力を発揮できるのかもしれません。
逆に、結果を出そうとガチガチになっている時には、真の力を出せずに空回りしてしまうことが多い気がします。
分かれ道
TOEICの目標点数が出なかった時に、その後どういう行動を取るか?
多くの人が取るパターンは、
「目標点数が出るまでガンバる。そのために勉強時間を増やす」
だと思います。
TOEICの点数アップそのものが目標だったら、それでも良いと思います。
でも、多くの場合、TOEICの点数アップは手段です。
・英語を使う仕事に転職したい
・今勤めている会社の海外部署に異動したい
・社内の海外留学制度を利用して、学びたい
そのためにTOEICの点数が必要になります。
たとえば、今回のIKさんのように、英語を使う仕事に転職するのが目的の場合は、「TOEIC700点台」というのが1つの基準になることが多いです。
そのため、「TOEIC700点台を取るまでは、転職活動できない」という発想になりがちです。
手段と目的が逆転してしまうのです。
もちろん、受けたいポジションがすでに決まっていて、書類選考の基準がTOEIC700点台でないと通らない、というのであれば、点数を取るのが先決でしょう。
でも、申し込む職種やポジションがハッキリ決まっていないのであれば、すぐにでも転職活動をした方が良いこともあります。
準備が100%整う日は来ない
それに、700点を取ったところで、絶対仕事をゲットできるなんて保証はありません。
そうなると、不安を解消するために、「念のため800点を取っておこう。」「900点持っておけば安心だ」というように、どんどん目標を上げていきながら、転職活動を先延ばししてしまうことが多いのです。
でも結局、100%準備が整う日はやって来ません。
たとえTOEIC900点を超えても、仕事をゲットできる保証はないし、いつまでたっても不安は消えないのです。
今回IKさんは、準備が整わないまま行動を起こしました。
そして、TOEICの点数に関係なく、外資系の企業に応募しました。
もちろん、何の準備もなしにただ行動だけ起こしても、望む結果を得られる確率は低いでしょう。
英語力がゼロ状態で英語を使うポジションの仕事に応募しても、まず受かりません。
でも今回、IKさんに整っていなかったのは「TOEICの目標点数だけ」で、英語力のそのもはしっかり上げていたのです。
日本でDUO3.0の全例文560本を、瞬間英作文で仕上げてからセブ島に留学し、現地ではプレゼン力やコミュニケーション力を培いました。
そして、その力を使って、外資系企業の英語面接を突破して、今回のマレーシアでの仕事をゲットしたのです。
・・・つづく。
p.s.IKさんのセブ留学はこちらの動画でインタビューしています。山あり谷あり「恋あり」の留学の様子、ぜひ見てみてください↓↓↓
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From 師範代Shinya(新村真也)
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