from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※最近読んだ本「結婚滅亡」というタイトルの、「英語学習者目線」でのレビューの続きです。
この本には、西洋と日本の文化の違いが載っているのですが、その中でも僕が一番興味を引かれたのは、「昔話」でした。
英語圏の昔話と、日本の昔話は、両方とも恋愛や結婚がストーリーに登場するのですが、その価値観が真逆と言っていいぐらい違うのです。
まず、西洋の昔話にも日本の昔話にも共通する要素として、「人間ではない相手(動物やモンスター)と恋に落ちたり結婚する」というストーリーがあります。
美女と野獣、鶴の恩返しなどのストーリーを思い出すと、「人間と動物が結婚する」という点では同じです。
ちなみに、僕はこの本で初めて知ったのですが、「浦島太郎」も実は大元のストーリーはカメと乙姫は同一人物だそうです。
「浦島太郎が助けたカメが、乙姫の姿になって結婚する」というストーリーだったらしいのです。
こういった「人間+動物」という組み合わせの昔話は西洋と日本共に多いのですが、そのパターンがまったく真逆です。
すべてが真逆の日本と西洋
まず、西洋の昔話では、
「人間の王子(イケメン)や王女(美女)が、魔法や呪いで動物やモンスターに姿を変えられてしまう」
というパターンです。
その後、「動物の姿」で人間のパートナーに出会って恋に落ちます。
それから色々あった後、最終的には魔法が解けて人間の姿に戻り、2人は結婚して幸せに暮らしましたとさ(They lived happily ever after.)
という流れです。
また、西洋の昔話では「男性から女性にプロポーズする」という形が取られています。
そして、「結婚」がストーリーの最後に来るのです。
まとめると、
・人間が動物の姿になる
・男性から女性にプロポーズする
・ストーリーが結婚するシーンで終わる
という流れです。
対して、日本の昔話はどうでしょうか?
鶴の恩返しを思い返してみましょう。
ある日、貧乏な男が鶴を助けます。
助けられた鶴は後日、人間の女性の姿になって、男性の家を訪ねてきます。
2人は結婚して、しばらくは幸せに暮らします。
でも、男は妻から「決して見てはいけません」と言われていた部屋を覗いてしまい、正体がバレた妻は男の元を去って行く。(離婚する)という流れです。
「雪女」のストーリーも似たようなパターンです。
まとめると、日本の昔話に共通するのは、
・動物が人間の姿になる(西洋と真逆)
・女性から男性にプロポーズする(西洋と真逆)
・ストーリーが離婚するシーンで終わる(西洋と真逆)
になっています。
ここまで真逆というのは、偶然とは思えません。
何から何まで真逆の文化
日本語と英語は、語順が真逆です。
I don’t like natto.
を日本語の語順にすると、
「納豆が好きではありません。」
になります。
日本語では主語の I が抜ける上に、語順が真逆です。
また、発音もまったく違います。
ビックリするぐらい真逆で、共通点はゼロです。
さらに昔話に共通する「価値観の違い」もすごく大きいです。
本当に文字通り、何から何まで違うのです。
僕達日本人が英語を学ぶのが大変だと感じる理由も納得です。
単に文法や英単語などの表面的な部分だけをなぞっても、本当の意味で英語圏の人たちとコミュニケーションできることにはならない気がします。
西洋文化を深く理解して初めて、心を通わせる会話ができるようになるのでは?と僕は思います。
TOEIC900点以上を取るような上級者でも、西洋文化にまったく興味がなかったり、西洋の考え方がキラいだったり、そもそも理解したくない、と考えている人が一定数いることも事実です。
もちろん、英語を学んだら必ず西洋人と仲良くならなければならないわけではありません。仕事で必要だから、渋々勉強を続けている人もいるでしょう。
ただ、僕は個人的には英語をコミュニケーションツールとして使いたいので、英語圏の人たちの考え方や文化を自分の中に取り入れながら、世界中に友達を作りたいと思っています。
ちなみに、この本の著者の荒川先生の分析では、昔話の分析(日本の昔話では女性から男性にプロポーズする)を元に、このように結論づけています。
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「日本の男性は文化的に、昔から草食系だったのではないか?最近の若者は恋愛に消極的と言われているが、それは今に始まったことはでない。」
という結論を書いています。
次回は、この本に書いてあることを元に、「英語を中高年が学ぶメリット」について考えてみたいと思います。
・・・つづく。
「結婚滅亡」の本はこちら
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From 師範代Shinya(新村真也)
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