
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
英会話をしていると、ついこんなふうに考えてしまいます。
「今日はどれくらい話せたかな。」
「言いたかったことを英語で言えたかな。」
「文法を間違えなかったかな。」
僕も英語学習を始めた頃から、英会話を「英語を上達させる場所」として使ってきました。
もちろん、それは今でも変わりません。
最近もオンライン英会話を使って、自分が覚えた表現を実際に会話の中で試しています。
でも、20年以上英語を続けてきて振り返ってみると、英会話から得てきたものは、英語力だけではなかったなと思います。
僕の場合、かなり大きかったのが「普通に生活していたら、たぶん出会わなかった人たちと話せたこと」です。
英語学習を始めた頃は、外国人と話すこと自体がイベントだった
僕が英語学習を始めた頃、外国人と英語で話すことは、今よりずっと特別なことでした。
英会話スクールに週1回通いながら、外国人が集まるバーにも週3回くらい行っていました。
当時の僕は、非日常の世界に飢えていたんだと思います。
英会話スクールだけでは物足りなくて、
「もっと異文化の雰囲気に触れてみたい!外国人と話したい!」
と思っていました。
今ほどオンライン英会話が普及していなかったので、外国人と話したければ、自分からそういう場所へ行く必要がありました。
当然、会話は全然うまくいきません。
相手の言っていることが分からないことも多かったし、自分の言いたいこともうまく出てきませんでした。
それでも通っていたのは、単に「英語の練習になるから」だけではなかった気がします。
毎回、誰と会うのか分からないのが面白かったんです。
どこの国から来たのか。
日本で何をしているのか。
どうして日本に来たのか。
仕事は何をしているのか。
英語力が低かったので、聞けることはその程度だったし、相手の返答が聞き取れないことが多く、理解度は低めでした。
それでも僕にとっては、自分の日常とはまったく違う人たちと接する時間でした。
英語が少しずつできるようになると、聞ける話が変わってくる
その後、英語力が上がってくると、英会話の面白さも少し変わってきました。
カナダに留学した時には、現地で成功しているビジネスマンにインタビューする機会もありました。
起業している人や、会社員として上のポジションまで行った人に話を聞く。
これは、日本にいた頃の僕の生活では、なかなか経験できなかったことです。
英語ができることで、単に海外旅行で注文ができるとか、道を聞けるとかだけではなく、その人がこれまでどう生きてきたのかまで聞けるようになるんだなと感じました。
もちろん、当時の僕の英語力で何でも自由に質問できたわけではありません。
聞き取れないこともあるし、「もう少しうまく質問できたらな」と思う場面もありました。
でも、英語という道具があることで、それまで自分の生活圏にはいなかった人と会って、その人の考えを直接聞くことができました。
これは、英語を勉強していなかったらなかった時間です。
オンライン英会話でも「先生」より先に、一人の人間がいる
今はオンライン英会話があるので、昔とは比べものにならないくらい簡単に海外の人と話せます。
僕自身、今でもオンライン英会話を週6日やっています。
オンライン英会話はものすごく便利な練習場所です。
覚えた単語や表現を試せるし、自分が何を言えないのかも分かります。
一方で、長く続けていると、そこにいるのは「英語を教えてくれる先生」だけではないと感じます。
たとえば以前、アメリカ人の先生たちに、マイケル・ジャクソンの曲について質問したことがあります。
僕は、
「英語ネイティブなら、歌詞は全部聞き取れているのか。」
「歌詞の意味が分かることで、曲の感じ方は変わるのか。」
ということが気になっていました。
ニューヨーク出身の40代男性と、サンフランシスコ出身の40代男性に聞いてみたところ、どちらも、初めて聞く曲の歌詞は普通に聞き取れないことがあると言っていました。
こういう話って、英語教材だけをやっていたら、なかなか知る機会がありません。
僕にとっては英語学習でもあるけれど、同時に、
「アメリカで育ったこの人は、この歌を聴いてどう感じているんだろう。」
と、その人自身の感覚を聞く時間でもあります。
毎回「英語を上達させなきゃ」と思わなくてもいい
英会話レッスンを受ける時、
「せっかくお金を払っているんだから、何か学ばなきゃ。」
と思う人もいるかもしれません。
僕も学習者なので、その感覚はよく分かります。
新しい表現を一つでも覚えたいし、間違いも直してほしい。
ただ、そればかりになると、英会話がちょっと疲れる時間になることがあります。
今日はこの表現を使えなかった。
思ったより話せなかった。
知らない単語が多かった。
そんなふうに、毎回自分を採点してしまうからです。
でも、たまには単純に、
「この先生と話して面白かったな。」
で終わってもいいと思います。
話している途中で相手の仕事の話が面白くなって、用意していた教材をほとんど使わなかった。
そんなレッスンがあってもいい。
僕自身、振り返ってみると、英語学習を始めてから出会った人たちのことを意外と覚えています。
外国人バーで話した人たちも、カナダでインタビューした人たちも、オンライン英会話で話した先生たちもそうです。
英語力を上げるために始めたことなのに、その途中でいろんな人の話を聞くことになりました。
英会話は「スピーキング練習」と考えると、どうしても自分がどれだけうまく話せたかに意識が向きます。
でも、英会話をしている時、目の前には毎回、自分とは違う国や文化で生活してきた人がいます。
今日は英語をどれくらい話せたか。
それも気になりますが、
「今日はどんな人と話せたか。」
たまには、そっちを気にして英会話をやってみるのも、けっこう面白いと思います。
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