
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
僕は英検1級を持っています。
TOEICも975点を取りました。
こういう数字だけを見ると、英語についてはもうほとんど困らないんじゃないかと思われることがあります。
でも実際には、今でも分からない英語は山ほどあります。
知らない単語も普通に出てくるし、ネイティブ同士の会話を聞いていて「今なんて言った?」となることもあります。
英語で話していて、言いたいことをうまく表現できずに止まることだってあります。
英検1級を取ったら、英語の世界のかなり奥まで来たような感じがするかもしれません。
僕自身も昔は、もっとそんなイメージを持っていました。
でも実際に取ってみると、むしろ「知らない英語って、こんなにあるんだな」と感じることの方が増えた気がします。
英検1級でも話しにくい話題は普通にある
少し前に、オンライン英会話で20代前半のアメリカ人男性と話していた時のことです。
話題が、アメリカの高校での人種差別やいじめの話になりました。
そこで僕も、自分の高校時代の話をしました。
僕が通っていた高校はかなり荒れていて、当時はヤンキー生徒同士のケンカも日常茶飯事でした。
僕はケンカを売られないようにするために、剣道と空手を習って、そのことを周りにもあえて話していました。
今振り返ると、けっこう変わった高校生活です。
この話を日本語でするなら、それほど難しくありません。
ところが英語になると、急に難しくなります。
「荒れた高校」ってどう表現しよう?
「ケンカを売られる」は何と言えばいい?
「武道をやっていると周囲に知らせて、そもそも狙われないようにした」というニュアンスをどう説明するか?
英語学習歴はもう20年以上ありますが、こういう話になると今でもスラスラとは出てきません。
別に英文法が分からないわけではありません。
単語を全然知らないわけでもない。
ただ、自分がこれまで英語で何度も話してきた内容ではないので、言葉がすぐには組み上がらないんです。
英語力が上がるほど知らない世界も見えてくる
英語学習を始めたばかりの頃は、分からないことの範囲もわりと分かりやすいです。
現在完了が分からない。
この単語を知らない。
リスニングで音が聞き取れない。
勉強する対象が比較的はっきりしています。
ところが英語力が上がってくると、だんだん事情が変わります。
たとえば日常会話ならある程度話せるようになっても、昆虫の話を英語でしようとすると、急に知らない単語が出てきます。
仕事の細かい話をしようとすれば、その業界特有の表現が必要になります。
文化や歴史の話になれば、それまで一度も使ったことのない表現がどんどん出てきます。
日本語だって同じだと思います。
僕は日本語のネイティブですが、医療の専門用語を全部知っているわけではありません。
法律の文章を読めば意味がよく分からない言葉も出てきます。
若い世代が使っている言葉を聞いて「何それ?」となることもあります。
日本語ですらそうなのだから、外国語である英語に「全部分かる状態」が来ないのは、考えてみれば当たり前なのかもしれません。
「分からない」がなくなる日はたぶん来ない
英語を勉強していると、分からない英語に出会うたびに不安になることがあります。
「こんな単語も知らない。」
「全然聞き取れなかった。」
「これだけ勉強しているのに、まだ話せない。」
僕も今でもあります。
ただ、以前と少し変わったのは、分からない英語に出会った時に、それを自分の英語力全体の評価と結びつけなくなったことです。
知らない単語が1個出てきたからといって、英語力が低いわけではありません。
ある話題についてうまく話せなかったからといって、これまで勉強してきたことが消えるわけでもありません。
単純に、その英語をまだ知らなかっただけです。
僕自身、英検1級を取った後もかなり長く英語を勉強していますが、新しく知る表現はいくらでもあります。
オンライン英会話をしていて先生の言い方を聞き、「ああ、そう言えばいいのか」と思うこともあります。
テキストを読んでいて、これまで知らなかった使い方を見つけることもあります。
たぶん、この状態はずっと続くんだと思います。
英検1級はゴールというより途中の目印だった
もちろん英検1級を取ったことは、僕にとって大きな出来事でした。
かなり勉強しましたし、取れた時はめちゃくちゃうれしかったです。
ただ、取った瞬間に英語が完成した感じは、そんなにありませんでした。
その後も普通に知らない英語に出会ったし、話せない話題もありました。
むしろ英語を使う範囲が広がるほど、「ここも知らないな」と気づくことが増えました。
以前だったら英語で話そうとすら思わなかったような話題を、今は英語で話そうとするからだと思います。
もちろん、英検1級を取る前と比べれば、合格後は言える内容が大幅に増えました。
細かいニュアンスにこだわらず、とりあえず状況や自分の考えさえ伝えればOKであれば、言いたいことはほぼすべて英語で言える状態です。
これは僕が初心者の頃に夢見ていた状態なので、満足しています。
だからこそ、知らない英単語、うまくニュアンスまで含めて言えないフレーズが気になるんだと思います。
そう考えると、分からない英語が見つかること自体は、それほど悪いことでもない気がします。
僕も今でも「こんなの知らんわ」と思いながら調べることがあります。
英検1級を持っていても、そんなものです。
たぶん来年も、知らない単語やフレーズを調べていると思います。
そして、その旅が僕は楽しいです。
英語を20年勉強してもまだ先があるって、素晴らしいことだなと思います。
P.S.
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