from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※「英単語の語源図鑑」の著者の清水建二先生(シミケン先生)とお話させていただいた時の体験談の続きです。
大きな成功をした後にも、それまでのペースを保つのは大変です。
次回も、今回以上の成果を出さなければ!という心理的なプレッシャーが生まれるからです。
英語学習でも、TOEICで自己ベストの高得点が出ると、嬉しい反面、次回への挑戦がしづらくなるということがあります。
たとえば、最初は「今回は600点ぐらい取れればいかな?」ぐらいに思って受けたら、まさかの705点取れた!という場合。
それまで低めだった自分の中の基準が、一気に705点という実際の数字に固定されてしまいます。
そして、次回受けようかなと思っても、こんな心の声が聞こえてくることがあるのです。
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「あれからも一生懸命勉強したんだから、次回は700点台後半取らないと!」
「とはいえ、今回は奇跡が起きただけで、また元に戻るのでは?」
「今回だって700点ギリギリ超えたぐらいだったから、次回で600点台になったらどうしよう?」
こういう声が一番やっかいです。
自分で自分にかけたプレッシャーで、動けなくなることが多いからです。
そして、それまでコンスタントに受けていたTOEICから、しばらく遠ざかることになります。
試験から遠ざかれば、当然、本番のテスト感覚が鈍ります。
その結果、次回の挑戦で点数が低くなる確率が上がってしまうのです。
これと同じ心境が、ミリオンセラーを出した作家にも起こるのでは?と僕は思いました。
ミリオンセラーを出した後にも本を作り続けるコツ
でも、英単語の語源図鑑でミリオンセラーを記録したシミケン先生は、その後も変わらず、毎月のように新しい本をずっと出し続けています。
今でも、そのペースは変わりません。
これまでに出版した本は、100冊を超えるそうです。
僕は、シミケン先生がどうやってその心理的なプレッシャーを乗り越えたのか?聞いてみました。
すると、驚くほどあっさりした答えが返ってきたのです。
「僕は、こだわりがないんですよね。この本で日本の英語学習界の常識を変えてやろう!とか、日本中の英語学習者の助けになってやろう!とか、そういう熱さというか、こだわりがないんです。
原稿は自分ですべて書いて持ち込むけど、採用された後は、出版社にお任せです。タイトルも、出版社が決めた候補の中から選ぶだけだし。
そりゃもちろん、毎回出す本が売れて欲しいとは思うけど、まあ、こだわっても結果はコンロトールできないですからね。」
と。
僕はこれを聞いて、すごく腑に落ちました。
この姿勢こそが、コンスタントに本を出し続ける秘訣なんだと。
そして、シミケン先生の本が読みやすく、内容がスーッと頭に入ってくる理由が分かりました。
こだわりが強すぎると逆効果になることも
著者のこだわりが強すぎる本には、「読んだ人が圧を感じる」ことがあります。
軽い気持ちで読むと、「うっ!」と引いてしまうような熱い本も、僕がこれまで読んできた本の中にはありました。
僕はそういう本は嫌いではないのですが、一般ウケする確率は低くなるでしょう。
著者と同じマインドを持つ熱心な読者には響くと思いますが、それは多数派ではありません。
「たくさん売れる本」というのは、「たくさんの人達に響く本」ということです。
特にミリオンセラーともなれば、英語学習にそれほど熱意ない人も手に取る確率が高くなります。
英単語の語源図鑑の本は、まだ英語学習を始めていない人の興味も引くぐらい、軽いタッチで書かれた本です。そこが良かったのでは?と今にして思います。
気合いと結果は反比例する?!
もちろん、シミケン先生も過去には「コレは売れるに違いない!」と期待して出した本もあったそうです。
でも、そういう時に限ってあまり売れなかったそうです。
逆に、そんなに自信がなかった時に出した本が、すごく売れたりしたそうです。
英単語の語源図鑑も、作っている時には、売れるかどうかなんて、まったく予想できなかったそうです。
僕もYouTube動画を毎週2本出していますが、本当にその通りだと共感しました。
気合いを入れて撮影して、時間と手間をかけて編集した動画が、出してみたら鳴かず飛ばず・・・
なんてことは、しょっちゅうあります。
逆に、脱力した状態で気楽に話して、編集もほとんど手間をかけずに出した動画が、いきなりスゴい再生されたことも、何度もあります。
最近は、「労力と再生回数は比例しない。むしろ反比例する」ことを念頭に、「それでもいいから、手間をかけて作りたい!」と思える場合のみ、撮影や編集にこだわって動画を作っています。
そしてこの考えは、英語学習の時にも役立つポイントがあると感じます。
・・・つづく。
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