【3歳の娘が日本語を習得する過程の観察記録③信じられないスピードで文法を使えるように!】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

次に娘が新しい日本語文法を習得したのは、わずか1ヶ月後でした。

それは、朝に僕が娘の朝食の準備をしている時に起こりました。

その時は僕のお腹が減っている状態だったので、「グ~」と鳴りました。
それを聞いた娘が、

「あ!お腹の音が聞こえる」

と言いました。カンペキな文法です。

現在進行形でしっかり表現しています。

僕はこの時点で感心しながら、「子どもは時制をどういう感覚で身に付けていくんだろう?」と不思議に思いながら、ボーッと作業していました。

すると、反応のない僕に対して、娘がもう一度、同じ事を言ってきました。

娘:「パパのお腹の音が聞こえた。」

僕:「な、なにぃーーー!!」

僕は度肝を抜かれました。

娘は、時制を一瞬で過去形に切り替えてきたのです。

驚く僕の表情を見ながら、娘はさらに続けて言いました。

娘:「パパのお腹が鳴ってたよ。」

僕:「な、な、なんだとぉーーーー!!」

こんどは過去進行形を使ってきました。

驚きです!!

いったいどうやって、状況に合わせて時制を使い分けているのでしょうか?

これが、母国語の力ってやつか?

僕は驚きすぎて、どうしても娘の脳内で何が起きているのか、知りたくなりました。

僕:「ふーやん、今、いったいどうやって時制を使い分けたの?」

娘:「???」

僕:「何で今、言い方を変えたの?どういう感覚で使い分けたの?」

娘:「???」

僕:「やっぱムリか・・・質問を変えよう。今のフレーズは、どこで習ったの?保育園?」

娘:「わかんない。」

僕:「だよね~・・・」

このやりとりは、もちろん、僕はスマホに記録しました。

時制を使い分ける

僕は、ますます混乱してきました。
いったい娘は、どうやって時制の使い分け方を覚えているのでしょう?

僕が英語をこれまで教えてきた中でけっこうよく聞かれることが、

「過去形と過去進行形の違い」

です。

・He did ○○.(彼は~した)

・He was doing ○○.(彼は~していた)

どちらも、彼が過去にしたことを言っています。

だからどっちも同じように使える気がします。

でも、ネイティブは明らかに使い分けるのです。

過去進行形を使う時には、

When I visited him, (私が彼を訪ねた時に)

When I called him, (私が彼に電話した時に)

のように、「何か同時にしたこと」を持ってくることが多いです。

When I called him, he was taking a bath.
(私が彼に電話した時に、彼は風呂に入っていた)

という感じです。

このように、過去進行形と過去形を使い分けられるようになるためには、、しっかり説明をする必要があります。

でも、娘はそんな説明は理解できないでしょう。

おそらく、感覚で日本語を使っていると思われます。

これが、母国語のパワーなのか・・・

とてもじゃありませんが、第2言語の英語では、この領域に到達できません。

大人の英語学習と、子どもの母国語習得には、大きな違いがあることが、改めて分かりました。

ただ一方で、娘が今年3月に発した言葉を聞いて、「おぉ!これは英会話と一緒じゃないか!応用できるぞ!」と感じました。

次回の記事でシェアしますね。

 

・・・つづく

 

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