From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、「ネイティブ英語3つのカベ」として、
①構文のカベ
②ボキャブラリーのカベ
③発音のカベ
のうち、①と②をお伝えしました。
今回は、③の発音のカベをお伝えします。
発音のカベ
ネイティブ発音には、大きく6種類に分けられます。
聞き取りの難易度順に並べると、こんな感じです。
↓↓↓
①初心者向けのゆっくりナレーション
②初心者向けのゆっくりアドリブ
③中上級者向けのノーマルナレーション
④中上級者向けのノーマルアドリブ
⑤ネイティブ向けの早口&いい加減ナレーション
⑥ネイティブ向けの早口&いい加減アドリブ
まずは、サラッと各レベルの解説をします。
①「初心者向けのゆっくりナレーション」
これは、初心者向けの英語教材などについている、プロのナレーターのネイティブが吹き込んだCDの音声です。
ナレーターや朗読のプロなので、ネイティブの中でも特に滑舌の良い人たちばかりです。この①が最もリスニングしやすい発音です。
もしあなたが「速読速聴英単語Basic2400」のテキストをお持ちなら、前半のパート1の読み上げ速度が、この①になります。
②「初心者向けのゆっくりアドリブ」
これは、英会話スクールのネイティブ講師が、初心者クラスの生徒たちを相手に話す英語です。
できるだけシンプルな構文を使いながら、一語一句ていねいに発音します。
プロのナレーターほど滑舌が良くない人は多くないですが、それでもだいぶ聞き取りやすいです。
③中上級者向けのノーマルナレーション
これは、TOEICや英検(2級以上)などの語学試験の音声CDの読み上げ音声です。
よく「TOEICテストのリスニングはナチュラルスピードの発音」と呼ばれることが多いですが、本当の意味でのナチュラルスピードの発音は、⑤以降になります。
実は③でもまだ、ネイティブは少し手加減しています。しかも、相手はプロのナレーターです。
ふつうのネイティブに比べたら滑舌は良いですし、言い間違えもほとんどしません。(台本にあえて言いよどむパートがありますが、聞き取りに大きな影響を与えるほどではありません)
とはいえ、最近のTOEICではあえて滑舌の悪いナレーターや、発音の「なまり」の強いナレーターを使っているような気もします。(アメリカ発音とオーストラリア発音は「なまり」がだいぶ違います)
できるだけリアルに近づけようとしているのが分かりますが、「英語力を測るテストでリアリティーをどこまで再現するべきなのか?」は、むずかしいところです。
リアリティーを求め過ぎると、発音だけではなく、後ろがガヤガヤしている聞き取りづらい場所で録音した音声を流したりするようになるかもしれません。
また、バーサント(オンラインスピーキングテスト)のように、わざと「ひと昔前の携帯電話の通話」のような、モゴモゴこもった音声で流すという、極端な方向に行ってしまうかも知れません。
④中上級者向けのノーマルアドリブ
中上級者がネイティブと会話をすると、相手はだいたいこのレベル④の発音で話してきます。
特にスピードを落とさずに、発音も意識してハッキリ発音せずに、力を抜いて話す感じです。
相手はプロのナレーターではないので、滑舌の良くない人もいます。
アドリブの会話なので、相手のネイティブは途中で言い間違えたり、言い直したりしますが、文脈から何を言いたいのかが分かります。
TOEIC900点を超えて、英検1級を取ったあたりの上級者は、このレベル④の英会話ができるようになります。相手のネイティブからは、
「まったく手加減なしで話しても会話できるから、シンヤはネイティブレベルだね。」
なんて褒められたりします。
ただ、このレベルではまだ、ネイティブ同士の会話の中に放り込まれるとお手上げになることが多いです。
初見の映画のセリフを字幕なしですべて聞き取るのも厳しいです。
そして気付きます。「あ、やっぱり相手のネイティブは手加減してくれていたんだな・・・」と。
そうです。相手のネイティブは無意識に「外国人相手」という前提で話していたのです。(そのことに本人自身が気付いていないこともあります)
1対1なら問題なくできていたコミュニケーションも、会話にネイティブがもう1人加わった瞬間に、とたんについていけなくなったりします。
この辺りから、「ネイティブ英語のカベ」を感じることが多いです。
次回はいよいよ、「ネイティブ英語のカベ」の正体、レベル⑤と⑥の発音を詳しくお伝えします。
・・・つづく。
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