from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※先日アニメ「鬼滅の刃」の最新シリーズの最終回を見た体験から学んだことの続きです。
日本語は世界的に見れば、超マイナーな言語です。
にも関わらず、世界中で日本語を学んでいる人たちがいます。
理由は人それぞれですが、アメリカやイギリスなどの西洋の先進国の人たちが日本語を学ぶ理由は、
「日本のマンガやアニメを、原作のまま理解できるようになりたい!」
というモチベーションが高いようです。
僕はこれまで「たかがエンタメのために?」と思っていましたが、最近気付きました。
エンタメは、人が熱意を持つジャンルなのです。
誰からも強制されなくても、人々は時間を忘れてエンタメを楽しみ、お金も労力も惜しみなく注ぎ込む。
そのモチベーションの高さが、エンタメの特徴なのです。
エンタメは最新テクノロジーの宝庫
インターネットなどのテクノロジーが初めて世に登場した時にも、
①最初は軍事利用
②次はゲームなどのエンタメ利用
③最後にビジネス利用
という順番で、目的が変化しながら人々に普及していきました。
ここ数年で劇的な進化を遂げたVR(バーチャル・リアリティー)の世界も、今の主な利用目的はゲームです。
ゲーム市場は巨大で、たくさんのお金が集まります。
その資金を使って、さらなる新しいテクノロジーに投資していくことができるのです。
僕ら日本人の視点から見ると、英語ができるネイティブたちは、世界中のコンテンツにアクセスできるので、エンタメもビジネスも自由自在だと思いがちです。
でも、アニメ、マンガ、ゲームなどのエンタメに関してだけは、日本が超先進国だということに気付かされました。
そして、日本のアニメやマンガなどのエンタメコンテンツは、英語字幕や英語吹き替え版では本当の中身を伝えづらいそうなのです。
最近、英語と日本語の違いがハッキリ分かる例を読んで、僕は衝撃を受けました。
英語翻訳版のマンガ
最近、質問サイトの「クオーラ」を読んでいて、こんな投稿を見付けました。
↓↓↓
この投稿には、日本の有名なマンガタイトルの「HUNTER×HUNTER」の英語版の一部が貼ってあります。
この文字量の多さ!!
マンガなのに、文字しかないマスがいくつもあります。
日本語は短い言葉の中に、これだけたくさんの意味が詰め込まれているのです。
でも、英語には「空気を読む」という概念がないので、1つ1つしっかり説明していく必要があります。
その結果、文字量が多くなってしまうのです。
そして、おそらくこれだけの文字量を増やしても、日本語の本来のニュアンスは伝わらないのかもしれません。
だから、アニメ好きの外国人たちは日本語を一生懸命学ぶそうです。
英語のマンガは内容が浅い?!
これはアメリカ人のマンガ好きの人に聞いた話ですが、英語のマンガは内容が浅いと感じることが多いようです。
もちろん、アメリカにはスパイダーマンやバットマンなど、世界中で大ヒットし続けている名作マンガがあります。
でも、英語の文字の都合で「深いニュアンスを持つセリフ」を物理的に入れられません。
その結果、ストーリー全体も浅くなることが多いそうです。
(もちろん、これは日本のマンガを知ってから、両者を比べて気付いたことのようですが)
そのため、アメリカではマンガは「子どもが読むもの」というイメージがあるそうです。
そして実際に売られているマンガも、子ども向けが多いと言っていました。
日本のように、大人がマンガやアニメを見て涙を流し、深いストーリーとメッセージから「人生の教訓」を学ぶ、という文化はないそうです。
また、日本では大人と子ども両方が楽しめるアニメが映画館で上映されるので、家族みんなで見に行ったりします。
そして、子どもは子ども視点で感動し、大人は大人視点で感動して、それぞれ違うメッセージを受け取って、楽しむのです。
こういう文化も、海外にはないそうです。
僕は正直、こういう話を聞くまでは、
「今でも日本が世界に誇れるのは、ゲームとかアニメぐらいしかないんじゃない?」
と思っていました。
でも、それは間違いでした。
「ゲームとかアニメぐらいしかない」のではなく、「巨大産業であるゲームとアニメを世界に誇れるのは、スゴい!」ことなのです。
・・・つづく。
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