(※僕がカナダで一人旅していた頃の体験談です)
(→前回のつづき)
モントリオールのホテルで出だしにつまずいてヘコんだ僕は、気を取り直して観光に出かけました。
といっても、事前にプランを練っていたわけではありません。
せっかくの一人旅なんで、事前に綿密な計画を練るのではなく、「行き当たりばったり」の旅を楽しもうと思ったのです。
僕はどちらかというと、「みんなが訪れる観光地」みたいな場所よりも、「知る人ぞ知る秘境」みたいなところに惹かれます。
なので、事前にネットで調べられるところよりも、現地の人たちと触れ合いながら、情報を聞いて回って、現地人ならではのオススメスポットとかに行ってみたいと思っていました。
フランス語だらけ!
ところが、ホテルを出てモントリオールの街へ繰り出すと、どこもかしこもフランス語だらけです!
聞こえてくるのはフランス語、目に入ってくる看板も全部フランス語です。
ここはどうやら、本当に別世界のようです。
これまでのバンクーバーやトロントとはまったく違う国にいるような感覚です。
完全にフランス語圏のようです。
とても現地人と話せる気がしません。
インフォメーションデスク
そこで僕は、観光案内のインフォメーションデスクに行くことにしました。
幸い、ホテルから歩いて行ける距離にあったので、そのまま行ってみました。
ところが・・・・
デスクの人たちも一応英語は話すのですが、とにかくフランス語なまりがキツくて聞き取れません。
日本みたく丁寧なやりとりをしてくれることもなく、勝手にペラペラしゃべってパンフレット渡されて終わり!みたいな感じです。
そして、そのペラペラしゃべっている内容も聞き取れません・・・
渡されたパンフレットを見たら、全部フランス語でした。
焦って広げてみたら、裏側が英語になっていました。
旅行者向けのパンフレットでも、表面がフランス語で裏面が英語です。
英語ページでも、地名はフランス語なので、表記もフランス語です。
英語の中にフランス語の地名がたくさん混じっています。
このパンフレットの作りは、モントリオールの街全体の姿勢を表しているように見えました。
「ここはフランス語圏だぞ!英語はあくまで第二言語だ!」
というメッセージが伝わってくるような気がしました。
初めての恐怖
僕は、この街に来て突然、「何の情報も取れない状態の恐怖」を味わいました。
TOEIC735点を取ってから初めて日本を出た僕にとって、看板が読めない、人々の会話が聞けない、という状況は初めてでした。
バンクーバーでもトロントでも、それなりにやって来れたのは、日本で仕込んできた英語力が使えたからです。
でも、それが突然、今になって使えなくなりました。
たまに、
「英語は全然できないけど、一人旅で海外旅行に行ってきました。」
みたいな人がいますが、本当にスゴいことだと思います。
店員さんもフランス語
これだけの巨大観光地にもかかわらず、モントリオールのお店の人たちは、最初に必ずフランス語で話しかけてきます。
そこで僕が、
「I don’t speak French.」
(フランス語は話せないんです)
と言うと、初めて英語に切り替えてきます。なぜそうしているのか分かりませんが、たぶん「異国情緒」を出すためなのかも知れません。
ここはおそらくカナダ本土からも観光客が多そうなので、フランス語圏であることをアピールすることで、異国情緒を感じさせようとしているのかも知れません。
でも、僕にとってはキツい状況です。
毎回、毎回、フランス語で来られるのはけっこうなストレスです。しかも、英語に切り替えてもらっても、フランス語なまりがキツくて聞き取れないのです。
あまりにキツいなまりだと、英語もフランス語に聞こえてきます。相手が英語の切り替えてくれたかどうかも、すぐには分かりません。
僕はモントリオールに到着して半日もたたないうちから、心の中からワクワクが消え失せて、次第に自信をなくしていきました・・・
・・・つづく。
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