from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
前回の記事では、英検準2級&2級ってどんなレベル?という解説を詳しくお伝えしました。
今回は、さらにその上、準1級と1級についてみていきましょう。
英検の公式サイトによると、英検準2級と2級までのテーマは、
「使える英語で世界へ」
と書いてありました。
ここから先の準1級と1級はまた一段、別世界へ入ります。
「使える英語」の先はいったい何でしょうか?
英語のレベルを上げようと思った場合、行き先は2パターンあります。
①ネイティブの若者が使うカジュアル表現を身に付ける(「マジで」「ヤバい」などの俗語を含めて)
②教養あるネイティブと対等に話せる表現を身に付ける(ビジネスや教育の場で使われるフォーマルな表現など)
このうち、英検の準1級&1級のレベルは②の方になります。
僕はやり直し英語を始めたばかりの28才の頃は、①のカジュアル英語が目標でした。
外国人の集まるバーに行って、顔なじみのネイティブに、
Yo, what’s up?
(調子はどうよ?)
みたいなカジュアルあいさつから始めて、日本人の友達と話すような口調で、「おーマジか?!」「そりゃヤベー!」みたいな表現を織り交ぜながら英会話ができたら、カッコいいと思っていました。
でも、英語学習を続けて30才を超えたあたりから、だんだん考え方が変わってきました。
「教養のある会話」がしたくなってきたのです。
同時にそれまで全然興味のなかった「フォーマル表現」に興味が出てくるようになりました。
カジュアル英語の弱点
フォーマル表現の英語に興味が出てくると同時に、カジュアル英語には、弱点があることに気付きました。
・カジュアル表現は、使う場を選ぶ。でも、日本で生まれ育った自分が、適切な場面を選んで表現を使い分けるのは難しい。
・日本人の僕が、超カジュアルな表現の英語を使っていると、ネイティブの耳にはちょっとおかしく聞こえる気がする。あまりカッコいいとは思えない。日本語で例えると、ボビー・オロゴンの話す言葉のように聞こえてしまうのでは?
と思うようになりました。
そこから、方向性をシフトすることにしたのです。
その1つの基準が、英検準1級からのレベルでした。
英検準1級ってどんなレベル?
テーマ:リーダー(品格)の英語
・大学中級レベル
・エッセイ形式の実践的な英文
【レベルの目安】
①「実際に使える英語力」の証明として高く評価されている。
②ライティング、スピーキングを含む4技能の総合力。
(※英検公式サイトより引用&抜粋)
以上が、英検準1級のレベルです。
リーダー(品格)の英語って、響きがカッコいいですよね!
英検準1級は、大学の講義を聴くのにも耐えるほどのフォーマルな表現が出てきます。
また、作文もかなり長くなり、文章の構成もしっかりプレゼンの型にはめて、分かりやすく簡潔にまとめるスキルが必要とされます。
準1級より前のレベルの2級や準2級にもライティング問題はありますが、準1級になると、さらに作文スキルの比重があがる感じです。
また、二次面接試験でも相当なスピーチスキルが求められます。
単に英語力だけではなく、自分の意見をしっかりまとめ上げて、説得力ある発信が求められるのです。
それが、「4技能の総合力」という言葉に現れている気がします。
英検1級ってどんなレベル?
テーマ:リーダー(品格)の英語
・大学上級レベル
・2分間のスピーチと、その内容への質問
【レベルの目安】
①英語の知識のみではなく、相手に伝える発信力と対応力。
②世界で活躍できる人材の英語力を証明。
(※英検公式サイトより引用&抜粋)
以上が、英検1級のレベルです。
英検1級になると、「英語の知識のみ」では対応できません。
作文やスピーチの時には、その背景となる知識や、自分の意見としてまとめ上げて、アドリブで素早く考えを組み立てられる瞬発力が必要になってきます。
2次試験のスピーチでは、2分間ずっとしゃべり続けなければなりません。
2分間と聞くと短く聞こえるかもしれませんが、1人で英語で2分間話し続けるのは、めちゃ長く感じます。
さらに、スピーチが終わった後に、2人の面接官から次々と質問がぶつけられます。
1人の面接官は、「深掘り質問」をしてきます。
もう1人の面接官は、「反論」をしてきます。
どちらにも瞬時に対応して、その場でロジカルに答える必要があります。
これはもう、英語力だけの問題ではありません。
日本語で話す時だって、2人の面接官に突っ込まれたら、オロオロしてしまうでしょう。
さらに、英検1級は英単語のレベルも一気に上がります。
準1級でも大変だったのに、さらにそこから倍近くまで英単語を増やさなければならないのです。
そのため、英検1級はかなり「マニアックな試験」として英語学習者の間では敬遠されたり、憧れの対象になっています。
まさに孤高の存在です。
次回は、僕自身の体験を交えながら、この準1級&1級のレベルを深掘り解説していきます。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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