from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※最近読んだ本「結婚滅亡」というタイトルの、「英語学習者目線」でのレビューの続きです。
僕がオンライン英会話の先生と話していて気付いたことは、結婚相手や恋人を表現する英単語の、世代ごとの違いです。
・60代以上では、my wife や my husband など、性別をハッキリさせる英単語を使う傾向があります。
・40代~50代ぐらいでは、my spouse (配偶者)という、性別を意識させない英単語を使う傾向があります。
・10代~30代では、partner (私の相方)といった表現をよく使います。
これは、西洋社会の変化の現れだと思います。
40代~50代ぐらいでは、ちょうど今の日本と同じように「ジェンダーレス社会」が到来した時代に言葉を学んだ人たちだと思われます。
日本ではまだ、「結婚相手」を表す言葉で男女を区別しない口語表現はありません。spouse の直訳の「配偶者」は、日本語会話ではほとんど使われません。書き言葉専門という感じがします。
でも、英語では spouse は会話でもよく使われます。
そして今の10代~30代では、結婚しているかどうかも、あまり関係なくなってきているようです。
そのため、partner という英単語が好んで使われます。
彼氏&彼女、夫&妻、同性の恋人、すべてが partner の一言で表現できます。
my partner と言われると、性別はもちろん、結婚しているのかどうかは分かりません。
詳しく話していくうちに、関係性が見えてくる感じです。
そして、僕が10代~30代のアメリカ&イギリスの人たちと話していて感じることは、「もうみんな、結婚にこわだっていない」ということです。
・パートナーと結婚せずに長年一緒に暮らしている人
・パートナーと、その人との間にできた子供も一緒に暮らしているけど、結婚していない人
・両親も書類上は結婚しておらず、自分も今のパートナーとずっと一緒にいて子供も作る予定だけど、結婚する気はない人
など、色んな状態の人たちと話しました。
もちろん、若くても結婚している人もいますが、あまり多数派という印象はありません。
日本ではまだ「結婚せずに子供を持つ」ことは御法度な雰囲気があります。
芸能人がそういう選択をした場合、「子供がかわいそう」「学校でいじめの対象になる」といった声が上がることが多いです。
また、長年一緒に暮らしてるパートナーがいる場合は、親や周りの友達から「結婚しないの?」とか「そろそろけじめを付けないと!」など言われることがあるでしょう。
結婚=きちんとする
みたいな価値観が主流です。
一方で、西洋文化では価値観が多様です。
結婚にメリットを感じている人はすればいいし、メリットを感じない人はする必要はない。
結婚しているかどうかで差別しない。
という雰囲気があります。
特にアメリカでは離婚率は約50%なので、結婚しても半々の確率で別れることになります。
今結婚しています、というカップルでも、来年はどうなっているか分からないのです。
だからこそ、あまり相手に既婚かどうかを確認することは意味が無いのかもしれません。
僕の感覚では、今の西洋社会ではすでに結婚システムは崩壊しかかっている気がします。
いえ、崩壊というよりも、自由に選べる人生の選択肢の1つとしての位置づけになっているのかもしれません。
今のパートナーと残りの人生を一緒に過ごすことと、結婚することは別物として扱われているように感じます。
日本もいずれそうなる
「結婚滅亡」の本を読んでいると、日本は明治維新の頃から西洋文化を後追いし続けているのが分かります。
今の日本の結婚スタイルは明治民法ができた時に確率されたそうです。
そして明治民法は、西洋文化をお手本に作られています。
西洋文化の価値観が変化すると、10~20年遅れぐらいで日本にその波がやってきます。
日本も2040年には、国民の50%が未婚の人で占められる時代に突入することが分かっているそうです。
昭和の時代までは、なんと国民の85%が結婚していたそうなので、僕の親世代までは既婚者が多数派でした。
それが、2040年以降は50:50になります。
もはや既婚者は多数派ではなくなり、「結婚してこそ一人前」みたいな価値観はなくなっていくのでしょう。
「結婚滅亡」の本には、これまでの日本の婚姻率や、国民の結婚に対する意識調査のデータがたくさん載っています。
そのデータを見ているだけでも、いかにこの数十年で時代が変わっているかが分かります。
今、僕が毎日ネイティブの先生たちと話しながら肌で感じている「結婚に対する西洋の価値観」は、近い将来必ず日本にもやってくるでしょう。
ただし、1つだけ違うことがあります。
それは、日本の歴史と西洋の歴史の違いです。
日本は大昔から、結婚に対する価値観が西洋とは真逆だったのです。
僕はこの「結婚滅亡」の本で初めてそれを知り、衝撃を受けました。
言われてみれば、確かに!!
という感じです。
次回は、昔話から読み解く「日本と西洋の結婚文化の違い」について見ていきます。
・・・つづく。
「結婚滅亡」の本はこちら
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
こういう話題が出たときにいつも思のですが、
もし、パートナーが大事故に巻き込まれて意識不明の重体になったときに問題に直面しそうな気がします。
結婚していないと、
日本では個人情報の関係で、病院に運ばれたことすら確認できないということが考えられます。
また、パートナーの両親に嫌われている場合、その両親から面会を拒絶される可能性もあります。
さらに、遺書無しで死んでしまったときには財産がパートナーや子供に渡りません。
結婚できるけどしないという人は、上記の視点が欠けていると私は常々思っているのですが、、、
海外での制度の違いや考え方の違いが気になります
確かに日本だと、そういう問題がありますよね。
おそらく西洋では、制度や考え方が違う気がします。
僕がこれまでネイティブの人たちと話した範囲では、「親が子供にお金などの財産を残す」という概念が日本より薄いように感じました。
欧米は個人主義が強いので、自分の子供に対しても、「自立して稼ぐスキルやマインドを教え込むのが親の役割」という印象があります。
特に18才以上になったら、あれこれ口出ししない代わりに経済的な援助もしない、みたいな感じです。
僕の元同僚のアメリカ人のお父さんは、弁護士でした。
かなり裕福で大きな家に住み、ポルシェを乗り回していましたが、息子は大学の学費を自力で稼いでいました。
「自分も弁護士を目指しているけど、親からの金銭的援助は一切ない。」と言っていたのを覚えています。
パートナーに対してはどういうスタンスか分かりませんが、日本に比べると経済的にパートナーに頼らない風潮があるのは、言葉の端々に感じることがあります。
制度に関しては国によって違うかもしれませんが、今度機会があったら聞いてみて、何か分かったらブログ記事でシェアしますね。
返信ありがとうございます(^^)
しかし、私の文章が分かりづらかったようですみませんm(_ _)m
成人した子供に金銭的な財産を残す必要は私も無いと思います。
(私は日本人です)
でも、子供がまだ小さいうちに親が突然事故にあった場合などに結婚していないと問題があるのではないかと思ってコメントを書きました。
結婚しないで男性側が死んでしまったら、自分の子供だと証明するものがDNA鑑定をするくらいしか無いですから。
また、日本でも成人後、親からの金銭的援助は一切もらわない若者は昔に比べてかなり増えていると感じます。
なるほど!小さなお子さんがいる場合ですね。
確かに、気になりますね。
今度ネイティブの先生との会話トピックにしてみます。