from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「東京出入国在留管理局」で、アメリカ出身のマイケルのビザ更新手続きに付き添った体験談の続きです。
長い待ち時間の後、いよいよ、マイケルの順番が回ってきました。
僕は、受付でのやりとりの最中にマイケルの真横に立って、いつでもヘルプに入る準備をしていました。
係の人の話す日本語は、ナチュラルスピードでした。
普通に僕が市役所に行ったときに手続きをする時と、同じぐらいのスピードで話しています。
でも、マイケルはきちんと聞き取って、的確に返事をしていました。
おそらく、ここに並んでいる在日外国人たちの中でも、マイケルの日本語力はかなり高いレベルに入ると思われます。
やりとりはスムーズに続き、結局、僕の出番はありませんでした。
マイケルは手続きの最中かなり緊張しているようでしたが、終わってホッとしていました。
僕は感心してしまいました。
もし、僕がアメリカに移住して、移民局で怖い係員さんを相手に英語だけで書類のやりとりをしたら、うまく切り抜けられる気がしません。
英語圏の国に海外旅行した時にも、税関の係の人の早口英語が全然聞き取れないことが何度もあったからです。
その後、僕とマイケルは永住権について質問するために、また1階の受付に行きました。
受付でどこのエリアに行けばいいのか確認した後に、案内された場所に向かいました。
すると、さっきビザ更新で並んでいた人たちがいる場所とはまた別の、もっと広い空間が目の前に開けました。
フロアはかなり広く、中央には数え切れないほどのイスがズラーッと並んでいます。
そして何より驚いたのが、そのイスがほとんど満席と言っていいほど、外国人で埋め尽くされていたのです!
ビザ更新の列にもすごい数の人がいましたが、さらにこんなにいたとは!!
しかも、座っている人たちだけではなく、歩いて移動している人たちも含めると、さらに人数は増えます。
このエリアだけでも、数百人はいるでしょうか。
「東京だから人が多いとは思っていたけど、これ程とは・・・」
僕は驚くと同時に、自分が海外に来たような気分になって、テンションが上がりました。
ここは、日本にある海外空間のような気分です。
もちろん、テンションが上がっているのは僕だけで、ここにいる全員、誰も楽しい気分ではないことが、表情から伝わってきました。
移住することの大変さ
すべての手続きが終わって、建物を出ようとすると、入り口のところからまたたくさんの外国人がゾロゾロと入ってくるのが見えました。
毎回、バスは満員に近い状態でたくさんの人たちを送り込んでくるようです。
東京出入国在留管理局の係の人たちは、一日中こんな数のお客さん?!をさばいているんだなと思うと、スゴいなぁ~と思いました。
僕とマイケルは、帰りのバスに乗り込みました。
帰りのバスも、満員に近いぐらいたくさんの外国人で埋め尽くされていました。
おそらく日本人は僕1人だけです。
帰りのバスの中は、行きのバスとはまったく違う雰囲気でした。
行きのバスでは、みんな緊張した表情で、重々しい空気が漂っていました。
でも、帰りのバスではみんなリラックスした表情で、なんとなく明るい空気で満ちていました。
マイケルも緊張が解けたのか、こんどは英語だけで話してきました。
(やっぱり、リラックスしている時には母国語の方が話しやすいよなぁ~わかるわかる!)
と思いながら、僕はマイケルの話を聞いていました。
帰りは、品川駅前の居酒屋に寄って、一緒にランチを食べてから解散しました。
移住は大変
僕が今回、改めて感じたことは、「移住は思っていたより大変」ということです。
こんな書類手続きを毎回やらなければならないのは、けっこうなストレスです。
しかも、マイケルは日本に長く住んでいるので3年に1度で済みますが、最初の頃は1年おきにこの手続きをする必要があったそうです。
「もし今回ビザを更新してもらえなかったら、どうしよう?」という不安が毎回つきまとい、今でも緊張するそうです。
そう考えると、移民はとても不安定な立場で生活しているんだなと感じました。
日本で生まれ育った僕がふだんまったく意識していないような不安や恐怖を、マイケルは感じていると分かりました。
これは、日本が移民を受け入れる姿勢があまりないからこそで、アメリカやカナダなどの移民を受け入れている国は、もっとユルいのでは?と思いました。
試しにマイケルに聞いてみたところ、
「カナダは分からないけど、少なくともアメリカは日本と変わらないよ。おそらく、移民への差別はアメリカの方がもっと厳しいんじゃないかな。どの国も、移民に対しては対応がキツいことは変わらないよ。日本はまだマシだと思う。」
と言っていました。
そうなのか!
よく「定年退職後は、海外に移住して悠々自適に暮らしたい」という夢を聞くことがあります。
そのために英語学習をガンバっている人もいるでしょう。
特に発展途上国に移住すれば、日本の年金暮らしの収入でも、メイドさんを雇ったり、お金持ち気分を味わえると聞いたことがあります。
僕にはタイに移住しているアメリカ人の先生の知り合いがいるので、この体験談を話して「タイに移住した人への対応がどうか?」リアルな現状を今度聞いてみたいと思います。
アメリカ人の先生から話が聞けたら、またブログに書きますね!
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
シンヤ先生、今回の「東京出入国在留管理局」のお話、とても興味深く、楽しく読ませていただきました。
移民してきてる人は、当然日本語はペラペラなはずだと言わんばかりの対応は、親切な思いやりのある日本人の対応とは思えない、役人の対応だなあとしみじみ感じました。担当者は当然英語はペラペラなはずなのに、不親切ですね。
英語で話して、誤解が生じてはいけないからでしょうか。日本人の英語力が、もっと向上して、親切な対応ができるようになることを祈ります。
マイケルさんは先生が付き添ってくださって、心強かったでしょうね。みなさん、付き添いの人がいたら、幾分か気持ちが楽でしょうに。とはいえ、仲良しの日本人でも先生のようにみんながペラペラなわけではないでしょうし、行き帰りのバスがより混雑するという弊害も起きてしまうでしょうしね。
私も英会話を早く習得して、せめて道ゆく外国人の方々に親切にできる日本人になりたいです。
先生のこんなお話、これからも楽しみにしています。
外国人の英語を学ぼうとしている日本人へのせめてものお願い・思いもいつか、載せてください。
Kyokoさん、ありがとうございます!
立場が変わると、色んな考え方があるんだろうなぁと思いました。
僕が付き添を申し出たのは、けっこうレアなケースだと思います。
マイケルも最初はビックリしていました(笑)
確かに、みんな付き添いが来たら、バスもパンク状態ですね。
この体験談のシェアを、こんなに喜んでもらえて嬉しいです!
また、こういう異文化交流がらみの体験談があれば、シェアしますね。