【3年ぶりの服の買い物体験③カリスマ販売員】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

マジックショーで着るための衣装として、「ベロア素材のテーラードジャケット」を探しにショッピングに行った僕とサヤは、絶望感に打ちひしがれていました。

マルイのメンズ専門ビルの1~4階までのフロアの全店を探しても、ベロア素材のテーラードが一着も売っていなかったのです。

素材としても定番だし、アイテムも定番の形なので、まさか「1つも売ってない」という展開は想像していませんでした。

そんな僕らの前に、救世主が現れました。

それは、僕ら3年前に私服一式を揃えた「ニコルクラブ・フォーメン」というブランドのお店の店長、Kさんです。

他のお店とは違う対応

実は、ここで3年前に買い物をした時に僕らに接客してくれたのも、Kさんでした。

当時は、どんな服を買うかまったく頭の中に浮かんでいなかった状態で、ただ「良い服があれば買う」ぐらいに思っていました。

僕が服を買う基準は、

「サヤの口から、似合っている、カッコいい、というセリフが出てきたら買う」

というシンプルなものでした。

でも、当時どのブランドのお店の服を試着しても、どれもサヤの反応はイマイチでした。

(もう諦めてマルイ以外の百貨店にでも行こうかな~、でも面倒臭いな~、もう今シーズンは服を買うのはやめようかな~)

と思っていた矢先に、Kさんのお店に入ったのです。

パッと見は、他のお店と同じようなアイテムが置いてあるように見えました。

でも、このお店が他と違っているポイントがありました。

それは、「自由に見させてもらえた」ことです。

最初の5分ぐらいは、Kさんは僕らを放っておいてくれたのです。

これがいかにスゴいことか、マルイで買い物をした経験がある人なら、分かると思います。

ソッコーで声をかける店員さんたち

マルイの店員さんの95%以上は、お店に足を踏み入れて5秒以内に

「よかったらご試着できますので・・・」

と声をかけてきます。

この傾向は、メンズもレディースも同じです。

おそらく、そうするように教育されているんだと思います。

正直、これは僕がマルイで買い物する中で一番、違和感を感じる部分です。

販売心理学の流れを、完全に無視しているからです。

人がモノを買うときの心の動き

人間がモノを買うときには、こんな流れで気持ちが動きます。

①Attention (商品の存在に気付く)

②Interest (商品に興味を持つ)

③Desire (これ欲しいな~と思う)

④Action(行動する=買う)

という流れで、心が動きます。

この頭文字を取って「AIDA(アイーダ)の法則」と呼ばれます。

販売員が必要なタイミングは、②Interest から ③Desire に移る時です。

(ちょっと気になるなぁ~、でも高いなぁ~)

とお客さんが思っている時に、商品知識のある店員さんが声をかけることで、一気に欲しくなります。

たとえば、お客さんが同じジャケットに触りながら30秒以上じーっと眺めているのを確認したタイミングで、こんな風に声をかけます。

↓↓↓

「このジャケットは、今年一番の売れ筋なんです。

布地の間に○○の素材が入っていて、体温を逃がさない仕組みになっているんで、真冬でもこの1着で温かく着れます。

さらに表面には丈夫な○○の素材を使っているので、1度買えば、今後5年は着れますよ。

デザインで言うと、エリの形がスタイリッシュに見えるように、絶妙な角度になっています。

それでいながら全体の主張は強くないので、あまりトレンドに左右されずに長く着れるように作られています。

良かったら、着てみますか?」

なんて言われたら、男性客はイチコロです。

男性は本能レベルで、モノの素材や機能性、耐久性などに興味を持つようにプログラミングされています。

そのため、服でも「機能のウンチク」を語られるとコロッと心が動いてしまいます。

また、男性は女性に比べて服を新調する頻度が低いので、「1度買えば、長く着れる」という言葉に弱いです。

そして、こういう話を聞いた後に試着すると、

「確かに軽くてあったかい!今持っているジャケットとは違う!これいいかも?!」

と感じます。

この瞬間、気持ちが「気になる→欲しい!」に変化するのです。

この一押しをするのが、販売員の仕事です。

決して押し売りはしないけど、必要なタイミングで「買う理由」を熱く語る。

これが、できれば、お客さんは買った後にも、ずっと満足感が続きます。
と言うのはカンタンですが、実行するのは難しいです。

タイミングが命

お客さんに声をかけるタイミングを見誤ると、ただの「ウザイ店員」になってしまいます。

まだ興味すら引かれていない商品のウンチクをいきなり語られても、聞く気になれないからです。

AIDAの法則に沿った声かけのタイミングをしないと、お客さんもイヤがるし、イヤがられた店員さんも心が痛みます。

双方にとってデメリットなのです。

僕はマルイでの買い物歴は20年ぐらいありますが、このAIDAの法則のタイミングで声をかけてくれた店員さんは、Kさんが初めてでした。

さらに、僕が2~3着ぐらい試着する間の時間で、体型&サヤの好みを瞬時に見極めました。

その後は、「僕の身体にフィットしつつ、サヤがカッコいいと感じる色やデザインの服」だけを選んで持ってきてくれました。

その結果、僕とサヤは心が動かされて、結局Kさんのお店で上下一式を揃えたのです。

ゴッド・アドバイザー

その時に渡されたKさんの名刺には、「ゴッド・アドバイザー」の肩書きが印刷されていました。

半分ネタでやっているみたいでしたが、僕は確かにKさんはゴッド・アドバイザーの称号にふさわしいと思いました。

ただ、今回の買い物では、さすがのゴッドKさんの力でも、ムリなのでは?と思っていました。

そもそも僕が探しているアイテムは素材も形も完全に決まっていて、それがないと買うことはできないからです。

いくらゴッドといえど、作られていないアイテムを僕らの目の前に出すことはできません。

ところが、僕らはまだ、ゴッドKさんの底力を見誤っていました。

Kさんは、僕らの想像を超える形で、僕らが満足する解決策を出してきたのです。

 

・・・つづく

 
 
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