【中南米のダンス・サルサの世界29ダンス編164】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
※僕が20代の頃、初めてサルサダンスを経験した時の体験談の続きです。ダンス編は毎週日曜日に更新中。

 

女性側の「リードされて踊る気分」をレッスンの休憩時間に体験したことで、僕はサルサに対する見方が変わりました。

男性よりも女性に人気が高い理由が、深いところでよく分かりました。

僕がDさんにリードしてもらって、大きなリアクションをしたことで、他の初心者女性のクラスメイトたちも、続々とDさんの技を受けて回っていました。

先生も、その回のレッスン後半の内容を、「Dさんに気持ち良く踊らされよう!の回」に変更して、続けました。

おかげで、女性陣はおおいにモチベーションが上がっているのが伝わってきました。

「練習を積めば、リードを受けながらアクロバティックに踊れるようになる!またこの、重力に身を任せる気持ち良い感覚を、体験できる」

という目標が見えていれば、やる気も起きます。

一方で、僕はモチベーションが下がってしまいました。

また翌週からリードする男性側の練習に戻るのに、やる気があまり出なくなってしまったのです。

理由は3つあります。

モチベーション低下の3つの理由

①自分がこの先どんなに修練を積んでも、今回味わったような女性側の「重力に身を任せる楽しさと気持ちよさ」を味わえる日は来ないと分かってしまったから。

②Dさんのリードがあまりに凄すぎて、圧倒されてしまったから。自分がリードする側として、この楽しさを女性に与えられるかどうか?そこまで修練を積む覚悟が自分にあるのかどうか?自信がなくなったから。

③「モテたい!」という願望がベースにあったものの、ちょうどサルサを本格的に学び始めたタイミングで彼女ができて、モテ願望のエネルギーが満たされてしまったから。

これらの3つの要素が合わさって、僕はリードの練習に対するモチベーションが下がっていきました。

サルサの魅力を知った後にモチベーションが下がるとは、自分でも意外な展開でした。

これは後になってから分かったのですが、性格診断テストの「ウェルスダイナミクス」を受けたことで、僕の性格タイプは「スター」だと分かりました。

スターの人は、自分にスポットライトが当たっている時にモチベーションが上がります。

HIPHOPダンスの場合は、チーム全員にスポットライトが当たります。

そしてたまにあるソロパートでは、1人1人順番にスポットが当たります。
このスタイルが、スターの性格の僕に合っていました。

でも、サルサダンスの場合は、男性は常に黒子のような存在です。

男性は女性をリードして踊らせるのが役割なので、自分自身がターンしたり、逆立ちしたり、バク転することはありません。

実際、僕がDさんのスゴさに気付いたのは、自分が女性役を初めて体験した時でした。

リードされている女性にしか、男性のサルサスキルは伝わりづらいのです。

大人のダンス

「女性をリードして、自分は一歩引く」

これは、まさに大人の男性の振る舞いです。

でも、当時20代だった僕は、自分が一歩引くほど大人になり切れていませんでした。

サルサは大人のダンスなのです。

その証拠に、僕は男性生徒の中で最年少で、男性メイン層は40代~50代でした。

一方で女性生徒の年齢層は、20代~50代まで幅広くいるように見えました。(僕が見た年齢予想です。女性に年齢は聞けないので)

唯一、僕と同い年の男性生徒がいましたが、彼はとても落ち着いた性格で、同い年とは思えないほど大人な雰囲気を漂わせていました。

HIPHOPダンスのレッスンでは10代の中高生がメインで、僕は最年長でした。

でもサルサの世界では、一気に最年少になってしまったのです。

そんな中でサルサのレッスンを受け続けるうちに、僕はだんだん自分が場違いな気がしてきて、情熱を傾けられなくなっていきました。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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