from 師範代Shinya
(→前回の続き)
僕は本の教えに沿って、子どもが「ぜんぜん可愛くない時」に、あえて「かわいいね」と言うという戦略を試してみました。
僕は、娘が泣きながら自分に投げつけてきたパジャマをそっと横に置き、怒りで引きつった顔からムリヤリ笑顔を作りました。
そして、鬼のように泣き叫んでいる最中の「ぜんぜんかわいくない娘」に向かって、
「かわいいねぇ~!」
と言ってみました。
すると・・・驚きの反応が返ってきたのです!!
なんと、泣きながら、娘は両手を広げて僕に抱っこされに来ました。
ちなみに娘は、以前の記事でご紹介したチャップマン博士の「愛の言語」のうち、タッチではありません。
おそらく、他の同年代の子どもに比べて「抱っこされたがり率」は低めです。
また、僕がふだん頭をなでたり、ホッペタを触ったり、ホッペタ同士をスリスリすると、たいていは逃げていきます。
娘が自分から抱っこしてくれと言ってくる時は、毎回「機嫌が良い時」です。
だから、今回は娘がこのカオス状態で自分から抱っこされに来たのは、とても意外でした。
僕は娘を抱っこしながらそのまま続けて、
「かわいいね~。」
を連発してみました。
すると、不思議なことが起こりました。
僕の心が落ち着いてきたのです!!
娘をなだめているつもりが、自分の言葉で自分がなだめられているような気分になってきました。
「かわいい」という言葉の魔法
さっきまでは、
「なんでこんな事をするんだ!ひどい子だ!」
というイライラと怒りで自分の中がいっぱいだったのに、その極限状態で、
「かわいいね~」
を連発することにより、自分の中の怒りの炎が静まってきました。
同時に、「かわいいね~」という言葉は、怒りながら言えないことが分かりました。
怒鳴り声で「かわいいね~」はとても言いづらいです。
たとえ顔はひきつっていても、声だけは落ち着いてきます。
その結果、心も引きずられて落ち着いてきました。
まるで自己暗示のようで、とても不思議な気分を味わいました。
自分の感情が子どもに伝わる
僕の気持ちが落ち着くにつれて、泣いていた娘もだんだん落ち着いてきました。
どうやら、自分の感情は子どもにも伝わるようです。
自分が冷静になるにつれて、僕はさっきの娘の「ムカつく行動」の中にある無邪気さや可愛さが見えるようになってきました。
僕の中に、こんな考えが浮かんできました。
↓↓↓
娘が僕にパジャマを投げつけてきたのは、別に僕を傷つけようという意図があったわけじゃない。
わざと意地悪しているわけではなく、思い通りにならない葛藤をどう処理していいかわらないから、爆発してしまったんだろう。
まだ生まれて2年しか経っていないんだから、娘は自分の心のコントロールの仕方が分からないのは当然だ。
必死で泣きじゃくっているこの顔も、よく見たら感情丸出しで可愛いじゃないか。
娘が成長して小学校高学年ぐらいになる頃には、もうこういう表情も見れなくなるだろう。
嘘をついたり隠したりせず、自分の感情をありのまま見せてくるなんて、可愛いじゃないか!
そんな風に思い始めました。
しばらく経つと、僕は完全に心の底から怒りが消えていました。
同時に娘も落ち着くと、涙で濡れてぐしゃぐしゃになった顔をこっちに向けて、可愛らしい声で「パパ!」と笑顔で呼びかけてきました。
「なんだ!本当に可愛いじゃないか!」
と、僕は驚きました。
子どもが最も可愛くないタイミングで、「かわいいね」と言う。
これは自分にとってはとんでもない苦行ですが、やると本当に魔法のような効果があることが分かりました。
「信じるな、疑うな、確かめろ」
この言葉を、僕は改めて噛みしめていました。
「やってみるもんだ!」
僕はこの時、娘を抱きしめながら、自分が英会話スクール講師に転職した時に一緒に働いた、アメリカ人男性の同僚との体験を思い出しました。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
娘さんと先生とのやりとりが、目に見えるようです。思わず泣き笑いしてしまいました。
先生の「信じるな、疑うな、確かめろ」精神の実行力は本当に素晴らしく、尊敬します。
あと、娘さんのナデナデやホッペ同士をくっ付けてのスリスリが嫌いな気持ち、とてもよく分かります。私は3人目でようやく産まれた女の子でしたので、父親にとても可愛いがられて、いわゆるお父さん子だったのですが、
みんなが集まってお酒が入ると『京子、お父さんのここ(ホッペ)にチューしてくれ!』と言われるのが、物凄く嫌でした。今考えるとセクハラ&パワハラだったと思います。結構、トラウマになってます。
先生も可愛いお嬢様たちへの・・・はお気をつけください。
Kyokoさん、ありがとうございます!
なんと!Kyokoさんも僕の娘と同じような経験をされていたんですね。
そうですか!そんなに小さい頃の思い出が、今でもハッキリ覚えている程のトラウマになっているとは・・・
きっとお父さんの愛の言語は、僕と同じようにタッチだったんでしょうね。
僕も娘に同じ思いをさせてしまうところでした。気をつけます!