from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
それまで日本語ですら読まなかった新聞記事を英語で読むことの楽しさに目覚めた僕は、「英語学習者用の英字新聞」を定期購読し始めました。
この頃から、英字新聞を使った多読トレーニングを始めました。
多読トレーニングというのは、自分の今の読解レベルより数段下げたレベルの英文を、素早いペースで止まらずに読んでいくトレーニング法です。
返り読みせず、辞書を使わず、目線を走らせ続けることで、英文の波に乗るリズムを習得するのが、多読の目的です。
日本語でも、ふだん本を読み慣れている人はどんどんスピードが上がっていきます。
一方で、ふだんから本を読む習慣がない人がいきなり本を読むと、すごいゆっくりペースになります。
英語も同じです。
最初、僕は「週刊ST(今の名前はアルファ)」というタイトルの英字新聞を読み始めました。
週間STは、記事に星印が1~3個ついていて、星の数が英文のレベルを表します。
星1=初心者向け
星2=中級者向け
星3=上級者向け
という感じです。
当時の僕が辞書なしでスラスラ読めるのは、まだ星1つの記事でした。
内容に詳しければ星2つギリギリ行けるかどうか?ということころです。
さらに1誌プラス
星1つの記事はそう多くありません。
そこで僕は、もう一誌プラスしました。
「アサヒウィークリー」という英語学習者用の英字新聞です。
アサヒウィークリーも基本的には週間STと同じ作りで、3レベルに分かれていました。
これもやはり、当時の僕にはレベル1の記事がMAXで、たまにレベル2の記事が読めるかどうか?という感じでした。
元を取るためにやったこと
この話を聞いてあなたは、
「せっかく2誌も定期購読して、星1レベルの記事しか読まないなんて、もったいない!」
と思ったかも知れません。
僕も当時、まったく同じ発想になりました。
せっかく買った以上は、隅から隅まで読まないともったいない!という気持ちになったのです。
でも、レベル3の記事を読んでいると、あまりに難しくて気分が落ち込んできました。
スピードを落として読んでも理解度が30%の記事などざらにありました。
英検準1級に受かった自分でさえも、レベル3の記事に対しての理解度はその程度でした。(もちろん、トピックにもよりますが)
僕は、もう一度自分に問いかけ直しました。
「英字新聞を読むのが目的ではない。英字新聞は手段だ。目的は、英語で情報を取る楽しさを味わうこと。そして、それができちゃう自分て、カッコいい!って思えることだ!難しい英文と格闘してヒーヒー言っている場合じゃない!」
そして、読むスタイルを変えました。
①星1つの記事&星2でも読めそうな記事だけを、すくい読み。
②また戻って、同じ記事を最初から読む。(初回よりスピードUPするイメージで)
③さらに仕上げで、同じ記事を最初から読み返して完了。
という流れです。
多読トレーニング本来の目的である、「ラクに読めるレベルの英文を、リズムに乗ってスイスイ読み進める」という部分に注力しました。
そしたら、英字新聞を読むのが楽しくなりました。
1回目で理解度が50%ぐらいでも、2度目に読むと、同じ英文がまったく違って見えることがありました。理解度も読むスピードもアップするのです。
そして3回目は、さらにスピードと理解度が上がって、満足感がありました。
「英字新聞を読む自分」が当たり前になる
僕は英字新聞の多読トレーニングを、あえて通勤電車の中でやっていました。
僕が毎日乗っていた電車は東海道線で、片道20分程度でした。
当時、僕は英会話スクールの講師に転職していたので、昼12時~夜10時頃までの間の勤務シフトでした。
普通の人達とは生活リズムが半日ずれているので、通勤電車もまったく混みません。
英字新聞をバサッと広げても、まったく迷惑にならない環境でした。
とはいえ、英字新聞は遠くからでも目立ちます。
「あっ!あの人英語の新聞読んでる!」
というのがバレバレです。
最初は、人前で英字新聞を広げるのに対して、ちょっとした気恥ずかしさがありました。
でも、続けるうちに、だんだん気にならなくなってきました。
周りの人達は、僕が星1の記事だけを何度も行ったり来たりしながらすくい読みしているとは気付きません。
次々とページをめくる姿は、まるで全ての記事を速読しているかのようです。
人前で英字新聞を広げて読む作業を数ヶ月続けるうちに、僕の中で「英字新聞が読める自分」が当たり前になっていくのを感じました。
日本語ですら新聞を読まない人間だった高卒の僕が、通勤電車の中で英字新聞を読む習慣ができたのです。
このギャップは、昔の僕を知っている人が聞いたら、きっと驚くでしょう。
当時はまだ英検1級のことを意識していませんでした。
でも、この多読の習慣ができたことで、すでに英検1級への下準備が始まっていたのかもしれません。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
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