from 師範代Shinya
(→前回の続き)
最近、上の娘がよく口ずさんでいる歌「小さな世界(It’s a small world)」の英語版を、YouTubeで再生してみました。
隣には娘が座っていて、僕が何の動画を再生するのか期待のまなざしで見ています。
僕は、この歌のメロディーは記憶していたので、後は歌詞が表示される動画を見ながら、そこに合わせて歌えば一発でいけると思っていました。
ところが!
いざ歌が流れ始めると、僕は衝撃を受けました。
いきなり最初の出だしからつまずいたのです。
日本語バージョンの歌詞は、
世界~じゅ~う~どこだ~って
笑い~あり~涙~あ~り
です。
この英語版は、
It’s a world of laughter, a world of tears
It’s a world of hopes and a world of fears
です。
ぬぬっ!情報量が違う!!
日本語版で2行分の内容を、英語版では1行で言い表しています。
しかも、1行目をリズムに乗せるのがムズカしいのです!
特に laughter (ラフター:笑い)の部分が、次の a とつながって、
ラフタ-~ワールドブ テアーズ
になるのです。
ラフターと言った後に、そこからさらに「ア」を引き延ばしていきます。
このタイミング取りがすごくムズカしいのです!
さらに、「ラフター」のリズムとスピードも、
「ラーフター~」なのか、「ラフターー~」なのか、よく分からないのです。
なぜなら、この歌は子ども達が大勢で歌っている曲だからです。
合唱曲だと、1人1人の声がよく聞こえないので、発音もすごく曖昧に聞こえます。
発音が聞き取りづらい上に、リズムも変則的。
これには参りました。
僕はこれまで、洋楽が好きで色んなジャンルの英語の歌を歌えるように練習した経験がありますが、キッズソングは初めてです。
大人向けの歌にはないテンポとメロディーに、うろたえました。
1行目を20回以上繰り返す
僕は、なんとか1行目をクリアしたくて、YouTube動画を何度も巻き戻しました。
音だけ聞いてみたり、音に合わせてオーバーラッピングしたりを交互に繰り返しました。
でも、何度やってもタイミングが合いません。
「ぬぬ~!おのれぃ!!」
僕は悔しくなって、何度も繰り返し練習しました。
10回ぐらいやった時点で、ふと我に返って隣を見ると、娘が無言&無表情で画面を見ています。
おそらく娘としては、知っているメロディーが流れて「やったー!」と思った瞬間、出鼻をくじかれるように何度も1行目をリピート再生する父の行動が理解できないのでしょう。
子どもだったら分からない部分は適当に流して先へ進むでしょう。
でも、大人はそうはいきません。
分からない部分は、とことん調べたくなる。できるまで先へ進みたくない。
それが大人というものです。(僕のこだわりの性格もあるかもしれませんが)
特に今は、娘の前でカッコよく英語バージョンを歌って見せて、「パパすごーい!」と言わせたい欲求に駆られています。
20回ほど繰り返した時点で、なんとか僕は最初の行をうまく言えるようになりました。
でも、この時点で「パパすご-い!」と言われる要素は消え失せていました。
せめて、1番を上手に歌えて、2番でつまずくなら良かったかもしれません。
でも、今は最初の出だしでいきなりつまずいて、20回以上繰り返し再生しているのです。
先が思いやられます。
先もムズカしい!
2行目の、
It’s a world of hopes and a world of fears
の部分は、日本語バージョンにはありません。
でも、割とクセのないリズムで何とか2~3回で乗り越えられました。
次の歌詞に入ると、また高いハードルが立ちはだかりました。
There’s so much that we share
That it’s time we’re aware
ぬぬ~!!ムズカしいぞ!!
1行目は There’s とその周辺が、めちゃくちゃ発音がぞんざいでスピードが速いです。
2行目は、That it’s のあたりと、 we’re の部分が、音のつながりが多くてスピードがめちゃくちゃ速いです。
この2行のリズムをつかめるまでに、やはり20回ぐらい動画を巻き戻し続けました。
その後は、
It’s a small after all
とおなじみのセリフを言った後、ひたすら同じセリフでサビの部分を乗り切れます。
It’s a small after all ×3回
It’s a small, small world
これでやっと、1番が終わりました。
長かった~!!
もう一度、娘の表情をチェックすると、もうとっくに飽きているようで、画面から目を離して、手元のオモチャをいじっていました。
30秒で終わると思っていた1番の歌詞に、15分近くかけてしまったことに、僕は気付きました。
It’s a small world、恐るべし!!
しかも、よくよく歌詞を見てみると、ムズカしいのは発音だけではありませんでした。
・・・つづく。
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