From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき:※人間関係のマトリックスを日常生活や仕事に応用する方法シリーズの記事です。)
今、僕の目の前には、怒りで顔を真っ赤にしたちょっとヤクザっぽい外見の雰囲気の怖い男性がいます。
僕がダンススクールに行ったときに自分のクルマを止めた駐車スペースは、実は同じビルの上の階のスナックのお客さん用駐車場でした。
その男性は、そのスナックの経営者のマスターです。勝手にとまっている僕のクルマを見て、怒って苦情を言いに来たのでした。
サングラス風の色付きメガネにパンチパーマの外見のそのマスターが、僕に向かって、
「勝手にとめるなよ!ここはうちの駐車スペースだ!知らなかったじゃ済まねーんだよ!!」
と大声で怒鳴りました。
僕は恐怖で縮みあがりました。
僕は完全にビビっていました。
このまま無事に解放されるのか?
もし、違法駐車代金として何万円も請求されたらどうしよう?
しばらく怒られたあと、僕らはふたりで、せまいエレベーターに乗り込みました。
ここは6階です。エレベーターの進むスピードは遅いです。今の雰囲気のまま、ふたりきりで下まで降りる時間は、気まず過ぎます・・・
そのとき、ふと僕の頭の中に、最近学んだ「人間関係のマトリックス」の構図が思い浮かびました。
(俺は今、ビビって手に汗を握っている・・・これは間違いなく、ポジティブ依存のポジションだ。
そして相手は、強いネガティブ自立のポジションにいる・・・
これほどわかりやすい構図はないぞ!ここは、人間関係のマトリックスで学んだテクニックを試すチャンスだ!
ここで俺がヘコヘコすればするほど、相手は反対側へ行く。つまり、もっと怒るだろう。
よし!ためしに、センターに寄ってみよう!怖いけど、このピンチを脱するにはセンターに寄るしかない!!)
センターの力
僕は思いきって、さっきまでのヘコヘコした態度を変えて、センターに寄ってみることにしました。
相手と同じテンションに合わせることにしたのです。
僕は大きく息を吸い込むと、スナックのマスターの目を見ながら、険しい表情を作って大声で怒鳴りました。
僕:「いや~!!たしかに!たった一台しかない駐車スペースを、見ず知らずのやつに勝手に使われたら、そりゃ腹が立ちますよね!そりゃそうですよ!」
エレベーター中に、僕の声が響きわたりました。
相手はビックリした様子で、僕の方を見ています。
僕:「だって、その駐車料金の分も含めてテナント代を毎月払っているわけですよね?」
マスター:「お、おぅ!そうだよ!」
僕:「それなのに、勝手に知らない奴がクルマを止めたら、そりゃ怒りますよ!」
マスター:「そうだな。」
僕:「いくら知らなかったとはいえ、そんなのは言い訳にはなりません!大変なご迷惑をおかけしてしまいました!!申し訳ありませんでしたぁー!!」
僕は、ヤクザの子分が親分に頭を下げるシーンをイメージしながら、大きな声で深々と頭を下げました。
マスター:「お、おう!分かればいいのよ!」
明らかに、さっきまでとは空気が変わったのを感じました。
これが「センターに寄る」ってやつか!理論では分かっていましたが、実践したのは初めてでした。
かなり効果はあるみたいです。
僕は会話を続けました。
僕:「マスターは、このスナックの経営は長いんですか?」
マスター:「まあね。もう20年くらいかな。」
僕:「マジっすか!それはスゴいですね!!」
マスター:「いやいや、まあ、そんなたいしたもんじゃないよ。」
そんな会話をしばらくした後、エレベーターが1階に着きました。
ビルを出て外の駐車場に行くと、高級外車に乗って仕立ての良さそうな服を着た女性が、僕の車の前で待っていました。
どうやらスナックのお客さんのようです。その女性は穏やかな雰囲気で、そんなに怒っている感じではありませんでした。
でも、僕はさっきと同じテンションで、その女性にも大きな声で謝りながら、深々と頭を下げました。
「ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした!!」
すると、さっきのマスターがその女性に向かって言いました。
「彼はここがうちの駐車場だって知らなかったみたいなんだよ。まあ、許してやろうよ。」
あれれ?味方になってる??
仲良し
その後マスターは、僕のクルマをとめるスペースを見つけてくれました。
マスター:「ここなら空いてるから止められるよ。まだ上でやることあるんでしょ?」
僕:「本当ですか?ありがとうございます!」
マスター:「ちょっと狭くて止めにくいから、誘導してあげるよ。」
その後、マスターは僕のクルマの後ろに立って、僕がクルマをぶつけないように手で合図を送ってくれました。
その後、僕はクルマから降りてマスターに大きな声でお礼を言いました。
僕:「いろいろとありがとうございました!本当に助かりました!」
マスター:「いやいや、こちらこそ!怒鳴ったりして悪かったね。」
僕:「いえいえ!悪いのは僕ですから!」
マスター:「まあ、誰にでも間違いはあるよ。気にしないで。」
僕:「ありがとうございます!」
その後、僕らはガッチリと握手をして別れました。
僕が最初にマスターに怒鳴られてから、わずか10分くらいの間に、僕らは仲良しになりました。
これが、センターの力か!!
僕は、改めて驚きました!
もし、僕があのままポジティブ依存のポジションにとどまって、ビクビクしながら謝っていたら、きっとマスターはそのまま怒鳴り続けていたに違いありません。
僕がマスターのいるポジション=ネガティブ自立に寄ったから、マスターの方も態度をゆるめてセンターに寄ってきてくれたのです。
同じポジションにはいられない
このように、片方がセンターに寄ると、相手は同じポジションにとどまり続けることはできません。
必ずセンターに引き寄せられます。そこが面白いところです。
この法則を知っていれば、自分からポジションを移動することで、相手のポジションも変えることができます。
それは決して、「相手を自分の思い通りに操る技術」ではありません。
むしろ逆です。自分の思いやこだわりを手放し、相手に寄り添い、相手の気持ちを理解し、相手のペースに合わせることで、「つながり」を生み出す技術です。
次回は、今回とは別のポジション同士でセンターに寄ったときのエピソードをシェアしたいと思います。
P.S.
この「4つの性格」の考え方は、本田健さんの「人間関係のマトリックス」をベースにしています。「人間関係のマトリックス」についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの本をぜひお読みください。
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(英語の達人養成ジム 師範代)
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