from 師範代Shinya
僕の娘が誕生日を迎える1月になってから、急に新しい日本語の文法を覚えました。
それは、「~は?」という表現です。
以前の記事で、「これは?」という単語を覚えた話しをお伝えしました。
その時の娘は、「これは?」で1つのかまたりの単語として処理しているように見えました。
でも、ついに最近、知っている単語に「~は?」を加えるスキルを身に付けたのです!
これまでは、すべての言葉が単語単位でした。
ママ、パパ、じーじ、ばーば、アンパンマン、などです。
それが最近、
「ママは?」「パパは?」
というような言い回しをするようになったのです。
つまり、「~は?」の部分が主語とは違う動詞部分であるということを認識し始めたのかもしれません。
もちろん、娘の中では単に「パパは?」とか「ママは?」を「新しい単語」として覚えているだけかもしれませんが、僕としてはけっこう衝撃的でした。
しかも、使うポイントが正しいのです。
サヤが出かけている最中に、僕に向かって「ママは?」と言ってきます。
これは英語で言えば、「Where is Mom?」です。
また別の場面では、サヤと娘が2人で出かける前に、僕が娘をベビーカーに乗せた後に、僕だけ家に戻ろうとした時、「パパは?」と言ってきます。
これは、目の前に僕がいる状態で聞いているので、先ほどの「Where is ~」の使い方ではありません。
「How about Dad?(パパはどうなの?)」
もしくは、
「Will Dad come with us?(パパも私たちと一緒に来るの?)」
みたいな意味合いがあります。
ちゃんと場面に応じて使い分けているのです。
ということはやはり、主語と「~は?」の部分は、娘の頭の中では切り分けて捉えているのかもしれません。
~は?の持つ広い意味
こうして見ると、日本語の「~は?」という表現は、かなり幅広い用途がありますね。
ママは? → Where is Mom?
パパは? → How about Dad?
この2つを同じ表現で言えてしまうとは。
しかもたった1つ「は?」だけで。
こんな便利な表現はありません。
他にも、「~は?」の表現の使いどころはまだあります。
今、ちょうどこうしてブログを書いている僕の目の前で、娘が「パパは?」と言いました。
それを聞いて、サヤが、「パパは今、お仕事中。」と言いました。
この状況では、
パパは?→ What is Dad doing?
です。
また別のシチュエーションでは、お店で服の買い物をしているときに、店員さんに向かって、
「すみません、これの黒は?」
と聞けば、
「Do you have one in black?(同じアイテムの黒バージョンはありますか?」
という意味になります。
~は?が持つ意味は、すごい幅広いですよね。
ダイレクトに訳せない
こうして見ると、英語と日本語は本当に何の共通点もない、離れた言語同士だと改めて感じます。
僕が英語初心者の頃はよく、「~は?」って英語で何て言うんだろう?とか、日本語で考えて訳そうとしていました。
でも、自分の英語力がある程度のレベルになった今は、日本語とはまったく違う回路で話している感じがします。
同じ状況を説明する時でも、視点がまったく違うからです。
「英語が話せるようになる」というのは、この視点のギャップを埋めることだと思っています。
じゃあ、どうやったらそのギャップを埋められるようになるのか?
それは、最終的には「場数」になります。
「この言い回しを英語でするには、こういう言い方をするのか!」という視点の変換を何度も繰り返していく打ちに、だんだん精度が上がってくるのです。
そして、場数を踏むためには、実戦英会話だけでは足りません。
やはり日頃から音読や瞬間英作文トレーニングでストックを増やすことでしか、達成できない道のりなのです。
英語には、日本語の「~は?」のような、幅広い範囲をカバーする表現はありません。
ダイレクトな言い回ししかないということは、逆に言えば第2言語としては習得しやすいのでは?と思います。
だから、英語は世界共通語になったのかもしれませんね。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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〜は? だけで日本語は沢山の意味を表せるんですね。私達は無意識で使っている。
凄いですね。
改めてこんな風に考えた事が無かったので、とても興味深かい話でした。
外国の方がこのニュアンスを掴むのは大変でしょうね。私には無理かもしれません。
それに比べると英語はあまり曖昧な表現はないのだから、逆に言えば、分かりやすい!って事でしょうか?
そうですね。日本語は1つの言葉に、本当に幅広い意味を持たせる言語だと感じます。
英語の「多義語」とは比べものにならない広さです。
この広い意味を外国人の日本語学習者が覚えるのは、本当に大変でしょうね。
英語は、慣れるとすごく分かりやすい仕組みで作られた言語だなぁ〜と感じます。