【AIが進化しても英語学習は不要にならない理由:アベマTVを見て思ったこと⑤】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む

※アベマTVの討論番組で、英語学習についての賛否両論を見て、僕が思ったことのシェアの続きです。

前回の記事では、AI翻訳でのコミュニケーションに満足できるタイプの人と、満足できないタイプの人の違いをお伝えしました。

今回は、僕自身がこれまで使ってきたAI翻訳マシン(ポケトークやスマホアプリなど)の体験談から、AI翻訳の弱点をシェアしたいと思います。

AI翻訳だけでコミュニケーションを取る状況

まず最初に、「AI翻訳だけで世界中の人達とコミュニケーションを取れる時代がやって来た状況」を、想像してみましょう。

AIが発達して、ほぼ同時通訳レベルのスピードで次々と翻訳してくれる近未来です。

日本人は、それまでの英語コンプレックスをAIの力で乗り越えて、自分が海外に出て仕事をすることに対して抵抗がなくなりました。

外資系の企業で働く日本人の数が増えました。

海外と取引をする日本企業も増えました。

企業側も、英語力の有無を採用条件にしない時代になりました。

そして自社の営業マンに、「進化版ポケトーク」を持たせて海外出張に行かせるようになりました。

Aさんは、営業マンの1人として、ポケトークを携えて、アメリカ出張に向かいます。

行きの飛行機に乗り込むと、隣り合ったアメリカ人男性が気さくに話しかけてきました。

Aさんはさっそくポケットからポケトークを取り出し、同時通訳をしてもらいながら、楽しく会話していました。

相手の男性はどうやらアメリカのベンチャー企業で働いているらしく、あなたの会社のサービスに興味を持っているようでした。

Aさんは「これはチャンス!」と思ってプレゼンを始めました。

その瞬間、機内にアナウンスが流れます。

「まもなく離陸いたします。電子機器の電源をお切りください。」

Aさんは、一時的にその男性との会話を中断して、離陸するのを待ちます。

離陸している間に、Aさんは気付きました。

「待てよ?離陸した後は、Wi-Fiがないとポケトーク使えないじゃん。機内Wi-Fiには特別料金が必要だし、事前申し込みも必要だったような・・・

会社もそこまで想定してないから、機内Wi-Fiの利用までは許可してなかったな。

こうなると事前に分かってれば、上司に許可を取ったのに・・・

あぁ!ダメだ!もうこの男性とは話せない・・・」

離陸した後、男性がAさんの方を向いて、「さっきの話の続きを聞かせてくれ」といった表情で待っています。

Aさんは、Wi-Fiが使えないことを必死で伝えます。

「ア~、ノーワイファイ, ディス、プレーン, アイ・キャン・ノットユーズ。」

これまでポケトークだけに頼ってきたので、いざ自分の口で英語を話そうとしても、単語を並べながらジェスチャーするだけで精一杯です。

Aさんは、せっかくの商談のチャンスを逃してしまいました。

たとえどんなにテクノロジーが発達しても、「通信ができない、通信が遅い」という環境をゼロにすることはできないことを、Aさんは実感しました。(①通信環境のカベ)

現地到着!

アメリカの現地の到着したAさんは、気を取り直して取引先の会社へ向かいました。

新しいサービスの提案をして、商談をまとめてくるのがAさんの任務でした。

相手の会社の中ではWi-Fiが使えるため、Aさんはポケトークを駆使して担当者の人達と快適に挨拶ができました。

その後、プレゼン会場に案内されて、いざ!プレゼン開始!となりました。

Aさんは、さっそく、ポケトークの音量をMAXまで上げた状態で、日本語で話ながらポケトークで翻訳してプレゼンを始めます。

聞いている人達も、うなずきながら興味を示しています。

Aさんは乗ってきました。

「よし!手応えアリだ!このまま最後のクロージングに行くぞ!」

その瞬間!

「ピピッ!」

という電子音と供に、ポケトークの電源が落ちました。

あれ?なんで?

