From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※最近、中古でニンテンドーDSと「もっと英語漬け」のソフトを買ったレビューの続きです。
「もっと英語漬け」は楽しいゲームです。
かなり本格的な作りになっているので、「これだけでもかなり英語力が伸ばせるのでは?」と思うかも知れません。
実際のところ、どうなのでしょうか?
これには賛否両論あるとは思いますが、今日は僕自身の意見をお伝えします。
メインのトレーニング法
「もっと英語漬け」が取っているスタイルは、「書き取り練習」です。英語を聞いて、そのセリフを書き取るという、シンプルな学習法です。
これは、「ディクテーション」と呼ばれるトレーニング法で、かなり負荷の高いトレーニング法として昔から知られています。
知られてはいますが、実際にはやっている人は少ないです。CDをかけながら英語をノートに書き取って、自分で答え合わせをする、という作業は、やってみると分かりますが、かなり面倒です。
「もっと英語漬け」の最大の功績は、この面倒で取っつきにくい「ディクテーション」という作業を、すべてDSの画面上でカンタンにできるようにしたことです。
これにより、ディクテーションのハードルがグッと下がりました。
なので、やっていること自体はディクテーションです。
「もっと英語漬け」のソフトが英語力アップに役立つかを考えるより、ディクテーションというトレーニング方法で伸ばせるスキルを考えた方がいいと思います。
一番良いと思う使い方
まず始めに、いきなり結論からお伝えします。
僕は、「もっと英語漬け」は、気軽に受けられる英語力ジャッジのテストとして活用するのが、最も良い使い方だと思います。
つまり、英語力そのものを上げるトレーニングとは切り離して考えた方が良い、ということです。
その理由をお伝えします。
書き取るために必要な3つの力
ディクテーションは、聞こえた英語を一字一句漏らさず聞いて書き取るトレーニング法です。
そのためには、
①英単語力
②音のつながりを聞き取る力
③文法力
の3つが欠かせません。
この3つの力が揃って初めて、正しく書き取ることができるようになります。
ただ、このディクテーション繰り返すことだけで、この3つのスキルを伸ばすことはできません。
①の英単語力ぐらいは少し増えるとは思いますが、ただ文章を書き取るだけで急に発音のルールや文法ルールが脳内にインストールされることはありません。
発音ルールや文法ルールは、ちゃんと個別に勉強する必要があります。
それをしないで、ただディクテーションだけを繰り返しても、「できなかった感」が残るだけで、モチベーションが下がってしまう可能性があります。
また、ディクテーションは作業そのものに時間がかかるので、かけた時間の割には、こなした英文の数は少なくなりがちです。
英語力の伸びは、
・ひとつの英文をどれだけ繰り返し声に出したか?(深さ)
・どれだけたくさんの英文に触れたか?(量)
の2つに左右されます。
ディクテーションは、大量の英文に触れるには時間がかかり過ぎるのです。
また、「書く」という行為は、何度も繰り返すと飽きやすくなります。
音読の場合は、「だんだん舌が慣れてキレイになめらかに発音できるようになる」という感覚があるので、何度繰り返しても、飽きにくいというメリットがあります。
でも、ディクテーションはそれを感じづらいです。
そして、いくら書くことが覚えやすくなるとはいえ、数回書いただけで英単語を完全に記憶しようとするのは無理があります。
次回は、「もっと英語漬け」がスピーキング能力にどのくらい影響を与えるか?を検証してみたいと思います。
・・・つづく。
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