from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
※日本語にすると同じ単語なのに、英単語にするといくつも種類がある時、どっちを使えば良いの?という「迷い」を解消する本のレビューの続きです。
今回は、前回の記事の中でのクイズの答えとその理由を、「もっと比べて覚える英単語:名詞」のテキストの中から引用してお伝えします。
まず、クイズのおさらいから。
クイズ①
次に並んだ「店」のうち、shop と store どちらが入るでしょうか?
・喫茶店:coffee ( )
・花屋:flower ( )
・床屋:barber ( )
・デパート:department ( )
・自転車屋:bicycle ( )
・靴屋:shoe ( )
【答え】
department だけは store で、後は基本全部 shop。
また、最後の shoe に関しては、shoe store, shoe shop どちらでも言うことがあって、業態によって使い分ける。
この答えになる理由
store の語源(本書より引用)
「牛小屋」や「壁のない建物」が語源で、「店」のほかに、ものを作ったり修理したりする「仕事場」や「作業場」の意味があります。
「店」の意味では、特定の商品の販売に限らず、製造や加工などの作業をその場で行ったり、「床屋」のような特定のサービスをする店も含みます。
たとえば、コーヒー豆を挽いて客に出す「喫茶店」は a coffee shop、花をブーケやアレンジメントの形にして販売する「花屋」は a flower shop、自転車の修理も行う「自転車屋」は a bicycle shop です。
store の語源
「蓄え」や「供給」が語源で、「商品を保管しながら客に供給する場所」が原義です。
基本的には仕入れた商品を倉庫に保管し、販売のみを行う「店」のことで、「デパート」は a department store、「アウトレット」は an outlet store です。 shop に比べると比較的大規模な店をイメージさせるので、「靴屋」のように、a shoe shop も shoe store も両方可能な店があります。
a shoe shop が個人経営の店で靴の修理も行っているのに対して、a shoe store はたくさん種類のある大規模な量販店という違いがあります。
動詞にすると、違いが浮き立つ
以上が、語源から見た shop と store の違いの解説です。
面白いですね!
この違いは、動詞にするとよりハッキリします。
storeの動詞の意味は、「蓄える、保存しておく」です。
shopの動詞の意味は、「買い物をする」です。
store の動詞形には、「倉庫」の語源がまだ生きているんですね。
僕が働いていたお店
英単語を覚える時には、自分自身の体験談と照らし合わせてみると、覚えやすくなります。
今回の「お店」であれば、あなた自身がよく行くお店は、 shop か?storeか?を考えてみるのです。
日本語のカタカナ語の~ショップや~ストアの表記にまどわされず、あくまで語源ベースでカテゴリー分けします。
ちなみに、僕は小売業で働いていた経験があるので、自分が働いていた店を振り返ってみると・・・
【21歳~24歳の頃:イトーヨーカドー】
日本ではイトーヨーカードーは「スーパー(マーケット)」という扱いです。
日本語で「デパート」は、価格帯が高めのブランド品を扱う印象なので、安めの商品を扱うヨーカドーは、あくまでスーパーのようです。
でも、英語の語源的に見ると、イトーヨーカードの業態は明らかに store のタイプです。
僕ら店員の仕事は、品出し、レジ打ち、発注がメインでした。
修理などの専門的なサービスは提供していません。
そう考えると、やはり商品の「保管」がメインになります。
しかも、部門ごとに「紳士服」「婦人服」「服飾小物」などで売り場が分かれていました。
その点から見ると、イトーヨーカドーは英語では、department store と呼ぶのが妥当でしょう。
【25歳~31歳の頃:ジーンズショップ】
僕が働いていたお店の自社表記は「ジーンズショップ」でした。
が、shop と store の語源をベースに振り返ってみると、やはり store なのでは?と思います。
というのも、仕事時間の大半が、品出し&検品&商品整理だったからです。
もちろんジーンズを買ってくれたお客さんには、裾上げの無料サービスをしていました。
また、持ち込みで他店の裾上げも受け付けていました。
ジーパンの裾上げは専用のデカくてパワフルな業務用ミシンでないとできません。
業務用ミシンには、「指をも貫く極太の針」を装着しています。(実際に、焦って裾上げ中に指を巻き込まれて、病院送りになった店長仲間もいました)
その点で言えば、裾上げは専門サービスなので shop の要素もあります。
ただ、1日の中で裾上げしない日もありました。
ジーンズショップとはいえ、売っているのは洋服全般です。
特に夏は、長いズボンよりも短いズボンが売れるので、裾上げが必要ありませんでした。
また、マルイの店員さんのように、お客さんにピッタリ貼り付いてトータルコーディネートをアドバイスするようなサービスも行っていませんでした。
基本的にはセルフサービスで、お客さんが自分で服を選んで持ってきます。
さらに、お店全体の面積比で言っても、敷地全体の3分の1が倉庫でした。
以上を踏まえると、やはり僕が働いていたお店はジーンズショップではなく、ジーンズストアだと思います。
ネイティブに通じる率
余談ですが、僕がDMM英会話のネイティブの先生達と話している時に、自分の経歴を話すことがあります。
その時に、「僕はジーンズショップで働いていました」という言い方と、「僕はジーンズストアで働いていました」という言い方では、一発で伝わる率が違います。
「ジーンズショップ」と言うと、必ずと言っていいほど、聞き返されます。
「ジーンズストア」と言うと、一発で通じる率が高いです。
実際に先生たちに「ショップとストア、どっちが正しいか?」を聞いてみても、「どっちでもOK」という答えが返ってきます。
でも、通じる確率で言うと、明らかに~ストアの方が高いのです。
これはおそらく、「ジーンズを売る店=ストア」というイメージが、ネイティブの脳内にも定着しているからでは?という気がしています。
以上、store と shop の違いでした。
深くて面白いですね!
次回は、クイズ②の答えと解説(home VS house)を確認していきましょう。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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