【飛行機で隣り合ったアメリカ人男性との会話】

from 師範代Shinya

僕が以前、アメリカ旅行帰りにの飛行機に乗った時のこと。
 

席が隣りに座った人が、大柄な黒人男性で、アメリカ人の確率が高そうだったので、英語で話しかけてみました。

最初はその男性が僕の隣でニンテンドーのスイッチでゲームをやっているのを見て、

「おっ!それ、スイッチじゃないですか!僕もそれ欲しいんですよね!でも日本だと品薄で、プレミア価格になっちゃってて。」

と僕が話しかけるところから、会話がスタートしました。

その後、軽くお互いの自己紹介をしたら、その男性はVさんという名前の50代のアメリカ人だということが分かりました。

長いフライトだったので、1回あたりの会話時間は短めでちょこちょこ話しながらも、トータルではけっこう色んな話をしました。

Vさんは離婚歴があり、今の奥さんとは再婚で、奥さんの連れ子と自分の子どもの2人を育てている最中とのことでした。

当時の僕は、サヤと結婚していましたが、まだ子どもがいない頃で、僕はVさんに、「子どもを持つことの不安」を打ち明けました。

・経済的な不安

・自分が父親になるとこが想像できない

・子どもを持つメリットがよく分からない

など、今の日本の独身世代が感じているのとまったく同じ不安を、僕も感じていたのです。

Vさんの答え

それに対するVさんの答えは、こうでした。

「確かに、デメリットは今、君が言った通りの内容だと思うよ。俺も最初は子どもを持つことが不安だったし、自分が父親になるところなんて、想像できなかったしね。

今だって、こうしてスイッチでゲームをしている姿は、とても大人の男には見えないだろう?(笑)こんな自分でいいのかって思ってた。

子どもを持つメリットを言語化するのはムズカしいし、人によって違うとは思うけど、もし俺個人の視点から見た、子どもを持つメリットを言えるとしたら、『自分の人生を追体験できる』ってことかな。

この年になると、もう、新しい体験が減ってきて、同じことの繰り返しになるんだよね。

初めて飛行機に乗った時の感動、初めての海外旅行のワクワク、そんなものは、はるか昔に感じられる。

でもね、子どもができると、もう一度ゼロから人生をやり直せるような感じがするんだ。

初めて子どもを連れて行く場所は、自分にとってはすでに何度も来ている場所かもしれない。

でも、子どものリアクションを見ていると、自分も子どもの目を通して、その場所を新鮮な目で見ることができるんだ。

そして、初めて自分がそこに来た時のワクワクを、思い出したりするんだよ!

不思議だけど、本当にそうなんだ。特に子どもの場合、見た目や性格が自分と似ている部分があるから、なおさら同化しやすいのかもしれないね。

子どもの目を通して、もう一度世の中を新しい目で見ることができる。

それが、俺が感じている子どもを持つメリットかな。

本当は、自分ひとりでも好奇心を失わずに生きていれば、同じように感じられるとは思うんだけどね。俺には、それはムズカしいな。

子どもからの強制力がないと、週末に出かけようという気にもならないしね。」

という答えでした。

これは、僕にはけっこう意外でした。

この答えを聞く前にVさんの仕事について質問した時には、「世界を股にかけるバリバリのビジネス戦士」という印象を受けたので、子どもを持つメリットも、もっと数値化できるデータを持って来ると思っていました。

それが、意外にメンタル的な感じで驚いた思い出があります。

Vさんの意味が分かる時が来た

それから数年後、僕とサヤの間には第一子が生まれて、それから3年後に第二子が生まれました。

正直、赤ちゃんの頃はオムツ替えやらミルクやり作業で精一杯で、

「人間は、なんて未熟な状態で生まれてくるんだ!世話をしてくれる人がいる前提じゃないか!自然界では、あり得ない未熟さだ!」

とプンスカ怒りながら、せっせと作業を繰り返していました。

Vさんが言っていた言葉など、まったく実感できなかったのです。

でも、今年は上の娘が4才になったことで、だいぶ言葉が分かるようになりました。

娘の日本語レベルを英検に置き換えると、おそらく3級レベルにはなっています。

基本的な文法をマスターしていて、言いたいことは、ほぼすべて日本語で大人に伝えられるレベルです。

そのタイミングで、先日、娘を人生初のディズニーランドに連れて行きました。

以前から娘は、YouTubeでディズニーランドのアトラクションやパレードを映した動画を見て、「ここ行きたい!」と連発していました。

そこで、誕生日プレゼントの1つとして、初めてのディズニー経験を贈ろうと思ったのです。

今回のディズニーランドでの体験は、色んな点で「事前の予想とはまったく違うもの」でした。

僕が最後にディズニーに行ったのは、もう10年ぐらい前です。

あれから10年、ディズニーは大きく変わっていました。

色々とニュースでは変化ポイントを聞いていましたが、実際に現場に行って体感すると、身にしみて分かります。

結論から言うと、予想よりけっこうしんどかったです。

もともと僕は「大のディズニー好き」というわけではないので、なおさらそう感じたのかもしれません。

でも今回、娘がの誕生日を理由に、重い腰を上げてディズニーに行ったことで、僕は数年前にVさんから聞いた言葉の意味を、ついに実感する時が来ました。

 

・・・つづく

 

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