from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、英語のリスニングをした時に内容を理解するまでのステップを解説しました。
リスニングしている内容を理解するまでには、6つもステップがあります。
そして多くの日本人は、最初の方のステップ「音声を知覚する」の部分でつまずいてしまうのです。
さらに、リスニングを難しくしている要素があります。
それは、リスニング内容は「自分でコントロールできない部分が多すぎる」ということです。
・相手の発音に訛りがあるかどうか?
・相手の滑舌が良いかどうか?
・相手の話すスピードが速すぎないか?
・相手がどんな英単語を選んで話してくるか?
・相手がどんな文法を使って話してくるか?
・相手が途中で言い間違えずに、しっかり話すかどうか?
・相手がどんな話題で話してくるか?
これらの要素によって、こちらのリスニング理解度が大きく変わってきます。
つまり、リスニングは「相手に依存する要素が最も大きい」スキルなのです。
なんとかコントロールできるとしたら、
・自分が得意な話題に引き込む。
・もっとゆっくり話すようにお願いする。
・もっとハッキリ発音するようにお願いする。
・もっとカンタンな英単語で話すようにお願いする。
・何度も聞き返す。
といったことができます。
でも、それでもやはり、相手依存であることに変わりはありません。
こちらのお願いを聞き入れてくれるかどうかは、相手次第だからです。
それに、イギリス訛りの発音をするイギリス人に、「聞き取れないから、アメリカ発音で話してください。」なんて言っても、対応できないでしょう。(たまにできる人もいますが)
話すスピードが速い人も同じです。
何度言っても、話すスピードが落ちない先生もいます。
日本人で例えたら、明石家さんまさんに「もっとゆっくりしゃべって」と言うようなものかもしれませんね。
話し方のスタイルというのは、その人の特徴でもあるので、こちらからお願いしたところで、消すことは難しいでしょう。
オンライン英会話で感じる、リスニングの難しさ
リスニングが相手依存のスキルだということは、オンライン英会話レッスンで毎日違う先生と話していると実感できます。
まったく同じトピックで話していても、違う人と話せば、リスニング理解度も変わります。
そして、そのリアクションの英語セリフを聞いた時の、こちらのリスニング理解度も違ってくるのです。
僕は、今ではだいぶ慣れてきて、聞き取れない部分があったら多少強引にでも相手を止めて、「今、何て言ったの?」と確認するようにしています。
それでも、何度言い直してもらっても分からないことがあるのです。
そういう時には、「自分のリスニング力が足りない」とヘコむのではなく、「相手の話し方が自分に合わないだけだ」と納得するようにしています。
その先生のレッスンは次から予約しなければいいだけです。
英会話レッスンはこちらに選択権があるので、こういう自由があります。
でも、相手が一緒に働く同僚の場合には、そうはいきません。
僕はオーストラリア人男性の同僚のM先生と1年間一緒に働いた経験があります。
M先生は、かなりオーストラリア訛りが強く、自分でもそれをウリにして笑いを取るようなキャラでした。
だから当然、訛りを抑えてしゃべってはくれません。
レッスンでも、生徒さんたちに「リアルなオーストラリア発音を教える!」と意気込んでいました。
「日本ではアメリカ発音の方が通じやすいって聞くけど、どんなにガンバっても、俺にはアメリ発音はできないなぁ~ハハハッ!だったら、俺にできることはオーストラリア発音を教えることでしょ」
と言っていました。
というわけで、僕はランチタイムにM先生と一緒にご飯を食べに行くと、バリバリのオーストラリア発音をリスニングし続けなければなりませんでした。
僕らの会話は、おそらく半分以上はお互いに通じていませんでした。
さらに言うと、M先生は「会話の最中に話題がコロコロ移り変わる」という特徴がありました。
今話しているトピックに飽きると、すぐに話題を変えてくるのです。
しかもそれが唐突なので、僕も心の準備ができていません。
「さっきまで車の話をしていたのに、なぜ今、祭りの話になるの?関連性なくない?」
と突っ込みたくなるほど、違うトピックに切り替えてくるのです。
すると、脳が準備できていないので、リスニング理解度は落ちます。
僕も途中から諦めて、自分の話したいトピックで強引に話すようにしていました。
僕とM先生は、お互いにリスニング理解度50%以下のまま、2人で言いたいことを言い合うという、かみ合わない会話を続けました。
それでも半年ぐらい経つとだんだん慣れてきて、リスニング理解度が上がってくるのを感じました。
会話がかみ合うようになってきたのです。
僕は、「何事も慣れだな」と思いました。
1年経ってM先生がオーストラリアに帰る頃には、僕らの間には絆ができていました。
僕とM先生は、別れ際に笑顔で僕をガッチリとハグしました。
この体験から言えることは、毎日顔を合わせる同僚の話す英語でさえも、リスニングできるようになるまでに半年もかかった、ということです。
リスニングできなくても、気にしない
ということで、リスニングは相手依存度が高いスキルだからこそ、難易度が高いという特徴があります。
それが分かっていれば、聞き取れなかった時に必要以上にヘコむ必要はなくなります。
僕も今では、初対面の外国人の話す英語が聞き取れなかった時には、「相性が悪かっただけ」と諦めて気にしないようにしています。
次回は、スピーキングについてお伝えします。
・・・つづく。
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