from 師範代Shinya
先日、アメリカ出身の友達のマイケルと一緒に、ある建物に行ってきました。
そこは、日本に移住した外国人が必ず通らなければならない場所です。
正式名称は、「東京出入国在留管理局」です。
・日本に移住したばかりの外国人が、書類を申請する
・すでに日本に住んでいる外国人が、書類データを更新する
の手続きをするための建物です。
マイケルは奥さんが日本人で、日本に長く住んでいますが、3年に1度はこのビルに行ってビザを更新しなければならないそうです。
このビルは、東京の品川駅からバスで10分ぐらいの所にあります。
マイケルは僕が品川エリアに住んでいるのを知っているので、「品川駅でお茶かランチしない?」と誘ってくれたのです。
そこで僕は、
「それなら一緒に出入国在留管理局に行って、ビザの更新手続きから付き添うよ。」
と申し出ました。
それを聞いたマイケルは、
「え?こんな退屈な場所に一緒に行ってくれるの?」
と驚いていました。
でも、僕には1度ここに行ってみたい理由があったのです。
僕のネイティブの友人たちの話
実は、僕のネイティブの友人たちが、この「出入国在留管理局」について話しているのを、これまでに何度も聞いていました。
行った人たちの感想は、大きく3点ありました。
①係の人たちがまったく英語を話せず、スマホのGoogle翻訳でやりとりしている。
②そのため、1人の処理にかかる時間が長く、常に長蛇の列ができている。
③係の人に高圧的な態度を取られることが多く、怖い。
ということでした。
「日本に住んでいる外国人たちが、最も恐れている場所」という印象だったのです。
でもそこを通らないと、日本に住むことができません。
だから、みんなイヤイヤ行っているのです。
そんな話を聞いていたので、僕は怖いもの見たさで「いつか見学してみたいな~」と思っていました。
もしそこが、家から新幹線で1時間の場所だったら、行く気にはなれなかったでしょう。
また、日本人の自分がひとりで行くのも度胸がいります。
もし入り口で係の人に声をかけられて用件を聞かれたら、目的を言えません。
「ただの見学です」なんて言ったら、怪しまれてしまうでしょう。
でも今回は、「マイケルの付き添いです」という名目があります。
家から近くて、一緒に行く友達がいる。そんな環境が揃うことは珍しいです。
これが最初で最後のチャンスかもしれない!
そう思って、一緒に行くことにしたのです。
日本人でこの建物に出入りしたことがある人は、おそらくほとんどいないでしょう。
だからこそ、「英語と海外文化を愛する日本人」として、1度は出入国在留管理局の雰囲気を体験してみたいと思いました。
行きのバスから異国の雰囲気
マイケルとは品川駅で待ち合わせして、そこからバスに乗りました。
バスに乗り込むと、すでに数人の外国人が乗っていました。
白人、黒人、中東系など、色んな国籍の人たちがいます。
僕とマイケルが乗った後にも、続々と外国人が乗り込んできました。
「このバスに乗る人は、みんなイミグレーション(出入国在留管理局)に行く人たちだよ。」
と、マイケルが僕にささやきました。
バスが出発した時には、バスの座席は満員でした。
ちなみに、おそらく乗客で日本人は僕ひとりでした。
後は全員、色んな国籍の人たちです。
インド系や中東系の顔立ちをした人たちが割と多い印象です。
アメリカのドラマや映画に出てきそうな、スラッとした長身の若い黒人女性もいます。
僕は、このインターナショナルな雰囲気に、ワクワクしてきました。
外国人が集まるバーに出入りしていた頃にも、この国際的な雰囲気が楽しかったなぁ~と思い返していました。
バーとバスが違うのは、「みんなとても静か」だということです。
みんな1人で来ているらしく、話し声は聞こえてきません。
もしここがアメリカやカナダであれば、バスで隣り合った人に話しかけたりするケースもあります。
「やあ、君もビザの更新かい?ここに住んでからどのぐらい経つんだい?奥さんは現地人?」
みたいな会話が繰り広げられるでしょう。
でも、このバスに乗っているのは、西洋人ばかりではありません。
知らない人に話しかける文化がない国の人たちもいるでしょう。
それに何より、ここは日本です。
日本に移住している人たちは、おそらく日本文化に馴染んでいるので、他人に話しかけないのかもしれません。
それに、ビザの期限が切れるタイミングは人それぞれなので、友達と一緒に来るケースは珍しいでしょう。
だから、バスの中でしゃべっているのは僕とマイケルだけでした。
僕たちは、バスの中だけ日本語で会話しました。
日本語は英語に比べて、バスや電車の中で他の乗客に聞こえづらい特徴があります。
これは、音の周波数の違いと、呼吸法の違いから来ると言われています。
よく、電車の中で外国人同士が英語で話している声が、すごくよく通って聞こえることがあります。
それは、英語の音の周波数が、雑音の中でもよく聞こえやすいからだそうです。
また、英語は日本語に比べて子音が多く、話すときには腹式呼吸を使うので、必然的に声のボリュームが大きくなります。
だから、僕とマイケルはバスの中では日本語で話すことで、音の周波数とボリュームをコントロールして、周りの人たちに内容を聞き取りにくくしました。(別に聞かれても問題ない話題しか話していませんが)
僕は今回改めて、「静かな環境で話すには、日本語は最適だな」と感じました。
ちなみに、僕の英語力とマイケルの日本語力は同じぐらいです。
日本語と英語、どちらで話しても、僕たちの会話の濃さや内容は変わりません。
だから一緒にいる時には、あまり意識せずに英語と日本語を切り替えながら話しています。
日本語で雑談しながらバスに乗っていたら、あっという間に出入国在留管理局のビルに着きました。
いよいよ、日本にいる外国人たちが恐れる建物に入るときが来たのです!
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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自己紹介は、こちら
シンヤ先生、興味深い題材を取り上げていただき、ありがとうございます。
手続きにいらっしゃる外国人の方々に『コワイ』と言わせる係の人達、どうしてそんな態度をとるのだろう?と興味深々です。
ありがとうございます!
ぜひ、続編をお楽しみに!