from 師範代Shinya
先日、オンライン英会話レッスンで、20代後半のイギリス人男性の先生と話していた時のこと。
いつものように、日本とイギリス文化の違いについて話しているうちに、ふとしたきっかけで、日本の「本音と建前」の話になりました。
日本文化では、表面上は笑っていても実は内心で怒っていたり、言っていることと真逆の意味で使われるセリフがあったりするので、英語圏の人たちは分かりづらいことが多い、ということを伝えました。
僕がこれまで会って仲良くなったネイティブ(特にアメリカ人)の先生たちは、口を揃えて、
「日本人の生徒は、自分のレッスンに満足しているかどうかがレッスン中にまったく分からない!」
と言っていました。
「レッスン中はニコニコしながら満足そうな表情で、声のトーンも穏やかだったから、きっと星5を付けてくれると思っていた生徒が、後になってレビューを見たら、星1つをつけられた上に、『この先生は全然ダメだ』みたいな内容が書いてあって、ショック過ぎて立ち直るのに1週間以上かかった。」
というようなコメントを聞いたのです。もちろん、ある程度仲良くなってから、僕はこういう話に切り込んでいくのですが、みんな同じ悩みを抱えているようです。
レッスン中に「何か要望はありますか?」と聞いても、「特にない」と返されたから、問題ないと思っていたら、実は不満があったことをコメントで知った・・・
ということも多いようです。
こうなる理由には、3つのパターンがあると思います。
先生に英語で本音が伝えられない時の3つのパターン(理由)
①その生徒さんの英語力では、先生に英語で改善点を伝えられないので、あきらめて、笑顔でやり過ごした。(僕も最初はそうでした。これはおそらく、一番よくある例だと思います)
②改善点を英語で伝えたものの、あまり聞いてもらえなかった。もしくは反論された。(これも実は、相手によってはあるあるパターン)
③改善点を英語で伝えられる力はあるけど、面倒なので本音を隠して建前で接した。(英語力が高くても、英語圏の文化に慣れていないと、なかなかストレートに言えない)
という3パターンです。
3番目の「本音と建前」に関しては、①~③のパターンすべてに流れている共通文化だと思います。
もう2度と会わない先生だろうから、ここでムダなエネルギーを消費したくない、という心境もあるかもしれません。
ちなみに僕は、英語圏の文化も一緒に学びたいので、「こうして欲しい」という要望はできるだけストレートに伝えるようにしています。
ズバッとこちらの要望を伝えても、日本のように、相手の機嫌が悪くなることは少ない印象です。
少なくともアメリカ人に対しては、けっこうズバッとストレートに要望を伝えても、「あぁ、そうか!分かった!」みたいなリアクションで、その後も引きずる様子はありません。
僕の場合は、英会話の最中にミスを指摘してもらわなくても良い派なのですが、慣れている先生は無意識レベルで僕のミスをチャットボックスにタイプしてしまうので、
「タイピングしなくて良いですよ。お互いに目を見て自然に会話したいんです。」
と伝えています。
その時には通じても、次回会った時には先生はすっかり忘れて前のパターンに戻ってしまうこともよくあります。
でもその場合は、もう一度同じことを伝えます。
これも文化のカベを超える練習だと思ってやれば、そんなにイライラすることもありません。
そして、その場で話が通じて先生が僕の要望通りにしてくれたら、僕は星5を付けるようにしています。
でも、それができるようになってきたのは、だいぶ後になってからです。
英会話を始めたばかりの頃は、僕も本音と建前で接していました。
だから、先生と面と向かって本音が言いづらい人の気持ちも、よく分かります。
という話を、そのイギリス人の先生にしました。
日本文化の本音と建前
加えて、本音と建前の極端な例として、
「京都では、人の家にお邪魔している時に、『お茶でもいかが?』と言われたら、『もう帰れ』という意味らしい。そういう反対の意味を持つフレーズがたくさんあるらしい。」
と伝えました。
すると、なんとそのイギリス人の先生のリアクションは、今までの先生たちとは違いました。
イギリス人の先生の反応
「えっ?そうなの?日本にもそういう文化があるんだ!それってまさにイギリス文化だよ!」
と言うのです!
え?どういうこと?!と僕が聞いたら、
「イギリス人はよく、言葉の意味とは真逆の意味を込めたフレーズを言うことがあるんだよ。」
と返ってきました。
続けて、
「確かちょっと前に、そういうイギリス英語フレーズの一覧表がSNSに出回って、世界中でバズッたんだよね。」
と言いながら、ネットで検索した画像をシェアしてくれました。
それを見た僕は、衝撃を受けました!!
そこに書いてある内容は、まさに日本文化の「本音と建前」そのものだったのです!!
・・・つづく。
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