from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
著者の田代さんは、50代でやり直し英語学習を始めました。
そして、60才になって定年後に、同時通訳として独立したのです。
同時通訳と言えば、英語を使う仕事の中では、特に高度な言語能力を要求される、プロ中のプロです。
なぜ、そんなことができたのか?
その理由は、「学ぶ英語のジャンルを、とことん絞り込んだ」ことにありました。
そのエリアは、田代さんの場合は「仕事の英語」です。
この本は、「仕事で英語を身に付けよう」というコンセプトがメインになっています。
その理由は、
①仕事は毎日強制的にやらなければならないから、モチベーションに関係なく続けられる。
②もともとある知識を生かせるから、英語力が足りない時にも理解度の助けになる。
ということです。
ジャンルを絞るメリット
学ぶ英語のジャンルを絞るメリットは、「効率の良さ」です。
一般的な英語テキストでは、「日常会話」「ビジネス英語」「ニュース英語」など、大きなカテゴリーで分けられています。
さらにその中で、ニュース英語だったら「政治」「経済」「司法」「環境」「科学」など、幅広いトピックの記事が収録されていて、バランス良く学ぶように作られています。
一方で、仕事で英語を使おうと思った場合、このように幅広いトピックは必要ありません。
エンジニアの仕事で英語を使うのであれば、政治用語を覚える必要はないでしょう。
さらに、エンジニアの中でも、化学系エンジニアと、機械系エンジニアでは、日頃から使うボキャブラリーが違います。
これは「業界でしか使われない、専門的で難しい英単語を覚える必要がある」とも言えますが、一方で、「専門以外の英単語が必要となる機会は少ない」とも言えます。
ジャンルを絞り込むことは、英語力アップにかかる時間短縮をすることになるのです。
「幅広いトピックで英語を話せるようになる」ことを目標にした場合は、けっこう時間がかかります。
でも、ジャンルを絞った場合、そのジャンルの中だけで話している分には、割と短時間で使えるようになるのです。
特に仕事の場合、毎日使う機会があるので、上達スピードは早くなります。
だから、田代さんは仕事を通じて英語を身に付けることを推奨しているのです。
とはいえ、「仕事で英語を使う機会がない」とか、「今から英語を使う仕事に転職するのはちょっと・・・」と感じる人も多いでしょう。
僕は個人的には、ジャンルを絞りさえすれば、仕事でなくても良いのでは?と思っています。
趣味でもOK
たとえば、僕の個人的な体験談で言うと、やり直し英語を始めた最初の1年間はマジック(手品)に絞り込んで練習していました。
マジックの演技で必要なセリフを丸暗記して、外国人バーに週3回ペースで通って、お客さんたちの前で披露していました。
また、海外の有名なマジシャンが来日した時には、日本のマジシャン(プロ、アマ問わず)を集めたレクチャーに参加していました。
もともとマジックは西洋文化からの輸入なので、用語がカタカナ語です。
そのまま発音すれば通じることが多いのです。
僕がこれまで習ったマジックレクチャーの講師のマジシャンは、アメリカ人、フランス人、イギリス人など、色んな国の出身ですが、どの国の発音でも、マジック用語であれば聞き取れて、こちらの発音も通じました。
外国人マジシャン相手であれば、初心者レベルでもけっこう話せたのです。
レクチャーに参加しているマジシャン仲間の中で英語を話せる人は少なかったので、僕は希少な存在になれました。
レクチャー終了後の飲み会では、講師の外国人マジシャンの隣の席に僕が呼ばれることが多く、得をしました。(みんな言葉が通じないことで遠慮して、講師マジシャンの近くに寄っていきませんでした)
僕はマジックの世界にいる限りは、海外マジシャンの話す英語が聞き取れて、こちらの話しも通じて、海外から輸入したレクチャーDVD(字幕無し)の内容も理解できました。
でも、1度マジックの世界の外へ出たら、まったく聞き取れないし、話せませんでした。
そんな極端な状況を味わったことがあるので、「ジャンルを絞り込むメリット」はよく分かります。
僕が英語学習のモチベーションを落とさずに続けられたのは、この体験もあると思っています。
早い段階で、「自分の英語が通じる喜びと、相手の話す英語が聞き取れる快感」を知ったからこそ、
「英語が話せるって最高~!!」
という気持ちになったのです。
それが、後に音読トレーニングや瞬間英作文トレーニングを続けるエネルギーにつながりました。
そしてこの本では、ジャンルを絞った時の英語力を、とても面白い表現方法で解説していました。
僕がこれまでボンヤリと感じていたことを、分かりやすく言語化&イラスト化して解説しています。
さすがエンジニア!と感じました。
次回は、その面白い表現方法をご紹介します。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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