from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」というタイトルの本のレビューの続きです。
これまで、日本と西洋の国の雑談の違いについてお伝えしてきました。
本の中にはたくさんの違いが書かれていますが、その中でも特に僕が「わかる!わかる!」と感じたものを選んでトップ5を紹介しました。
もう一度まとめると、
①日本の雑談は「雰囲気作り」重視で、西洋の雑談は「成果を出すこと」を重視する。
②日本の雑談(特に上司と部下)は、「相手のプライベートに突っ込んで聞く傾向」があり、西洋の雑談は「仕事の目的に合ったことを聞く傾向」がある。
③日本の雑談では、「自分のことを話すのは、はしたない」と思われるのに対して、西洋の雑談は「自己開示することで信頼関係を築く」という考え方がある。
④日本の雑談は「相手との心理的な距離を縮める」のが目的で、西洋の雑談は「知識や情報の交換」が目的になっている。
⑤日本の雑談は「空気を読む」ことを重視するのに対して、西洋の雑談は「言葉で伝え合う」ことを重視する。
ということでした。
どちらが良い悪いはないと思いますが、文化の違いが色濃く反映されるのが雑談の特徴だと思います。
こういった、雑談に対するとらえ方の違いが、最後の6つ目の違いに影響してきます。
西洋の雑談は台本あり
西洋では、雑談のための台本を事前に作って覚えることがよくあるそうです。
もちろん、これは「一流のビジネスパーソンが仕事で雑談する時」という前提があります。
①誰が相手でも使える、テッパントークの台本
②個別にカスタマイズした、特別な相手専用の台本
というように、使い分けるそうです。
特に②に関しては、すでにアポを取ってある相手に対しては、誰と話すか事前に分かっているので、徹底的に相手のことを下調べしておくそうです。
そして、「どんな言葉をかけたら、相手の心に刺さるか?」を予測して、それを台本の中に組み込みます。
もちろん、その言葉が本当に刺さるかどうかは、やってみるまで分かりません。
でも、少なくとも何も準備しないより確率は上がるし、相手には「私のことを事前にしっかり調べてあるんだな」ということが伝わります。
その結果、相手は自分が大事にされていると感じて、気分が良くなるのです。
日本の雑談はアドリブ
一方で、日本には「雑談のための台本を用意する」という発想自体がない気がします。
営業マンのトーク台本はあると思いますが、営業とは関係ない仕事をしている人が雑談用のトーク台本を作る、というケースは、ほとんどないような気がします。
少なくとも、僕の周りで雑談用の台本を用意して暗記している日本人には会ったことがありません。
そのため、著者のピョートルさんは日本企業の取引先の相手と話した時に違和感を感じたそうです。
ピョートルさんの出身国はポーランドですが、日本人の相手から、
「ポーランドの言語は、英語ですか?それともポーランド語があるんですか?」
といった質問をされて、驚いたそうです。
(そんなの、Googleで事前に調べておけば分かるでしょ?そもそも、それすら調べずに私と会おうとしていたのか!)
と、感じたそうです。
(たぶん文脈から、立場的にはピョートルさんが上で、相手が下だと思われます)
これはまさに、文化の違いが分かりやすく出た例だと思います。
日本の雑談の目的は、情報交換ではありません。
あくまで雰囲気作りです。
だから、相手の情報をガッツリ下調べして、その情報を元に意見交換するという発想自体がないのです。
それよりも、相手が一番答えやすい質問(ここでは相手の国の母国語)について聞くことで、雰囲気を作ろうとしたのでしょう。
ところが、ピョートルさんとの会話では、それが裏目に出てしまったわけです。
日本だったら、こういった「地元ネタ」を質問して、相手にカンタンに答えてもらいやすくする方法はよくあります。
でも、西洋人との雑談(特に一流のビジネスパーソン)を相手にする時には、この方式は逆効果になってしまうことが分かります。
とはいえ、僕たちがそんなビジネス界の一流西洋人と話す機会は少ないと思うので、そこまで気にする必要はない気がします。
僕の考えでは、「とりあえず、テッパンの雑談ネタ台本の英語版」を用意して、その流れで話すのは良いアイデアだと思います。
実は僕はこの話を聞いた時に、自分が婚活パーティーに参加していた頃を思い出しました。
・・・つづく。
今回紹介した「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」の本はこちらの画像をクリック↓↓↓
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