From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
ついに電話が鳴りました!
僕は急いでスマホの画面をタップしました。
僕:「はい!もしもし!」
先生:「あ、旦那さんですか?」
僕:「はい!そうです!」
先生:「今、奥様の搬送先の病院が決まりました。救急車で走っている最中に決まったので、すぐに現地に着くと思います。」
僕:「そうですか!それは良かったです!」
とりあえず、受け入れ先病院を断られ続けてたらい回しにされることはなかったので、ホッとしました。
とはいえ、止血処置がうまくいくまでは安心できません。
今までいた病院も、かなり大きい部類に入るのです。正直、最初に今の病院を見たときには、
「これだけ大きな病院なら万が一何かあっても、大丈夫だね」
とサヤと話していました。それなのに、今回の事態では対処できずに、こうしてさらに大きな病院を探しているのです。
建物がデカい=安心
というわけでもないと気付きました。
先生:「それでは、今から病院名を言いますので、メモしていただけますでしょうか?」
僕:「はい、お願いします!」
先生:「○○国際病院です。」
僕:「○○国際病院ですね。わかりました。すぐに向かいます。」
病院名は、初めて聞く場所でした。ただ、国際病院と名がつく以上は、きっと巨大なところに違いない、と思いました。
タクシーアプリ
電話を切ると、僕はすぐにタクシーをスマホアプリで呼びました。
スマホアプリを使うと、平均で3分以内に迎えが来てくれます。
支払いもアプリで自動に引き落とされるので、現地に着いたら何もせずにすぐに降りることができます。
僕はサヤと結婚するために静岡から東京に出てきたので、土地勘がまったくありません。
行き先の病院がどの辺にあるのか?
何分ぐらいかかるか?
まったく分からないまま、タクシーに乗り込みました。
僕はメモを読み上げながら言いました。
僕:「○○国際病院までお願いします。」
病院名を聞いた瞬間、運転手さんの表情が変わるのが分かりました。
おそらく緊急事態の時にいつも使われる病院なのでしょう。さらに、僕の切羽詰まった表情からも事態を察したのかもしれません。
運転手さん:「はい、分かりました。今は混み合う時間なので、高速道路を使うと早く着きますが、どうしますか?」
僕:「はい!高速最短ルートでお願いします!」
運転手さん:「分かりました!」
当たりの運転手さん
運転手さんは見た感じおそらく30代後半ぐらいでした。
運転は荒くはありませんが、スピードを出せるところではしっかり出して、急いでくれているのが分かりました。
また、状況を察して僕に一切話しかけないでくれるのも助かりました。
運転手さんは、常に渋滞情報をチェックしながら、最短ルートで走っているように見えました。
首都高速に乗った後は、スピードを出せるところはしっかりアクセルを踏んで、スイスイと進んでいきました。
この素早い走りは、自分でレンタカーを借りて運転しても、とてもできません。
僕は、これは当たりの運転手さんだ!と思いました。
僕はタクシー内で深呼吸しながら、心を落ち着けていました。
とりあえず、遠くからやきもきしながら連絡を待つ必要がなくなったことは、良かったと思いました。
病室の中にまで入れるかどうかは分かりませんが、サヤのそばに行けるのはありがたいことです。
同じ建物内で待てるだけでも、ありがたいと思いました。
病院にかけつける人の気持ち
僕はこれまで、ドラマなどで主人公が死にかけて入院して手術するようなシーンで、恋人や家族がかけつけて病室の外で待つシーンを見て、
「家で待っていても、病院で待っていても、本人に面会はできないし、自分は何もできないことに変わりはないのに、なぜみんな病院にかけつけるんだろう?」
と不思議に思うことがありました。
でも今回、初めて自分が「大切なパートナーを失うかもしれない状況」になってみて、病院にかけつける人の気持ちが分かりました。
「自分には何もできない。祈ることしかできない。だからこそ、サヤのそばにいたい!サヤに会えるかどうかは関係ない。とにかく一番近くにいたい!」
という衝動に駆られました。
理屈ではなく、感情が僕を突き動かしている感じでした。
・・・つづく。
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