from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、速読速聴英単語シリーズと、今回の新シリーズ英単語 Issue との共通点を解説しました。
今回は、違いを解説します。
大きな違いは3つあります。
①レベル別ではなく、ジャンル別
②「一石五鳥」の内訳の違い
③社会常識とは反対の視点を養う
1つずつ解説します。
①レベル別ではなく、ジャンル別
速読速聴英単語シリーズは、レベル別に分かれていますが、今回の新シリーズは、タイトルの通り「Issue = 社会問題」のトピック別になっています。
速読速聴英単語シリーズも、記事ジャンルはカテゴリーに分かれています。
たとえば、Core1900なら、環境、教育、社会、国際情勢、経済&ビジネス、司法、科学&テクノロジー、医療&健康、などに細かく分かれています。
でも、今回の英単語Issueは、1冊丸々「環境問題」です。
ここまでトピックを固定したら、さすがに環境問題に強くなるでしょう。
環境問題を語る上で必要な英単語やフレーズは、十分にインストールされるはずです。
②一石五鳥の内訳の違い
一石五鳥とは、この本の中の英文を読むだけで、5つの力が同時に身に付くというコンセプトです。
ただ、同じ一石五鳥でも、今回の英単語Issueは、内訳が少し違います。
たとえば、速読速聴英単語シリーズの真ん中レベルに位置する「Core1900」では、一石五鳥の内訳はこうでした。
↓↓↓
①速読(リーディング)
②速聴解(リスニング)
③単語
④熟語
⑤時事知識
という5つです。
一方で、今回の新刊、英単語Issueは、
①背景知識
②語彙力
③思考力
④リスニング&リーディング力
⑤伝える力
となっています。
リスニングとリーディングをひとまとめにして、「思考力」と「伝える力」が加わっています。
つまり、よく日本人が苦手と言われる「自分の意見を考えて、発信する力」にフォーカスしているのです。
他の項目は、発信のための手段に過ぎません。
①背景知識は、自分の意見を考えるために必要です。
②語彙力は、相手の意見を聞く時&自分の意見を発信する時に必要です。
④リスニング&リーディング力も、相手の意見を聞いて、自分の意見を考える時に必要です。
英単語Issueは、これまでの速読速聴英単語に比べて、「発信するための下地知識」という要素が強くなっているように感じます。
一石五鳥の内訳はすべて、この本の帯のフレーズ
「世界の課題をジブンゴトとして英語で考えられる」
という部分につながっています。
③社会常識とは反対の視点を養う
この本の中には、各章の一番最初に、日本語のコラムが書いてあります。
そこには、一般的に社会常識になっていることに対して疑問を投げかけるようなことが書いてあります。
たとえば、最近はスーパーで買い物をする時にビニール袋が有料化しましたが、「ビニールやプラスチックの使用量を減らすだけで、本当に環境に良いのだろうか?」といった疑問が書いてあります。
そして、英語の本文の方でも、社会常識とは逆の説を唱えていたりします。
これは、意図定期に「多数派と反対の意見を持つ」ことを狙いとしているようです。
実はこれが、世界的に見て日本人が「議論が苦手」と言われる根っこの部分かもしれません。
相手と違う意見、みんなと違う意見を自分が持っている時に、それをどう表現すればいいか?
相手を尊重しつつ、自分の意見をしっかり伝えるのは、どう言葉を選んだら良いのか?
このあたりは、学校教育ではほとんど教えられていません。
そのため、「何も言わない」という選択肢を取ってしまいがちです。
そして、飲み込んだ言葉やストレスを、匿名のネット上で発散してしまうのです。
これは、単に英語力を上げれば解決する問題ではありません。
これは、「思考力」の訓練の問題です。
「自分の意見をしっかり伝えられる思考力を磨く練習をしましょう!」
というのが、今回の新刊本「英単語 Issue」に込められていると感じました。
・・・つづく。 (→この記事のシリーズを1話目から読む)
「英単語 Issue :環境編800」はこちら
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