From 師範代Shinya(新村真也)
僕が英会話スクールに通い始めた頃、よくレッスンの始めに発音練習をしていました。
口を大きく開けて、「アー」とか「オー」とか言うのです。
よく、
「英語の発音は口を大きく使うから、日本語をしゃべる時よりも意識して大きく口を開けなさい。」
みたいなアドバイスを受けることがありました。
実際、口の中に指を3本入れて、口を大きくタテに開きながら声を出す練習をしたこともあります。
僕は最初、このやり方に疑問を持っていました。
ネイティブの口の動き
たしかに、発音練習の時にはアメリカ人の先生が大きく口を開けてお手本を見せてくれました。
「私たちネイティブはこうやって発音しているんだよ。」
みたいな感じのことを言っていました。
でも、実際にレッスンが始まって先生がふつうにしゃべり始めると、さっきまでとは口の動きが全然違うのです。
「そんなに口を動かしてない」
のです!
映画スターの口の動き
そのアメリカ人の先生だけではく、僕が好きなハリウッド映画を見ると、みんなセリフを言うときに口を大きく動かしてなどいませんでした。
以前ご紹介した、僕のひとり目のメンター、Melodyさんが英語を話すところも、何度も巻き戻して確認しましたが、明らかに口は動いていません。
むしろ、日本語をしゃべっているときよりも口の動きは少ないくらいでした。
これは、どういうことだ???
謎は深まるばかりでした。
謎が解消!
でも、あるときその謎が解けました!
それは、「英語は武道と同じ」ということに気づいた時です。
武道を上達させるには、
①知識を入れる(わかる状態)
②技を磨く(できる状態)
③組み手・試合(対人で使う)
の順番で進めます。
順番を入れ替えると上達はしません。初心者がいきなり武道の組み手をやったら、めちゃくちゃに手足を振り回すだけのケンカみたいな動きになってしまうでしょう。
英語学習も同じです。
①文法や英単語の知識を入れる(知識)
②何度も声に出して身体に刷り込む(技術)
③英会話で使ってみる(試合)
という順番でやっていくと、初めて上達します。
でも、この順番を入れ替えると、うまくいきません。
文法の知識も技術もない初心者の状態で、ネイティブとのフリートーク(試合)だけを繰り返しても、上達は望めません。
めちゃくちゃなブロークンイングリッシュで、「しゃべれた気になっている」だけの人になってしまうでしょう。
発音も武道と同じ
僕は、「英語は武道と同じ」という考え方を知ってからは、これまでのあらゆる疑問が解けるようになりました。
・なぜ、英会話スクールに週1回&外人バーに週3回も通っているのに、ちっとも上達実感がないんだろう?
・なぜ、辞書を見て、「あっ!なるほど!」と思った英単語が、会話ですぐに出てこないんだろう?
・なぜ、アメリカに3年間も留学していた知り合いは、英語が満足にしゃべれないんだろう?
そういった疑問は、英語学習を「武道」という視点で見ることで、答えが自然と見えてきます。
このとき僕は、
「あ!じゃあ、発音も武道と同じなのでは?」
と気づきました。
そして、すべての謎が一瞬で解けました!
そこから僕は、「発音練習」と「実戦での発音」を使い分けるようになりました。
ネイティブの先生が無意識でやっていたことを、僕は意識的にやるようにしたのです。
どういうことかと言うと・・・
・・・次回につづく。
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