【大人のやり直し英語に、この読解本が合うと思った理由:英語を学ぶすべての人のための 読解の技術レビュー②】

from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)

(→前回の続き)

前回は、「単語の意味は分かるのに、なぜか英文全体になると意味が入ってこない」という話を書きました。

その原因の1つとして考えられるのが、英文の構造が見えていないことです。

そこで必要になってくるのが、S、V、O、Cなどを使って英文の骨組みを見る力です。

ただ、ここで1つ問題があります。

「じゃあ、英文解釈の本を買って練習しよう。」

と思って本屋さんに行くと、かなりの確率で大学受験コーナーにたどり着くんですよね。

英文の構造を詳しく解説してくれる本はたくさんあるのですが、大人のやり直し英語として使おうとすると、僕はちょっとハードルが高いと感じます。

英文の構造を勉強したいのに、単語で疲れてしまう

大学受験用の英文解釈本は、当然ながら大学受験に出てくる英文を読めるように作られています。

そのため、使われている単語が難しかったり、文章のテーマが学術的だったり、文学的だったりすることも多いです。

もちろん、そういう英文を読むのが好きな人なら問題ありません。

でも僕の場合、大人になってから英語をやり直していた頃に、いきなりそういう本を渡されたら、たぶんかなりの確率で撃沈していたと思います。

たとえば今やりたいことが、

「長い英文の中からメインの主語と動詞を見つけられるようになりたい。」

だったとします。

ところが例文を開いた瞬間に知らない単語が5個も6個も出てきたら、まず辞書を引くところから始まります。

「あれ、この単語なんだっけ?」

「こっちの単語も知らないな。」

そうやって調べているうちに、いつの間にか頭の中が単語でいっぱいになってしまう。

本来練習したかったSとVを見るところまで、なかなか意識が回りません。

これはちょっともったいないんですよね。

最初の例文が、かなり簡単

今回読んだ清水建二先生の『英語を学ぶすべての人のための読解の技術』を見て、僕がまずいいなと思ったのがここでした。

最初に出てくる英文が、かなりシンプルなんです。

たとえば、

I walk in the park every morning.

I watch TV at home every night.

このぐらいのレベルから始まります。

英文そのものを見れば、

「これなら意味は分かる。」

という人は多いと思います。

でも、この本でやりたいのは、日本語訳を作れるかどうかだけではありません。

どれが主語なのか。

どれが動詞なのか。

どこまでが英文の骨組みで、どこからが後から付け足された情報なのか。

そこを見る練習をしていきます。

単語が簡単なので、英文の構造を見ることに頭を使えるんですよね。

僕はここが、大人のやり直し英語ではかなり大事だと思っています。

難しいことを練習するために、必ずしも難しい英文を使う必要はありません。

むしろ最初は英文そのものを簡単にして、見るポイントを絞った方が練習しやすいです。

すべての英文にSVOのガイドが付いている

もう1つ、この本を見て「これはかなり親切だな」と思ったのが、英文にSVOなどのガイドが付いていることです。

5文型を学んだ後に、自分で英文を読んでみる。

「たぶん、これがSだよな。」

「このVで合ってるかな?」

ここまでは自分でできます。

問題は、その答え合わせです。

特に英文解釈を始めたばかりの頃は、自分の分析が合っているのか分からないんですよね。

間違ったまま、

「よし、分かった。」

と思って先へ進んでしまう可能性もあります。

この本では、そこを自分で確認しながら進められます。

僕もこれまでいろいろな英語教材を見てきましたが、英文の構造をここまで丁寧にガイドしてくれる市販本は、意外に多くありません。

読解の練習をするなら、最初のうちは「自力で読む」と「答え合わせ」がセットになっていた方が安心して進められると思います。

いきなり長文に放り込まれない

この本は、初級、中級、上級の3つのパートに分かれています。

初級では、まず5文型の基本から始まります。

そこから少しずつ英文を長くして、中級では英文を複雑にする句や節、分詞構文なども扱います。

さらに上級になると、それまで身につけてきた知識を使って実際の長文を読んでいく流れです。

僕がいいなと思うのは、解説をたくさん読んでから最後にまとめて問題を解くのではなく、説明の後にすぐ練習が入ってくるところです。

「なるほど、こういうことか。」

と思ったら、その直後に別の英文で試してみる。

そこで読めなかったら、もう一度戻る。

読めたら、

「あ、さっきより見えるようになった。」

と確認して次へ進めます。

こういう小さな確認が何度も入っている方が、僕は続けやすいです。

英語の本って、読んでいる時にはすごく分かった気になるんですよね。

でも、本を閉じて別の英文を見た瞬間に、

「あれ、どうやるんだっけ?」

となることがあります。

知識として分かったことを、その場ですぐ使ってみる。

この作りは、読解の「分かる」を「できる」に変える上でかなり相性が良さそうです。

全部やらなくてもいい

もう1つ、大人の学習者には使いやすそうだと感じたところがあります。

必ず最初のページから最後のページまでやらなくてもいいんです。

基礎がすでにできている人なら、中級から始めてもいい。

ある程度読める人なら、上級の長文で自分の弱いところを確認する使い方もできます。

逆に、

「自分は今のところ、ここまで読めれば十分かな。」

と思ったら、途中まででもいいと思います。

英語の教材を買うと、なぜか全部やり切らなければいけない気がしてきます。

僕もそういう気持ちになることがあります。

でも、本を最後まで終わらせること自体が目的ではないんですよね。

今までぼんやりしていた英文の構造が、少しずつ見えるようになる。

まずはそこまででも十分だと思います。

次回はもう少し先へ進んで、読解力を鍛えることが、なぜスピーキングやリスニングにもつながるのか。

僕自身が英検準1級から1級レベルの英文を読む練習をしていた時に感じた変化も含めて書いてみます。

 

・・・つづく

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