from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」というタイトルの本のレビューの続きです。
前回の記事では、「日本の雑談はアドリブで行われ、西洋の雑談は台本を用意して行われる」という文化的な違いをお伝えしました。
(もちろん、「一流のビジネスパーソン」という限定があるので、西洋でも台本を作らないケースは多いとは思いますが)
僕はこの「台本の話」を聞いた時に、自分が30代の頃に毎週末行っていた、「婚活パーティー」での体験談を思い出しました。
日本の婚活パーティーでは、2時間の制限時間内に、20~30人の女性と話すことになります。
1人あたりの持ち時間は、2~3分程度です。
何の戦略もなしに話していると、ただの世間話になってしまいます。
まさに、この本に書いてあるような「無難な天気の話」などの雑談で、3分間があっという間に過ぎてしまうのです。
その結果、みんな同じような会話内容になってしまい、相手に自分を印象付けるのが難しくなります。
僕は自分が「1回休み」の席に移動した時には、できるだけ両隣の男女がどんな会話を繰り広げているのか聞き耳を立ててリサーチしていました。
すると、みんなプロフィールカードに書いた情報を順番に読み上げながら、
「あ、お仕事は○○をされているんですね。」
「趣味は○○なんですね。」
といったように、確認作業で終わっていました。
良くも悪くも、「空気を読み合う雑談」になっていたのです。
ジャブ打ちだけで終わる試合
でも、雑談は本題に入る前の「ジャブ打ち」のようなものです。
本題ありきの長い会話なら良いのですが、婚活パーティーでは3分間の雑談タイムで第一印象の全てが決まります。
お互いジャブだけ打っているうちに、カーン!と試合終了のゴングが鳴ってしまうのです。
かといって、出会って3分以内にいきなり右ストレートを打っても当たりません。
「あなたのことが気に入りました!今日は僕とカップリングされてください!」
なんてお願いしても、相手の女性はドン引きしてしまいます。
男女の脳の違い
男性は、会話相手の女性が好みかどうかを「見た目メイン」で判断する傾向があります。
そのため、話の内容は同じでも、自分の好みの女性を選ぶことができます。これは、脳の作りがそうなっているからです。
一方、女性は男性の外観だけではなく、年収や学歴などのスペックと、コミュニケーション力もジャッジしています。
色んな要素を総合的に見ながら、
「もう一度話してみたい相手か?」
を無意識にジャッジする傾向があるのです。
でも、話した男性全員が同じ会話内容だった場合、相手の女性にとっての男性ジャッジ規準は、「学歴や年収」といった表面的なスペックに頼らざるを得なくなります。
そなると、高卒の僕は超不利でした。
スペックにおいては、参加している男性陣の中でもダントツで最下位だろう!という自信がありました。
そこで僕は、3分間トーク台本を練ることにしました。
いかに3分間で相手に顔を覚えてもらえるか?を重視したトークを考え抜いたのです。
できるだけ、他の男性が言わないことを言い、かといって、相手に失礼にならないようにする、という絶妙なラインを攻める台本を練り上げました。
考えたセリフを、実際にパーティーで女性たち相手に繰り出してみて、反応を見ます。
大手の業者が主催する婚活パーティーでは、「中間印象チェックカード」というものがあり、3分間トークの成績が一覧で分かるようになっています。
最初はこのようにジャッジされるのがイヤでしたが、慣れてくるとデータ収集にすごく役立つことが分かりました。
女性たちは男性に比べて、表面的な表情を取り繕うのが上手です。
一見、ニコニコしていて「これは手応えアリだ!」と感じても、後から中間印象チェックカードを見ると、「あれ??マルがもらえてない!」と落胆することがあります。
でも、その客観的なデータが、結果のすべてを物語っているのです。
だから僕は、中間印象チェックの結果が上がるように、トーク台本の改善を繰り返していきました。
台本のパワー
その結果、その台本のおかげで、僕は女性から中間印象チェックがもらえる確率が格段にアップしました。
トータル半年以上かかりましたが、最初はチェックをもらえる率が30人中1人だけ(しかもその1人はまったく自分のタイプではない女性)だった状態から、ジワジワ上がっていき、最終的には80~90%ぐらいの女性たちからマルがもらえるようになりました。
好印象を与えられる母数がアップした結果、自分が選んだ女性とカップリングされる率も大幅に上がりました。
自分の年収や学歴などのスペックはまったく変わらない状態で、雑談の台本を練っただけで、これだけ変わったのです。
周りの男性たちが台本を作っていない日本の婚活パーティーだからこそ、台本を作っただけで大きく抜きんでることができたのです。
ということは、日常の会話でも雑談用の台本を作っておくことは、メリットが大きくデメリットはほとんどない気がします。
・・・つづく。
今回紹介した「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」の本はこちらの画像をクリック↓↓↓
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