よく見ると、バッテリー残量がゼロになっていました。

おかしいな!ちゃんと充電したはずなのに・・・

そうか!これまでスピーカー音量をMAXで上げた状態でずっと使ったことなかったから、いつもより電池の減りが早いのか!

(②充電のカベ&③操作する人間側のミス)

今から充電しても、使えるようになるまでに20分はかかるでしょう。

この会場にいる人達を、そんなに待たせるわけにはいきません。

Aさんは、あわててバッグの中から予備のポケトークを取り出しました。

予備のポケトーク

こんなこともあろうかと、念のためすべての営業マンは予備のポケトークをバッグに忍ばせているのです。

ところが、悪いことは重なるものです。

なぜか、予備のポケトークも電源が入りません。

ちゃんと充電はしたはずです。

出張前に家で確認した時には、ちゃんと電源が入りました。

ということはおそらく、自然故障かもしれません。

(④自然故障のカベ)

そういえば先日、AさんのiPadも、突然電源が入らなくなったことがありました。

まだ平均寿命よりだいぶ早い段階で、しかも落としたりもしていないのに、ある朝突然電源が入らなくなったのです。

アップルストアに持っていったら、修理不能と言われ、買い替えになりました。

どうやら、今回の予備ポケトークもiPadと同じパターンのようです。

なんてこった・・・終わった・・・

Aさんは、急に冷や汗が出てきました。

あと少しなのに・・・

仕方なく、Aさんは状況をカタコトの英語で伝えることにしました。

「ア~、マイポケトーク、ブロークン。レッツ、スピーク、マイセルフ。」

通じているのかどうか分からない状態で、とりあえずスライドだけ進めることにしました。

一応、スライドは英語で書かれているので、たぶん大丈夫だと思います。

スライドもすべてAI翻訳を使って作りました。

Aさんは続けました。

「ネックスト・・・ディス!ルック・アット・ディス!プリーズ・リード。」

 

Aさんに言えるのはこのぐらいが精一杯でした。

会場の人達からは、クスクスと失笑の声が聞こえてきます。

すると、会場の1人が急にAさんに質問してきました。

言っていることのすべては理解できませんが、どうやらスライドの翻訳が一部間違っているのではないか?と聞かれているような雰囲気です。

でも、Aさんにはどこが間違っているのか分かりません。

指摘している人の英語も聞き取れないし、スライドの英語も100%分からないので、間違っている部分が分かりません。

(⑤翻訳ミスのカベ)

結局、後半はグダグダなまま、プレゼン時間は終了しました。

Aさんは、汗グッタリになったまま、「ダメかもしれない・・・」と肩を落としました。

ガジェットのカベ

以上、ストーリーでお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?

こんな風にリアルに想像してみると、ガジェットだけに頼ってコミュニケーションを取るのがいかにリスクがあるか?伝わってくると思います。

①通信環境のカベ

②充電のカベ

③操作する人間側のミス

④自然故障のカベ

⑤翻訳ミスのカベ

など、ガジェットには色んなカベがあります。

そして、どんなにテクノロジーが発達しても、すべてが完璧にクリアされることはありません。

ガジェットの性能が上がれば、バッテリー消費量は増えます。

バッテリーを大きくすると、サイズと重さが増えて持ち歩きしづらくなります。

構造が複雑になるほど、自然故障のリスクも増えます。

あちら立てれば、こちら立たず・・・

という状態は、どんなにテクノロジーが進化しても変わりません。

そして、操作するのが人間である以上、常にミスは起こるのです。

・充電するのを忘れた

・落として壊した

・操作法を間違えて、バグッた

などなど、人間が起こすミスは数えきれません。

いざという時に最後に役立つのは、自分が身に付けたスキルなのです。

自分の身体ひとつでできることが、最後に頼れることです。

どんなにガジェットが発達しても、おそらく、英語学習が不要になる日は来ないでしょう。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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