【英語を聞き取る「耳の感度」を上げる本④】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※真のリスニング力を養うための「英語への耳の感度UP」専用テキストのレビューの続きです。

推測に頼らない、ごまかしが効かないリスニング訓練の1つとして、このテキストでは「書き取り」をします。

効いた音声を、そのまま書き取るのです。

と言っても、学校のテストのように、スペルを正しく書く必要はありません。

大事なのは「音」なので、スペルが分からない部分は、カタカナでOKです。

(ただ、LとRなどはメモして置いた方が良いと思います。「ライト」と聞こえたら、「Lライト」「Rライト」など。)

そうすることで、音への感度を上げることができます。

書き取る理由

書き取る効果は、「自分のミスをハッキリ見える化できる」ことです。

たとえば、英語の音声が、

There is a car in front of the building.

と言ったとします。

この時に、単にリピートするだけだと、

There is car in front the building.

と言った後、冠詞の「a」や前置詞の「of」が抜けていることに気付かずに、正解だと自分で判定してしまうこともあります。

僕は実際にこの本のエクササイズを妻のサヤにやってもらいましたが、さっそくこの問題が出ました。

最初は書くのが面倒だと思ったので、音だけリピーティングでやっていました。

僕はサヤの正解を聞く側なので、冠詞や前置詞の抜けや、単数複数のミスがよく分かるし、記憶できます。

でも、必死でリピーティングしているサヤは、自分が何て言ったのか、細かい部分まで覚えていません。

僕が不正解として「冠詞が抜けたよ。」とか「名詞が単数形になってたよ。」とか指摘しても、サヤ本人は「ちゃんと言ったよ!」と反論してきました。

「いや、言ってないよ。」

「いや!言った!」

と水掛け論になったことで、僕は「書くことの重要性」を実感しました。
これは2人でやっているので聞く側は細かいミスに気付けます。

でも1人でやっていたら、まずムリです。

自分に都合の良いように解釈してしまい、トレーニング効果が半減してしまうでしょう。

ごまかしがきかないようにするためにも、リスニング練習での書き取りは大事です!

モニター回答例で「あるあるミス」が分かる

僕が個人的にこのテキストの一番面白いと感じたところは、「モニター回答例」が載っていることです。

著者のロイ先生は、数十人のモニターを募って、同じ問題を解いてもらってたそうです。

そして、その解答データを載せているのです。

たとえば先ほどの、

There is a car in front of the building.

の書き取りでミスがあったとします。

すると、正解の例文の下に、「モニター誤答例」というのがズラッと載っているのです。

すると、

・There is car in front of the building.

・There is a car in front the building.

・There is car in front the building.

など、色んなタイプのミスを見ることができます。

中には、全然違うように解釈している誤答例もあるので、面白いです。

自分のミスと照らし合わせると、

「あー!同じミスをしている人がいるのか!」

「この人よりは自分はマシかも?!」

など、安心材料になります。

また、「モニター正答率」というのも書いてあって、正解の例文の横に

「モニター正答率○○%」

というように、%で示されています。

問題によっては、0%~70%まで幅があるので、これも精神的に安心材料になります。

正答率が低い問題が聞き取れなくても、「他の人も聞き取れてないから、仕方ないか」となるし、正しく聞き取れた時には、誇らしい気分になるのです。

どうしても日本人は「他の人と自分を比べるクセ」がついています。

そのクセをうまく利用したシステムだなぁ~!と感心してしまいました。

モニター誤答例を元に、音の違いを詳しく解説

また、モニター誤答例は、単に気休めのためのものではありません。

誤答例を元に、ロイ先生が「間違えやすい音の違い」を詳しく解説してくれます。

たとえば、

・with a supervisor

・with his supervisor

・with the supervisor

は、文字で見るとすべて違って見えます。

ゆっくり発音すれば、違って聞こえるでしょう。

でも、ネイティブのナチュラルスピードで話されると、冠詞や所有格はものすごく弱く読まれます。

さらに、前の音から聞いていると、そっちに気を取られて集中力がそがれがちです。

そのため、

~ with his supervisor

という正解例が、

・with a supervisor

・with the supervisor

に聞こえたりするのです。

そこでロイ先生は、この部分だけをネイティブが発音した3種類の音声を付けています。

・with a supervisor

・with his supervisor

・with the supervisor

の音が、それぞれどう違って聞こえるのか?

聞き比べができるようになっているのです。

この部分だけを何度も繰り返し聞くと、「確かに違って聞こえる!」と、耳が合ってくるのを感じます。

モニター誤答例は、自分自身にも当てはまる可能性が高いので、自分ごととして真剣に聞くことができます。

「ミスをそのままで終わらせない」作りが、しっかりしているのです。

 

・・・つづく

 

今回紹介した「イングリッシュ・ドクターのTOEIC L&Rテスト最強の根本対策 Part1 & 2」

p.s.【6月9日まで期間限定】でこのテキストを使ったセミナーを販売していましたが、書きたいことがたくさんありすぎて期間内にブログのテキストレビューが終わりませんでした!もう少し延長させていだきます・・・

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