
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
僕は昔から、あまりテレビドラマをよく見る方ではありませんでした。
好きでハマるものがあると長く見るのですが、広く浅くは見ません。
そんな僕が、30年ぐらい前に見て一番大きな衝撃を受け、当時VHSテープに録画して何度も見返した記憶があるドラマがあります。
そのドラマのDVDを、最近になってツタヤで発見し、借りて妻のサヤと一緒に見ました。
そのドラマのタイトルは、『沙粧妙子-最後の事件-』です。
漢字の読みは、「さしょうたえこ」で、主人公の刑事の名前です。
浅野温子さんが演じています。
このドラマは、過激なコンセプトと描写が話題になり、今では再放送禁止になっています。
ネットフリックスやアマゾンプライムなどのオンライン配信でも、一切見れません。
一節によると、実際に起きた連続殺人事件の犯人が、警察の取り調べで「このドラマから影響を受けた」と供述したことが、放送禁止になった決定打だそうです。
ドラマのストーリーは、連続殺人事件を追う刑事の物語なのですが、主人公もけっこう病んでいて、正気と狂気の間を行ったり来たりして、危ういのです。
「心理操作」「サイコパス」といった概念が、まだ日本に入ってきたばかりの頃に作られたドラマで、けっこうぶっ飛んだストーリーが印象的です。
僕は放送当時にも何度も録画を見返して観ていたので、「懐かしいな」という気持ちで再生しました。
でも、隣で初めて観ていた妻のさやは、かなり衝撃を受けていました。
「え?これ、本当に地上波で放送してたの?」
「こんなに怖いドラマだったの?」
「えっ、まだ終わらないの?この先どうなるの?」
そんな反応の連続です。
僕も横で一緒に観ながら、「そうそう、このドラマはこうだった!」と思い出していました。
でも、実際には思い出していた以上に驚かされることがたくさんありました。
今観ても色あせない作品
改めて観ると、このドラマの完成度の高さに驚かされます。
「もう事件は解決したかな」と思ったら、そこからさらに物語が続きます。
「今度こそ終わりだろう」と思った瞬間に、また予想もしないどんでん返しが待っています。
視聴者の予想を何度も裏切りながら、それでも無理がなく物語が進んでいくので、気づけば次の話を観たくなってしまいます。
そして、もう一つ驚いたのが出演者です。
「えっ、この人も出てたの?」
「この人まで!」
今では主演クラスとして活躍している俳優さんが次々と登場します。
・柳葉敏郎さん(浅野温子さんの相棒役)
・佐野史郎さん(大事な役)
などは当時から実力派でしたが、他にも脇役で、
・反町隆史さん(登場後すぐやられて死ぬ役)
・広末涼子さん(1話だけ登場)
・香取慎吾さん(重要な役だけど、割と早く退場)
・国生さゆりさん(重要な役だけど、割と早く退場)
・柏原崇さん(悪役だけど割とすぐ警察に捕まっちゃう)
などなど、その後ブレイクした俳優陣が、放送当時はまだ若手で脇役として登場します。
今振り返ると、本当に豪華な顔ぶれで、お宝映像といった感じです。
若手を含めた俳優陣の演技がとても上手なので、表情などにリアリティーがあって、ゾクゾクする怖さがあるのです。
めちゃくちゃな展開でも、圧倒的な演技力でねじ伏せられて、納得させられてしまう感じがあります。
さらに、映像や演出もかなり凝っていて、芸術的です。
「この作品には相当な時間とお金、そして労力がかかっているんだろうな」
ということが伝わってきます。
ロケの規模や、細かな演出、役者さん一人ひとりの熱量まで、画面から伝わってくるものがあります。
もちろん、最近のドラマが悪いという話ではありません。
でも、あの時代ならではの、「とことん作り込む」という空気を感じました。
さやは最後まで、「えっ、まだ続くの?」「そんな展開になるの?」と驚きっぱなしでした。
1話がかなり長くて濃い印象です。
僕も意外なほど忘れていました
一方で、僕自身も放送当時に何度も見返していたはずなのに、細かい内容はかなり忘れていました。
「あれ?こんな展開だったっけ。」
「このシーン、全然覚えてなかった。」
「そうそう、このセリフだった。」
そんなことの連続です。
全部忘れていたわけではありません。
印象的な場面は覚えています。
でも、その場面にたどり着くまでの流れや細かな伏線は、頭の奥にしまわれていたようです。
だから、懐かしい気持ちと、新鮮な気持ちが同時にやってきました。
初めて観るようなワクワク感がありながら、「そうだった、そうだった」と昔の記憶が少しずつつながっていく感覚です。
そして、この感覚はどこかで経験したことがあるなと思いました。
それは、大人になってから中学英語を1年生レベルからから学び直した時の感覚です。
やり直し英語も、昔の知識との再会
僕は、29歳の時にゼロからもう一度文法を学び直しました。
中学1年生用の教科書を本屋さんで買ってきて開くと、
「これ、見たことある。」
「そういえば習った。」
とは思いました。
一度学んだ知識は、完全になくなっているわけではありません。
でも、けっこう見え方が違っていました。
もう一度同じ知識に触れることで、
「ああ、そういうことだったのか。」
「今なら分かる。」
という瞬間が何度も訪れたのです。
特に、中学校の教科書と同時に読み進めていた「イメージ英文法の本」がとても腑に落ちました。
イメージ英文法では、文法ルールの背景にある、
「なぜこんなルールが生まれたのか?」
「なぜこんな言い回しをするのか?」
といったところを、文化の違いから読み解いていく手法です。
これが、大人になった僕にはとても深く響きました。
大人だからこそ見える景色があります。
実際、僕の講座でも必ずイメージ英文法を使った解説をしています。
受講生の方々からは、
「学生時代は丸暗記していただけだった文法が、初めて腑に落ちました!」
という感想をいただくことがあります。
英語そのものが変わったわけではありません。
変わったのは、自分の理解です。
学生の頃は、テストで点数を取ることが目的でした。
だから、「そういうものだから覚える」としか思えなかった内容もたくさんあります。
でも、大人になってから学び直すと、「なるほど、こういう理由だったのか」と意味まで理解できるようになります。
これは、大人になったからこそ得られる楽しさです。
新しい知識を積み上げるだけではありません。
昔の自分が理解できなかったことを、今の自分が理解できるようになる喜びがあります。
僕にとって今回改めて見たドラマ『沙粧妙子』は、まさにそんな作品でした。
昔も面白いと思っていました。
でも、今観たからこそ気づけた魅力がたくさんありました。
英語も同じです。
「昔、一度勉強したからもういい。」
ではなく、
「昔、一度勉強したからこそ、今ならもっと面白く感じられる。」
そんな世界があります。
大人の英語学習は、ゼロからのスタートではありません。
昔習った英語との再会です。
そして、その再会の先には、昔の自分には見えなかった景色が待っています。
だから僕は、大人になってからの英語学習は、とても面白いと思っています。
中学英語から学び直すことは、決して後退ではありません。
むしろ大人にしか味わえない、知的好奇心への旅の始まりだと思っています。
P.S.
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